米外交公電の内容が先週末に欧米の主要紙に暴露されたことを受けて、テレビ解説者や論説委員、政治家の間では、新聞各紙に情報を流した内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者の逮捕を求める声が強まっている。
イメージ Reuters

「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジュ氏

  法律および国家安全保障関連専門家の多くは、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏を米国で裁判にかけようとする試みは別問題で、同氏の米国への召喚ならびに、基本法で言論の自由を保障する米国で起訴に持ち込むことは難しいだろうとの見方を示している。

 デューク大学法学部の教授で国家安全保障法の専門家、スコット・シリマン氏は「米国がアサンジ氏に対する有罪判決を勝ち取ることは極めて困難となろう」と指摘。米政府は「次々に大きな障害」に直面する見込みだという。

 エリック・ホルダー米司法長官は11月29日、米国は情報漏えい者の起訴を目指しており、米連邦捜査局(FBI)と国防省が同ウェブサイトに流された公電について初期の捜査を続けていると明らかにした。

  ホルダー長官は同日、アサンジ氏に関してはほとんど言及しなかった。また、当局は公電公表の容疑者については名前を挙げていない。7月には、米軍のブラッ ドリー・マニング上等兵(22)が違法に米国務省の機密ファイルを持ち出し、機密ビデオを第三者に渡し、その後、ウィキリークスがこれを公開した。このビ デオには、米軍のヘリがバグダッドで民間人グループに発砲している様子が映されていた。

 また、国際刑事警察機構(インター ポール)は11月30日、アサンジュ氏を婦女暴行などの容疑で、加盟各国に逮捕協力を求める国際手配書を発行したとウェブサイトで発表した。これに先立 ち、スウェーデンの検察当局はアサンジ氏の国際逮捕状を請求すると明らかにしていた。

アサンジ氏は今夏、スウェーデンで2人の女性に暴行・わいせつ行為を行ったとする容疑を否定している。同氏の弁護士は、アサンジ氏がスウェーデンを離れる前に質問に答えるため同国検察官との接触を繰り返し試みたが、拒否されたと明らかにしている。

 アサンジ氏は11月30日も米国をあざ笑うかのうように、タイム誌に対し、クリントン米国務長官が外交官に、国連に関連する複数の人物の細かい個人的情報を収集するよう要請したことを示す公電の公開を受けて、同長官は「辞任すべきだ」と主張した。

 専門家らは米司法省がアサンジ氏に対して訴訟を起こすとすれば、1917年に成立した諜報活動取締法が持ち出される公算が大きいと指摘している。

  ただ、米国憲法修正第1条の専門家で弁護士のフロイド・エイブラムス氏は、この法律は一般的に時代遅れだとみられており、有罪判決を目指して使用されるこ とはまれだとの見方を示した。同氏は、「これは非常に広範に及び非常にあいまいなことから、実際に使用されたことはほとんどない」と語った。

(12月2日 WSJより引用)

日本の海保のYOU TUBEへの中国漁船体当たり映像の投稿、そしてウィキリークスの事件・・・・。

何か似ている物を感じるのは、私だけではなかろう。

異常なまでのきな臭さを感じる。