[9月3日 映画.com ニュース] 開幕2日目を迎えた第67回べネチア国際映画祭で、コンペティション部門に選ばれた「ノルウェイの森」がワールドプレミア上映された。
仏在住のベトナム人監督トラン・アン・ユンが、日本を舞台に村上春樹の原作を映画化した同作は、松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子らをキャストに迎え、村上独特の世界観を映画化したもの。決して癒されることのない、悲しみを抱えた若者たちの声にならない絶望の叫びが、ユン監督が絶大な信頼を置く撮影監督 リー・ピン・ビンの、美しくも透明感のある映像によって写し出される。

 正式上映ではスタンディングオベージョンが鳴り響き、たしかな手応えを感じさせるものになった。上映後、キャスト陣は興奮した面持ちで「たくさんの方に 見ていただけるだろうなと確信できました。最高の1日になりました」(松山)、「世界的に知られる村上春樹という作家の原作をトラン・アン・ユン監督と、 素晴らしい共演陣とともに映画化できたこの作品に、これだけの反応が届いてきたのがとてもうれしい」(菊地)、「演じている自分自身もとても引き込まれて しまい、それだけ監督の力が素晴らしいと感じさせられました」(水原)と感慨に浸った。

 また正式上映に先立って行われた記者会見では、ユン監督が、村上とのコラボレーションとその世界観について「94年ごろ、フランスで翻訳版が出てすぐに 読み、とても好きになりました。最初のシナリオが出来上がったときに村上さんに見せたら、彼がたくさんのメモを書いて送ってくれた。彼の作品には、個人の深い親密なところに響くものがあり、ただこのストーリーを語るだけではなくそういう世界観をぜひ映像に表現したかった。わたしにとっては大いなるチャレン ジでしたが、素晴らしい経験となりました」と語った。

 同日には、前評判の高いジュリアン・シュナーベルの「Miral」も上映。数分間にわたり拍手が鳴り止まなかった「ノルウェイの森」が、審査員団にどう評価されるのかに注目が集まる。

(引用終わり)

早く観たい。(笑)