もはや王には反撃する気はなかった。
顎は砕け散り、まるでハンマーでぐしゃぐしゃにしたビスケットのようになってしまったのだ。
トシとチカ、いや地球の勝利である!

そして少しずつ・・・王は地球に来た目的を話し始めてた・・・

「私の父、お前らの祖父にあたるマラディクラ=カヴァー・スメールが地球からは遥か彼方ではあるが宇宙統一運動をはじめた・・・
私はそれに立ち向かい、戦いを繰り広げてきた。が、父には到底及ばないことに気がついた・・・」
「それが地球に来るのと何の関係があるんだ?」
「私はもしもの時に使えるかもしれないと思い、子供であった君達二人を遠くの星に向かわせた。そう、猿飛が来たときに。彼が地球人であることはわかっていたので、今後地球に行くときは私が助けてもらいたい時だと伝えたのだ。」

王は本気で地球を壊そうとはしていなかった。マラディクラ=カヴァー・スメールに対抗できる戦力を求めて地球に来ていたのだ。トシとチカは間違いなく戦力になるだろう、さらに地球人で戦力の長けているものにも協力してもらおうと。

「トシ。お前は間違いなく今後の宇宙で重要な存在になる。マラード星で育っていないのにその戦力・・・私の時代ももはや終わり。」
「・・・・・・」

トシとチカは大体事情はわかった。王がここまで必死になって宇宙を守りたいことを。ただそのやり方は少々気に食わなかったので、カンペキに許すということは今後ないだろう・・・

ただ、宇宙を救いたい。それだけは同じ考えを持っていた。

「トシにチカ。お前らの気持ちはもうわかっている。今後はこいつらを率いて宇宙で活躍してくれ・・・最後に私の能力で、私の持っている戦闘で使える能力をいくつか分けてやる・・・」

そういうと王はなにやら唱え始め、そして姉弟は自分の中に新たな能力が目覚めたことを実感。

「それじゃあな。頑張ってやってくれ。ちなみに今までの戦闘とかで命を落とした地球人はお前達にも分けてやった能力で生き返らせてやったか・・・ら・・・」

王は自らの能力で息を引き取った。最初から地球を襲った責任として死ぬつもりだったんだろう。地球にようやく平穏が訪れた。



「ん・・・?ココは私が乗ってきた宇宙船・・・?」
「王様よォ。」

王は能力で死んでいたが、生き返った。それもチカによる王から譲り受けた能力であった。
トシは言った。
「オレは地球を襲ったことをまだ許してはいねー。ましてやアンタを本物の親だってことも認めちゃいねー。でも・・・宇宙を救いたいって気持ちは一緒なんだよ。ちょっとでも戦力が欲しいっていうのに勝手に死なれちゃ困るね。」
「・・・・・・すまない・・・・・・」

宇宙船は最大の戦地、モネール星雲に向かって飛んでいった。

第一部 完!
急所をはずさせたとは言え、衝撃は小突きでさえもヤバイッ!
トシは立ち上がれなかった!ちょうど球場だった頃のマウンドの上だったのでトシは服に土がついていた・・・

王はトシの方を向いて言った。
「まるで地面をはいつくばっている昆虫・・・それでも王の息子かッ!?」
王は息子の腹に蹴りを入れる!血も涙も感じられない!と思ったが・・・

「へっ、お前目が充血してるぜ・・・さすがの王様も息子に暴力振るうのには抵抗があるのかな・・・?」
「ちっ違う!コレは地球の空気が乾燥してい・・・!!!!?め、目が・・・目がーーーーッ!!?」

トシは口から血を流しながらも微笑を浮かべていた!
そして手に握っていたのは、「マウンドの土」ッ!!!!

「な、何をした!!?」
王はいままでの冷静さを失っていた。

「マラード星人は瞬きをしない!そのことを思い出した。
そしてもしかしたら”土が目に入りそう”と思っても地球人のように反射することはないだろうと思ったのさ。
なぜなら瞬きをしないのだから目の辺りの筋肉が衰えていると思ったから!
そして異物の入ってきた瞬きを知らない目はパニックを起こして一時的に見えないようになったのさ」

「く・・・まだ目が・・・見えない・・・」
「何しようとしてるのかよくわからんが、関係のない地球人をみんな巻き込んだ!死という恐怖で縛ったお前は万死にあたいする!」
「・・・」

王はトシが能力を使い、自分を倒そうとしてくるタイミングはわかっていた・・・
しかし目が使えない王は避け切れなかった!!!

ドシュッッ!!!!!!

トシの拳は王の顎を貫いた。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
トシは恐怖という概念をすて、王に向かう!そして新しく開花した能力で王をしとめる!!

と、思われた瞬間王はトシの真後ろに立っていた・・・
「遅い」

王は閃光の速さでトシの後ろ側まで移動していた!しかしそれはまさに閃光!
トシは移動していることに気づかず、王の残像に攻撃をしていた!

「ドッ!!!」
王はトシの首筋を小突いた。そしてゆっくりとトシは倒れていった・・・
そしてブラックアウト・・・失神・・・

「いくら力強い能力を開花させてもスピードがついていけなければそれだけの話。」
王は強かった、トシは当たれば王を倒すこともできた・・・しかしそれは”たられば”の話にしか過ぎないことであった・・・


一方その一瞬を見ていたチカはうずくまっていた・・・
「私がどうこうできるレベルじゃない・・・」
そう感じていた・・・

あの修行はなんのためにしてきたのか・・・
私の力不足で地球は滅亡・・・?
いやだ、いやだ、そんなの・・・
自分は無力?トシのサポートもできないの!?
いやだ・・・いやだァァァァァッ!!!!

チカは自分の無力さに憤りを感じていた・・・

王は近づいてくる・・・
「さぁ次はお前の番だ・・・アイツのように一発で・・・」
「(トシのサポート・・・それが私の使命・・・!!!)」

チカは激しい憤りで能力が開花したッ!
「能力を開花させやがったな・・・」
王はつぶやいた・・・そして何故だか微笑を浮かべていた・・・

チカは全力でトシの方へと向かい、トシの胸に手を置いた!
そう!チカは回復の能力に目覚めていたのだ!

立ち上がるトシ。
「ありがとうチカ姉ちゃん・・・オレがんばるよ・・・」

トシはまた王のもとへと歩み寄った・・・
「いくら立ち上がってこようとも私には及ばない・・・実力の差がありすぎる・・・」
「それはやってみないとわからないだろ!!!!」

トシはまた能力で王を倒そうとした!しかしそう現実はうまくはいかない!
一回はずれたのがまた当たるわけもなく、また首筋あたりを小突いた!

「エンドレスだ・・・もうやってられん・・・地球も終わりだ!」
「終わりじゃない!!」

トシは大声で叫んだ!!!トシは超人的なインパルスでほんのちょっとだけ避け、小突きを急所からはずさせていたのだ!!