バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、現在の複雑な経済問題への対処法をめぐり、FRB内部に深い亀裂があることを認めた。だが議長は、この対立を歓迎している。そして意見の相違があるからこそFRBは優れた決定を下すことができると語った。

 「内部に意見の相違はある。だが最終的に委員会はコンセンサスを見出し、米国のために何が正しいのかを見極めるために力を合わせている」――バーナンキ議長は30日の講演で、連邦公開市場委員会(FOMC)についてこのように説明した。

Fed Chairman Ben Bernanke
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バーナンキFRB議長

 議長が講演したのは、ワシントンのFRB本部で特別に開催された、高校やコミュニティカレッジの教員との会合。全米各地のFRBの建物に集まった数百人の教員もテレビ会議システムを通して参加した。

 回復が遅れている景気のてこ入れをめぐり、FRB内部では意見が割れている。米国債購入が長期金利を押し下げるため29日にはFRBが国債を追加購入すべきかどうかについて3人の地区連銀総裁がそれぞれ異なる考えを示した。  追加緩和を支持する意見もあれば、その効果に疑問を呈し、金融市場に資金を過剰に注入すればインフレや資産バブルにつながると懸念する見方もあった。

 参加者から寄せられたFRB内の意見の対立についての質問は、議長にとって、自らの意思決定についての考えとリーダーシップのスタイルを語るきっかけとなったようだ。

 「意見が対立するのは良いことだ。それによって新しい考えが生まれ、問題をあらゆる角度からみるようになる」議長はこう述べて、特定の複雑な決定事項については、1人よりもグループのほうが適していることを示す大学の調査結果を引用した。

 その調査とはプリンストン大学のアラン・ブラインダー教授(元FRB副議長)と、カリフォルニア大学バークレー校のジョン・モーガン教授が、学部生を被験者にして行った集団意思決定に関する実験だ。一例をあげると、容器の中にある青いボールと赤いボールの数を推測する実験では、グループが個人よりも良い成績をあげた。

 「何が正しいのかを決定するためには、賛否両意見に耳を傾け、そのうえで批判的に考えることが重要だ」と議長は語っている。

 このアドバイスは、バーナンキ議長のコンセンサス重視のリーダシップ・スタイルを垣間見せてくれた。このところのFRB内の対立にも議長が思い悩む様子はない。結局はグループが自分に従うことを知っているからかもしれない。

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(10月1日 WSJ)

バーナンキのパフォーマンスは、上手くいったようであるが騙される訳にはいかない。

諸悪の根源は、まさにFRBであり、FRBが設立されてからこそが悪のオンパレードで綴られている。FRBは、国立銀行の様に見えるが、れっきとした私立銀行である。

そのことを忘れてはいけない。そして、貨幣の発行権を議会から奪い去り、自分達で自由に調整をしている。貨幣の発行権を取り戻そうとした、リンカーン、ケネディは何故か暗殺されている。偶然の一致と言うのはなかなかない。必然であるからだ。