沖縄県・尖閣諸島の久場島(くばじま)北西の日本領海内で7日午前、巡視船と接触して逃走した中国の漁船について、第11管区海上保安本部(那覇市)は8 日未明、公務執行妨害容疑で中国人船長の男(41)を逮捕した。漁船は同島の北北西約27キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で停船し、同本部が海上保 安庁法に基づく立ち入り検査中。船長は石垣海上保安部(沖縄県石垣市)に移送する方針。

 海保によると、逃走したのは大型トロール漁船「※晋漁5179」(166トン)。船長は7日午前10時56分ごろ、同島北西約15キロの領海内で、並走 しながら繰り返し停船を求めた巡視船「みずき」(197トン)の右舷に漁船左舷を接触させ、検査を妨害した疑いが持たれている。船籍は中国・泉州で、乗組 員の男15人は全員中国人と話しているという。

 外国籍漁船が不法操業した場合、日本の領海内では外国人漁業の規制に関する法が、EEZではEEZにおける漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法 が適用される。漁船は網を下ろして操業していたが、停船の警告を再三無視。みずきへは、操舵(そうだ)してぶつかったとみられることから、海保などは公務 執行妨害に当たると判断した。

 海保によると09年までの過去5年に、東シナ海を含む日本の領海・EEZで中国籍の漁船3隻、台湾の漁船6隻が不法操業で検挙されている。

中国漁船と海保巡視船の接触に関し、仙谷由人官房長官は7日、首相官邸に海上保安庁や外務省など関係省庁の局長級を2回にわたって集めて対応を協議した。 出席した政府高官は「最寄りの警察か検察のあるところに連れてきて日本の手続きでやる」と語った。別の出席者も「何度も漁船に警告しており、こちらの対応に問題はない。国内法に基づいて海保が粛々とやる」としている。

(毎日新聞 9月8日)

文句をつけようとする種は、時として、知らず知らず撒かれて、最初は何でもないように見えるが、ボディブローのようにじわじわと効いてくる。裏側にどの様な意図があるのか、何を画策しているのかをしっかり見据えた上で対処していかなければならないと思う。国際政治の場面では、正論が通ると思ったら大間違いである。強い者、利益の上がる方向に結果は動く。こういうシステムを排除しなければ、いつまで経っても同じである。
長いものに巻かれろの精神を継続することを望む限り、体制は変わらない。