まずは、「人の身体と服について」の知識を反復してみよう。
97年2月20日付で成人女子衣料JISサイズが、96年6月1日付で成人男子衣料JISサイズが改正されてから、あっという間に十年以上が経過した。
一方、市場には、様々な海外ブランドが導入され、国内品であっても「体形&体型」変化にそった「トールサイズ服」や「L&LLサイズ服」の展開に拍車がかかってきた。
生活環境や食生活の変化にともない、欧米人に負けないプロポーションの若者が増えてきた。
しかし、アダルト層からは「自分に合ったサイズが見つからない」「着心地が悪い」などの声が頻繁に聞かれるのはなぜなのか?
「生身のボディと、洋服を知っているようで、実は理解できていない」といった実例が、メーカー、バイヤー、FAも含めて結構多いことも一因ではないだろうか?
また、CAD(コンピュータによる設計)によるパターン作成や、身体の各部位を正確に計測できる最新鋭機器の普及、体形変化(加齢による)に合わせた、工業用ボディに頼りきった服づくり…も「人力」を萎えさせている。
こういった分野では、システムが駆使されるにしたがって、熟練の「ハサミとメジャー」使いという「尽力」がさらにモノを言う。
着心地は前提として、「創造性」が期待される洋服は、日用品や消耗品のように、「色やサイズ・素材」の売れ筋を、パソコン画像上で追っているだけでは、売り逃しを防ぐための解決策として事足りない。
特に女性客は、例えばB(バストサイズ)が83センチの場合、JISサイズの9号をおすすめすれば、顧客満足につながるわけではない。
身長とのバランス、ゆとり(ゆるみ)の甘さ辛さの加減、BP(バストポイント=乳首)の高さ、ボディラインがスリムかふくよか。…その他諸々のエレメントを、瞬時にジャッジできる技能力も必要とされる。
お客さまの大半は、華やかなファッションショーに登場する、モデルのような「体形&体型」ではない!
扱い商品によって差異はあるが、販売の現場では、マニュアル通りにはいかない「リアル」なケースにスタッフが直面している。 (次回につづく)
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」連載記事より
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