中の人的感想文「第八おおしま引退クルーズ」 | ドルフィン企画~瀬戸内海クルーズのご案内~

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もう3か月も前の事になってしまったが、昨年11月5日に開催した「第八おおしま引退クルーズ」には110名のお客様にご参加いただき、大変盛況だったことをここであたらめてご報告ならびに皆様にお礼申し上げます。

なお、正統的な報告に関しては今回大変ご協力いただいた2者さんからWeb上にアップされているのでそちらをご覧ください。

報道的なものは朝日新聞高松総局さんの記事
https://www.asahi.com/articles/ASRC97KCFRC6PTLC012.html
マニア向けにはブロガーJさんの記事
http://blog.livedoor.jp/vessel_space/archives/50455543.html
両氏には今回、集客において大変ご尽力いただきました。

私は今回、あくまで「中の人」視点で以下ご報告いたします。

久しぶりの主催イベントとなったこの「第八おおしま引退クルーズ」には3つの奇跡がおこったと勝手に思っている。

1つめの奇跡は「天気」
当初、11月5日の週間天気予報は最悪で雨マークだった。
運航には支障ないものの、恐らく大きなカメラを抱えたマニアが沢山参加されることが予想されたため、雨だけは避けたかったが、結果的に終始穏やかなお天気だった。

当日の朝、停泊場所である今治港中型フェリー可動橋から第三桟橋へシフトをした時に、港内の第一桟橋と第二桟橋に「異変」を感じた。
どうやら因島の土生港からやってきた芸予汽船の定期旅客船「つばめ」が急遽定期運用から離脱し、替わりに「第十一かもめ」が定期運用に入るようだ。
私は心の中でつぶやいた。

「役者が揃った」

この「第十一かもめ」はしまなみ海道架橋全部開通以前に就航した船で就航当初は尾道と今治を結ぶ東回り高速船航路に就航し、しまなみ海道架橋全部開通後は因島土生と今治を結ぶ快速船航路の予備船として現在に至っており、新造以来航路や船主に大きな変化が無く今治港ではレジェンド的存在となっている。
この船が本日定期運用に入ることは、本日何度か「第八おおしま」と反航することになり、「第八おおしま」の航海に懐かしい色どりを添えてくれることになるだろう。
ここで2つ目の奇跡が起こった。

航海は順調に進み、いよいよ行程上のクライマックスである因島土生港へ着桟する前に、マニア的クライマックスである1回目の「第十一かもめ」との反航場面があり、大いに盛り上がった。
しかしその時、因島土生港を見ると思いもよらない光景を目にすることとなり、思わず心の中でつぶやいた。

「役者が揃った」

因島土生港の路線バス待機場で「第八おおしま」の到着を待っていたのは、本四バス開発の「1430」であり、この車両は今現在土生港から出発する路線バスの中ではレジェンド的な存在である。
このバスはしまなみ海道架橋全部開通以前に当時の本四バスが購入し現在も使用しているバスで、外観も用途も当時から今までほぼ変わっていない。
ちなみにこの本四バス開発「1430」が私のブログに登場するのは今回が2回目で、前回はマスターベーション的自信作「♯おうちでしまなみ」の表紙を飾っている。
https://ameblo.jp/dolphinkikaku/entry-12600520410.html
わかりにくいと思うので拡大画像を掲載しておくが、既に路線廃止されている定期観光バスのチラシのモデルになった当時の本四バスの車両が「1430」である。
このバスは色々な意味で「虎の子」であり、その特殊さ故に今も予備車としてたまに土生港に現れる。

本四バス開発「1430」は1997年に本四バスが株主だった因の島運輸と資本関係を解消した際に購入した新車の貸切車両3両のうちの1両であり、他の2両と違って新製当初から高速路線予備車としての運用を考慮してこの車のみトイレと押しボタンを装備していた。
当時の本四バスの貸切車両には因の島運輸からの伝統を引き継いで各車両に愛称を付けていたので、他の2両には「シーガルⅤ」などの愛称が付けられ「1430」は「Flour2」の愛称が付けられた。(今はない)
ところが装備の特殊性が運用の特殊性(原則高速路線予備のみ)に結びついてしまったので、他の2両がとっくの昔に引退しても「1430」だけが残ってしまい、未だに高速路線予備車として活躍しいる。
恐らくこの車は新車以来1度も定期運用に就いていない車両のような気がする…

かつての「第五愛媛」にとって最後の因島土生港寄港となった今回、土生港の路線バス待機場にはこの本四バス開発「1430」しかいなかったので、しまなみ海道架橋全部開通以前の光景が再現された。
ここで3つ目の奇跡が起きた。

あれから3か月が経ち、落ち着いて当時の画像を見返すと20年前までは日常だった光景が失われたのだなと寂しく感じている。

今回、色々な諸条件が上手く重なってこのようなイベントが開催できたことそのものが本当の「奇跡」なのかもしれない。
ご協力くださった皆様、ありがとうございました。

そしてお疲れさまでした「第八おおしま(第五愛媛)」