青木さんのお菓子の作り方には、大御所のパティシエが眉をひそめるようなものもあります。その代表的なのがパウンドケーキ。通常はバターをホイップして空気を含ませ~等、手間のかかる作り方なのですが、青木さんは粉類に卵液をホイッパーであわせ、そこに溶かしバターを入れて混ぜる、といういわゆる手抜き調。
私も始めは疑っていました。
「こんな作り方ではだんごみたいに固い生地になってしまう。」
ところが、まったくそんなことはなく、簡単なのに生地がおいしいのです。
ここで「簡単」と言いましたが、実は別の難しさがあります。青木さんのレシピで大切なのは温度です。フルーツケーキも生地の温度が35度程度でないと全体が締まって、混ぜているつもりが捏ねているようになってしまいます。バター、漬け込みフルーツ等、材料の温度管理は非常に重要です。私は冬場、ボールを湯煎にかけて作業します。そうでないと生地の温度があっという間に下がって全体をスムーズに混ぜられないからです。
そして、焼きあがったケーキは熱いまま、キルシュの入ったシロップにどぼん、と漬けます。そして熱いままフィルムにくるんで密閉します。そして待つこと1ケ月。やっと食べごろになりました。今回のケーキはクリスマスに作ったものなので。
切ってみると、こんな感じです。
1ケ月おいておくことにより、お酒が馴染んで、全体がまとまりました。以前、シロップをつけすぎて生地がべちゃっとなってしまったのですが、今回は1回シロップにくぐらせる程度にしたので、生地のふわっとした食感が損なわれませんでした。
