5日午前7時55分ごろ、名古屋市中区金山の市営地下鉄名城線金山駅構内で、刃物を持った女が暴れ、通行人に切り付けた。女は駅員らに取り押さえられた。 同市港区辰巳町の無職奥田トシさん(81)が背中や頭などを刺され、病院に搬送されたが、出血性ショックで間もなく死亡した。
 愛知県警中署によると、取り押さえられたのは同県春日井市に住む職業不詳の女(23)。同署は同日夜、殺人容疑で女を逮捕した。女は精神科への通院歴があるといい、調べに対し「わたしに名前はない。死んだ」などと話し、供述調書への署名を拒んでいるという。
 女は奥田さんと面識がないとみられ、同署などは精神鑑定を実施し、刑事責任を問えるか慎重に判断する。

(時事通信 9月5日)

毎回こういう類の事件が起きると思うことがある。やはり、精神を病んでと言うか、壊れてしまった人間は、共同生活を送る社会には、復帰できないと言うことである。共同生活を送る大前提は、正常であるということである。
しかも、こういう痛ましい事件が起きてしまった場合、刑法では、責任能力を問えない者を罰することは出来ないのである。遺族の泣き寝入りは必至である。こういうことに対して、防止するリスクマネジメントが出来ていないのを、私は痛切に学生の頃から考えている。「責任性」を問えない者を罰するのではなく、監督責任者を罰する方向で法改正を行ったら少しは、このような事件が減少するのではないかということである。

それと、議論を呼ぶと思うが、そういう可能性のある者の一律隔離である。社会の法益を守る為には、止む追えない措置であると思っているが、悪用される恐れがあるので、なかなか推進するまで踏み込めない。ということは、またこの様な事件が起きることに心を痛めることになるのかと思うと、やるせなくなる。こういった矛盾を解決することができる能力のある人間が立法を行えば、世の中もっと理不尽な事が減少するのであろうと思う。