◆マスでの本音は、そんなに変わってはいない? 「省」「安」「消」「除」の4大キーワード | 児玉千恵子アーカイヴ

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わが国に「既製服のフィッター」を誕生させたパイオニアとして知られ
VMD改善実地指導で売れるCS空間を創る「売場の庭師」とも呼ばれている
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 手元に、22年前の資料(ディオレットセリングポイント→営業&販売職・お取引先へと、月ごとに私が発行していた月刊情報)がある。
 読み返すと、今日の商いにも通じる記述があるので、原文のまま以下に列記させていただく。
 見出しには、「消費者のライフスタイルの動向」と題して、「省」「安」「消」「除」の4大キーワードを掲げていた。                                            CD本社 社内研修
児玉千恵子@連絡簿-CD社内研修風景  ○ムダな力を省きたい。
 ○安価ならうれしい。
 ○残さずに消費できる。
 ○すぐに取り除きたい。
 に続いて、ユーザーの本音として、買い物が「煩わしい」、日用品は買うのが「面倒」だから、「一ヶ所」の店で揃えて、浮いた時間を「余暇の満足」に使いたい…うんぬんにふれていたが、反芻してみると、当時も今日もマスでの本音は、そんなに変わってはいないようだ。
 また、当時のニューファミリー(35歳以上)に関しては、      「父親」=会社人間→趣味サークル→地域活動へと「内化」
 「母親」=PTA→地域での共同購入→文化教室へと「外化」
 と記述していた。
 当時35歳だった父親は、現在57歳になるわけだが、近年に話題となっている「イクメン」パパの兆しは、その頃からあったようだ。
 そこでもしも、MD構築や次にくるトレンドの予測で迷いが生じたら、こういった過去におけるユーザーの「生活志向」や、以前にも本誌でふれた「服飾関連史」に目をやると、見えてくるものがあろう。
 また、販売する立場からの風化していない(?)資料も紹介させていただく。
 業界誌に、「悩めるFAへの熱きアドバイス」というタイトルでデビューしたときの、現場「汗との匂い」を発散していた頃の記事だ。
 すでに「お客さまは個人につく」という小見出しを掲げ、販売職(FA)に目覚めた十年目に、大きなカベ(毎年、予算をクリアーしてきたために、分母が大きくなった)にぶつかったことや、四苦八苦しながらも、お得意さまや外商スタッフに支えられたエピソードを含めて、当時のお客さまについても、「FA目線」でそれなりに分析していた。
 ○最近のお客さまは、モノをたくさん持ちすぎ、ファッションの需要と供給のバランスがとれなくなっています。そして、
 ○ショッピングは、自分の「お楽しみ」「コレクション趣味」「明日の仕事への励み」的傾向にあるため、私たちFAは、今まで以上の対応が要求され、どんなお客さまにも合わせられる能力が必要となってきています。…に続いて、
 ○どこの店(百貨店)にも優秀で模範的なFAは、同じレベルでたくさんいます。
 ○どのメーカーの商品もレベルが高くなり、消費者を満足させることができます(原文のまま)。
 と当時の不安や思い、こうしたいことや思いの丈を、22年前の誌上で訴えていたとは…。
 たまたま今春、老舗の大手高級婦人服専門店の営業部長に、それらを目にしていただく機会があった。 「FAたちに今欲しいのは、この内容そのものだ!」と、「販売職」出身の彼が、共感してくださった。
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕

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