北京オリンピックとチベット | MERKABA~マカバ~

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ヘクサグラムからマカバになるっていいことだよね?

今年、一応大したことも起こらずに終わった「北京オリンピック」。


問題になっていたのは動物保護問題とチベット独立問題である。


北京オリンピックのマスコットは、五大陸また5つの自然現象その他を示す

オリンピックのシンボル・マークにちなんで5人?5匹?...とにかく5つ。

海の象徴である魚、森林の象徴であるパンダ、火の象徴として聖火、


空の象徴ツバメ、そして

大地の象徴としてチベット・アンテロープ(カモシカ)なんである。

現地では「チルー」と呼ばれている。


チルー












この「チルー」に関して、4年程前になるのか


偶然にNHK・BSで放送された番組を観たことがあった。

3時間近い長編でナレーションもなく


ただカメラで追った映像と音声が


続くだけのチルーの密猟者を追うパトロール隊のドキュメンタリー映画。


事の始まりは、高原で金鉱が見つかったこと。


採掘のために労働者が集まった。

そして、その周辺がチルーの生息地だったのである。


チルーを捕らえてどうするかというと殺して毛皮を剥ぐんである。


人間の髪の毛の5分の1ほどの細く軽い毛を織物にするわけだ。


その織物が「シャトゥーシュ」、ペルシャ語で「ウールの王様」と


呼ばれる超高級品となる。


その「シャトゥーシュ」がヨーロッパに流出し、需要が一気に膨らんだ。

わずかな金粒のために長時間働かずとも、動く宝の山がそこにいるのだ。

そして


100年前は100万頭と言われた数が、あっという間に激減したのである。


密猟者を追っていた隊長が何と密猟者に撃ち殺されてしまい


その弟が兄の遺志を継いで孤軍奮闘していた。


そもそもチベット自治区の面積は日本の約3倍あり、人口は260万人


程度だから人の住まない高原の広さが日本の比ではないのである。

いかにもポンコツな車で行けども行けども地平線が広がる高原を走り


回って密猟者を見つけるのだ。


食料かガソリンがなくなってしまえば動きがとれずに自滅である。


活動資金も少なくて、密猟者を捕まえて


押収した毛皮を売ったお金でガソリンを買ったりと...

密猟者がいてこそ、押収品があってこそ、活動ができるという


不可解な状態(ーー;)

でも隊長は、エネルギッシュに動き回る。


パトロールはもちろん、中央政府にかけあって、ヘリコプターの導入を


迫ったりもする。政府の幹部は自分たちも乗ったことがないのに

自治区の動物保護にそんなものやれるもんかという態度で


せめて新車を、と望む隊長を全く相手にしない。



だったら海外の動物保護団体に援助を求めると隊長がいうと


それにも反対する始末。



ある日


パトロールに出て、途中で食料がなくなってしまった。


隊長は代々この地に住んでいる人物で


食料としてチルーを狩っていたことも子供時代の記憶に持ってはいたが


とにかく保護しなければならないと村の人々に狩りを禁止するように求めていた。


しかし、食料がなくなって3日目。とうとうチルーを1頭撃つことを決意するのである。


守るべきもの、守りたいと願っているもので自分の飢えを満たしながら


もっと強くならなければ、このチルーのためにも、もっともっと


強くならなければダメなのだと誓うのだ。


そして、隊長は海外に援助を求める決心を固め


仲間と打ち合わせをするために家を出て

暗闇に消えたときに銃声が響き、隊長の命は絶たれた。


隊長を失ったパトロール隊が、とにかく活動を続けようとしていたところに


制服を着込んで新車に乗った一団が現れ


自分たちが正式なパトロール隊となったから、お前たちは解散し立ち去れ


と告げるのである。それで「終わり」。



...はぁっ?


犯人は?


今まで隊長とパトロールしてた人は?


とσ(⌒⌒)の頭の中が「?」で

一杯になっても「終わり」なんだから仕方がない(ーー;)


その後、続編とも言える番組をアニマル・プラネットで見つけた。


3代目の隊長は5年目を迎えていて、パトロール中はカップ麺


基地に戻れば、1つのペットを2人で使うような、相変わらずと言うか


制服と新車で登場したわりには、その後の追加資金が

増えたわけではないんだなという感じだった。


だが、大きく変わったのは需要側だった。



海外の動物保護団体が潜入捜査で密猟者を捕らえ

銃で撃たれて穴だらけになった毛皮を手に


キャンペーンを張ったのである。


購買者に動物保護、国に取引禁止を訴えたことで


販売元からは商品が押収され、製造業者へは


他の材料で作るように指導を行ったのだ。



現在の数は5万頭。

保護動物の指定は受けたが、生息地に鉄道が引かれ鉄道の


保守のための道路も整備された。

そのうえ、番組中にパトロール隊の解散が決められていた。


本当に保護されるのかどうか信じがたい感じで


これまた中途半端な「終わり」だった。



四川省のパンダと違って


標高3000m以下では生きていけないチルーは


映像でしか見ることができない。



チベットにだけしかいない特別なカモシカなのである。