9月30日(ブルームバーグ):米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG )は30日、日本の傘下生保2社を米生保プルデンシャル ・ファイナンシャルに48億ドル(約4000億円)で売却すると正式発表した。AIGは事業売却などで公的資金返済を進めており、日本ではアリコジャパンの米メットライフへの売却も決めている。

AIGエジソン、AIGスター の売却の内訳は現金42億ドルと6億ドルの債務引き受け。公表資料によると6月末時点でAIGエジソンの総資産は2兆4328億円、純資産は1734億円。AIGスターはそれぞれ1兆5029億円、1284億円の中堅生保。AIGの保険事業は、日本の保険会社でなく米国の同業に買われることになった。

プルデンシャル は 日本法人が傘下にプルデンシャル生命保険、ジブラルタ生命保険などを持ち、破たんしたあおば生命保険(旧日産生命保険)や大和生命保険の買収などで規模を 拡大。3月末時点の総資産は6兆5060億円、純資産は1784億円。今回の買収により総資産は10兆円と日本で営業する生保では5-6位の規模となる。

米格付け会社ムーディーズの三輪昌彦シニアアナリストは、「スター、エジソンとジブラルタはともに外貨建て定額年金保険に強く、シナジーを発揮できれば存在感を高められる」とみる。また3社は経営破たんした日本の生保が前身で文化的に近く「予定利率も引き下げられており、逆ざや負担は少ない」と買収メリッ トを指摘した。

AIGスターは、AIGが経営破たんした千代田生命保険の受け皿となり2001年4月に継承。一方、AIGエジソンは破たんした東邦生命保険が前身で、買収で規模拡大を進めた米ゼネラル・エレクトリック(GE )からAIGが03年6月に譲り受けた。

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米国式錬金術の一部始終がこれでお分かり頂けるであろう。