香川県坂出市「岩黒島」 | ドルフィン企画~瀬戸内海クルーズのご案内~

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島へ行くにための交通手段は当然「船」であり、それも有人島であれば原則として「定期船」が交通手段となりうるのだが、稀に定期船が就航していない有人島があったりする。
島に橋が架かったり埋め立てなどで地続きになったことで、バスや車で到達可能になってしまったタイミングで定期航路が廃止されたケースがほとんどだ。
更に稀なケースで、そもそも人が住んでいる島なのに定期船が就航していない島もあるがそれは今回触れないでおく。

埋め立てで地続きになった場合は、インフラ的には本州などと基本的に同等になるため特に問題ないが、架橋によってつながった場合はその架橋が高速道路仕様だったりすると架橋の利用に制限がかかってしまい、結果的に島へのアクセスに制限がかかってしまう。
その代表例が本四架橋の橋脚になってしまった島々であり、過去にこの問題が一番大きく報じられたのは、淡路島へ就航するフェリーが全廃してしまったので、淡路島へ二輪車でのアクセスが一時的に不可能になった話だろう…(現在はこの問題は解消されている)

今現在、橋によるアクセスの制限に最も苦しんでいるのは瀬戸大橋の橋脚である、香川県坂出市の3つの有人島だと私は勝手に思っている…
とにかく瀬戸大橋の開通と同時にこれら3つの島からの定期船は全廃され、代替の交通手段として路線バスが運行されるようになった。
しかもこの3つの島へは車両の乗り入れも制限されたので、観光バスや配送トラックなども容易には乗り入れができなくなってしまったので、橋の開通後も色々と不便を強いられるようになってしまった。
その3つの島の中で最も不便を強いられているのが、岩黒島である。

なぜ岩黒島が最も不便を強いられているのかというと、この島は他の2つの島と違って架橋の島内での位置関係から、上り線に島内への連絡車道が無いのである。
では上り線の利用者(四国→岩黒島&岩黒島→本州)はどうするのか?というと、隣の島である与島と櫃石島に岩黒島上陸車両のためのUターンレーンが整備されている。

岩黒島へ車両で上陸するには許可証が必要なので、許可証を持っていない私は坂出から路線バスで岩黒島へ向かい、高速道路上り本線上にある「岩黒島バスストップ」で下車した。
上り線バスストップからは階段で車道の下まで降りるのだが、この階段が海の上に建っているような錯覚を覚える。
車道の下はコンクリートに囲まれたトンネルになっており、ダンジョン感が半端ない。
車道の下をくぐって下り線バスストップへ行くと、ここから島の地上へ下る展望エレベーターに乗る。

岩黒島の名の由来は島の岩が黒いからだと言われている。
島内は典型的な漁師町で東向きの細い路地に家が密集している。
家の背後に巨大な橋へのループ連絡道路が見えたり、車や鉄道の騒音が聞こえなければ、瀬戸内海のどこにでもある漁師町と変わらない。
瀬戸大橋が架かることで、島の暮らしはきっと大きく変わってしまったのだろうと勝手に思ってしまった。

帰りは集落の中心に最近開設されたバス停から坂出行きの路線バスに乗車した。
この櫃石島にはそもそも大型バスを走らせる大きな道路が無かったので、瀬戸大橋開通以来ずっと車道上のバス停までエレベーターで行く必要があった。
しかもそのエレベーター乗り場は島の集落外れの高台にあり、島の高齢者にとっては使いにくい場所にあったので、数年前に1日数便のみマイクロバスでの運行に切り替え、マイクロバス運行便のうち坂出行きのみループ橋を使って集落の中心地までバスが降りてくるようになった。