エントランスでの仕事はたくさんありますので、ここではチケットを切ることのみについてお話したいと思います
この仕事をする要員の数ですが、単純にそのコンサートホールの入口をいくつ使用するのかを決めて、合わせます。お客様の収容人数にもよりますが、基本的に一カ所につき、向かい合わせに立ちます。
チケットを切ることについて注意することは、7月27日付の「マナーアップ講座 エントランスをくぐる~チケットを渡す」も、参考にしていていただきたいと思います。あれは、チケットを切る立場からお客さまにお願いしたいことが書いてあるため、だいたいの注意事項などがわかります
基本ですが、チケットを受け取ったらまず慌てないことが肝心です。慣れないとかなり慌ててしまいますが、冷静にならないと、以下のことができません。
①お客様の様子をキャッチする
向かって来られるお姿を一瞬で観察
♪身障者か・妊婦・未就学児・酔っ払いなど問題はないか・花束を持っているか等々、イレギュラーな対応や言葉掛けしてご案内が必要か、他のスタッフを呼んだ方がよいか・または情報を共有すべきか・・・をとっさに判断したり、お声がけの言葉を心のなかで用意します。また、少し小さなお子様も、チェックしておきます。(もちろん子供向けのコンサートでない場合。)
応用編~できればこのタイミングでトークすること
♪自分以外の人に列が集中していると・・・こちらでもお切り致しますとお客様を待たせてイライラさせないよう、促す。
♪チケットは1人1枚お持ちくださいませ。
②きちんと目を合わせて笑顔で「いらっしゃいませ」とご挨拶する
チケットはきちんと両手で受け取る。お客様がどんな状態でチケットを出されても(裏返しなど)、一旦きちんと自分の正面に向きを変えて持つ。
トーク 「チケットを拝見致します。」など。
この時、自分から片手を出すと、お客さまもわかりやすく、渡しやすいですよ。
③チケットを切る
♪券面の 公演内容・日時・場所を間違いないか確認する。
もし、一つでも違っていたら、絶対にチケットを切ってはなりません。
チケットを切る前に未然に防ぎましょう。
指定席の場合は座席もチェックします。余裕があり、なお且つ確実なご案内が出来るのであれば座席に近いルートや扉をトークしてご案内します。
♪何枚かまとまっている場合は必ず
「2名様ですね?」のようにお客さまに確認をする。
その時、必ず1枚ずつ上記の確認をしてから切る。1枚だけ違うチケットが混ざっている可能性があります。残念なことに中には古いチケットを混ぜる確信犯もいるので、くれぐれも全部をチェックしてください。また、お席のご案内をする場合は、まとめて出したチケットが連番とは限らず、1階と2階なんてことはもちろん、列が違ったりすることもあります。
④半券をお返しする
必ず半券はお返しして、お客様のお手元に残るようにしましょう。少なからず受け取らずに中にはいってしまう人もいらっしゃいますが、「お客様、半券(チケット)をお持ちくださいませ。」と、必ずお声掛けする
この時、半券は180度くるっと回してお客様の方に正面を向けて、両手でお返しする。ぶっきらぼうにならないように、丁寧に美しく~エレガントに~お返ししましょう。
⑤上記②~④の作業をしながら(手を動かしながら)、①でしたチェックにふさわしいトークをする。チケットを切るのが慣れない人は 無理に口を動かすと、どちらもい加減になってしまいますので、しっかりと券面のチェックをしてから半券をお返しして、それからトークで充分でしょう。以下はあくまで参考例ですので、その場にふさわしい内容で応用してください
♪花束花束受付にお持ちくださいなど。
♪杖の方スロープをご案内する(かえってスロープを利用しない方が楽な場合もあります。座席番号などを考えられる人が判断を確実に行えるのであれば。)
♪車椅子など只今係の者がご案内しますので、お待ちください。
♪(未就学児?)失礼ですが、こちらのお子様はもう学校に上がっておいでですか
⑥その他
♪もぎった方、自分の手元に残る半券ですが、1枚ずつ箱には入れず、左手にある程度たまるまで持っておき、お客様の流れの合間を見てまとめて入れるようにしましょう。お客様の流れがまばらである場合はこの限りではありませんので、慣れない方は無理して半券を落としてばらまいてしまうなんて失態のないように気をつけることが優先されます
♪指定席の場合は①でチェックした人は、自分の手元に残った半券は箱に入れないで別に取り置き出来れば「妊婦」などメモするそして、後で必要な人(責任者や場内係など)に座席番号とチェック内容を伝達する。
これは、まさかの事態に真っ先に駆け付けることが出来るようにするための情報の共有です。また異常がないか、体調はどうか、小さな子
なら退屈して動いていないかなど、様子を常に気をつけます
ほかに体調が悪そう、酔っ払っている(隣のお客様が匂いを気にされたり、いびきをかいたり
)など、トラブルを未然に防ぐために注意を払いたい性質のものもあります。(必要ならば対策する。)
♪万が一、お客様の半券を破ってしまったら・・・。
よくあることではありますが、お客様の立場からすると、たった1枚のチケットです。
半券をコレクションされている方や、中には想い出の特別大切な公演という方もいらっしゃることと思います。(海外オケの高額チケットなんかまさにそうです。)
そんな半券を、もぎる時に上手く切れずに破いてしまったら、とにかく心を込めてお詫びしましょう。「申し訳ございません。破けてしまいました・・・」と。お客様の反応が「えっ!
」という感じでしたら、もう一度丁重にお詫びし、「セロテープでお繋ぎしましょうか
」と提案してみてください。たかがセロテープですが、そうする他ありません。誠意をもって謝れば、許していただけることが殆どではないでしょうか
だいたいざっと、こんな感じの仕事をします
短時間に大勢の方をお迎えしますが落ち着くことが大切です。よく見てよく判断します。必要なお声をかけます。そして、もう一つ、お客様がコンサート会場に来て初めて出会う人になります。笑顔をくれぐれも忘れないようにしましょう