五十歩百歩 | ドルフィン企画~瀬戸内海クルーズのご案内~

ドルフィン企画~瀬戸内海クルーズのご案内~

弊社「ドルフィン企画」は貸切旅客船を使った瀬戸内海クルージングの商品を企画して旅行会社様に販売しています。

ここでは、主に瀬戸内海の隠れた観光素材を情報発信してゆきたいと思っています。

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よく旅行会社が募集しているツアータイトルに「(数字)島めぐり」なんて書いてあるものがある。
この表現に関して、私は旅行会社の企画担当者に都度クレームを入れるようにしているが、法的に規制されていないため現状このツアータイトルをやめさせることはできないらしい…

ではなぜこのような表現をしているのか尋ねたところ、かつて沖縄にてこのようなタイトルで募集したツアーがメガヒットしたからやめられないそうで、ここで私が疑問に思うのは、本当にツアータイトルがヒット原因なのか?きちんと比較検証された痕跡は無く、その証拠資料を示されたこともない…(笑)

ではなぜ私はこのタイトルを嫌がるのか?
どの島にも人が住んでいるので、その島の住民に対して失礼だと私は思う。
過去に旅行に参加されるお客様へお渡しする行程表の島の名前の前に番号を振っていたら、島へ上陸した途端添乗員さんが「(数字)番の島です」と案内をしていたので、これを島民に聞かれたら大変な事になると思って、行程表に番号を振ることだけは厳重に注意している。

そもそも島にはそれぞれ固有の名前があるので、少なくともその島へ訪れるのであるならばその島の名前を覚えるのは訪れる人の最低限のマナーだと私は思う。
島の名前は必ず人間が付けているので、島の名前には人類の歴史が刻まれている。

人間だって番号で呼ばれるといい気はしないだろう。
番号で呼ぶのは銀行と病院の窓口くらいで十分だ。

そんな島めぐりツアーがコロナ禍前には沢山催行しており、多くのお客様にご参加いただいた。
ある時、ツアー中に添乗員さんとお話をしていてこんなことを言われた。
「私も若い時に島に住んでいたが、今日行ったどの島もかつて私の住んでいた島と大して変わらないような…」

私もそりゃそうだろうねと相槌したが、島なんてどこも似たり寄ったりで同じようなものだと私も常日頃から思っているし、事実このような「島めぐりツアー」にご参加のお客様の中にも、ご案内する島を間違えても気が付かない人がいたりする…(笑)

その添乗員さんは今は島ではなく旅行会社の事務所のある街に住んでいるが、それはある事情で島には住み続けることができなかったらしい。
このように書くと意味深な雰囲気が漂っているが、データとは残酷なもので、どの島でも生まれ育った島でそのまま暮らしている人のほうが稀なくらいで、実際には二十歳までに島から出て行ってそのまま島外で亡くなる人の方が圧倒的に多い。
その証拠に国内で人口の増加している島はほぼ無い。
だから特にその理由を聞きもしないし、理由は概ね想像できるし、所詮理由を聞いたところでどの島でも共通の問題だろうから意味がない。
ちなみにその時はまだ、私は彼女の住んでいた島へ行ったことはなかったが…

だから「どの島へ行っても同じなのにどうして1日にいくつも島をめぐりたがるのだろう?」彼女(添乗員さん)的には今日1日の行程が不思議で仕方ないようだし、その疑問は私も常日頃から思っている。
ここでANAがかつて搭乗中に機内ビデオで放送していた「犬の名言」が頭をよぎる…
「世界の違いを学ぶ旅へ」
「世界は同じなのだを喜ぶ旅へ」
ANAの犬も色々と迷っているらしい…
https://www.youtube.com/watch?v=4LNxEOZGgU4

そして別れ際に彼女は私に一言こう言った。
「(私の住んでいた島)は良い島なので是非行ってみてください」

本年もご愛読くださいましてありがとうございました。
来編も引き続きよろしくお願いいたします。
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