データ書き換えは故意か、過失か。厚生労働省の村木厚子元局長(54)の無罪が確定した郵便不正事件に絡む証拠品のフロッピーディスク(FD)のデータ改 ざんを巡っては、いまなお不可解な点が多い。証拠隠滅の疑いで最高検に逮捕された大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)は、取り調べに「誤っ て書き換えてしまった」と供述、意図的な改ざんを否定し続けているという。最高検の捜査で、謎を解くカギは見つかるのか。

 ◇FDをなぜ返却?

 前田検事がFDのデータを書き換えたのは昨年7月13日。同16日にはこのFDを、厚労省元係長、上村勉被告(41)側に返却している。FDは本来なら 公判に提出すべき資料。裁判所に証拠提出をしない上、データを書き換えたものを被告側に返却すれば、改ざんが発覚することは予想がつきそうだ。

 改ざんしたのは、上村被告が障害者団体に渡す偽証明書をパソコンで作成した日付。「04年6月1日1時20分6秒」だった最終更新日時を「6月8日21 時10分56秒」と換えた。6月8日なら検察の描く事件の構図と合うため、上村被告の弁護団は「弁護側の証拠として提出させる意図があったとすれば、許せ ない」と憤る。

 ◇捜査報告書と矛盾

 大阪地検特捜部は、昨年6月14日に村木さんを逮捕し、同29日付で捜査報告書を作成した。村木さんと弁護団に証拠開示された報告書には、書き換え前の FD記録「6月1日」が添付されている。報告書が作成された後、FD記録を書き換え、矛盾する二つの日付が存在する状態になっていた。

 前田検事がFD記録を改ざんした昨年7月13日の時点で、報告書に「6月1日」のデータが添付されていることを知らなかった可能性もある。しかし、主任検事が報告書の内容を知らないと考えるのも不自然だ。

 報告書の「6月1日」のデータは、弁護側から「検察側のストーリーに矛盾する」と公判で厳しく指摘され、無罪の決め手になった。

 なぜ報告書は、検察側の主張と一致しない「6月1日」のままにしていたのか、謎は深まるばかりだ。

 ◇なぜそのままに?

 前田検事が主張するように、故意に改ざんする意図はなく、誤って書き換えてしまったのなら、なぜ元の日付に戻して上村被告側に返却しなかったのか。

 FDデータ取り扱いに詳しい専門家は「データを改変するソフトをパソコンにインストールして日付を換えたなら、元に戻すことも同じようにできたはず」といぶかる。

(9月23日 毎日新聞)

このような、不自然で合理性のない言い訳を繰り返す前田という男は、何か隠していると思う。話題をフロッピ-の改ざんに集中させているのは、何かを隠すための撒きえに過ぎない。この裏に隠されたものを探し出すのが、最高検の役割である。やらない時は、やはり「なあなあな関係」だったのかと言われると思う。