〈本のご紹介の前に、3月21日(月・祝)主催イベントアーカイブ動画のお知らせ〉

 

3月21日春分の日に主催させていただきました、「センジュ出版対話型講演会」の動画の編集ができまして、ようやくアーカイブ動画が出来ました。

(※今回どうしても主催である私自身が編集したく編集させていただきましたが、編集が上手でない部分もあるかもしれません。その点ご了承ください。最後の対話の時間は、ご参加の方々にお話いただいたので、お話いただいたお一人お一人に確認させていただき、ご了解いただいた方の部分〝のみ〟動画に残させていただいてます。)

 

アーカイブ動画ご希望の方もいらっしゃいまして、今回は有料のイベント開催でしたので、販売という形を取らせていただきますが、アーカイブ動画を購入いただくご案内に合わせて、本屋さんなので、今回お話いただいたセンジュ出版さんから出版されている本&以下の私小川のおすすめ本4冊+読書てらこや選定本『共有地をつくる』、『人生相談を哲学する』の中から、〝2冊以上〟ご注文いただいた方へのプレゼントというどちらかご希望に合わせて、ご案内させていただくことにしました。

 

イベントアーカイブ動画の販売については、また別投稿に書かせていただきました↓

https://ameblo.jp/dokusumei/entry-12734369800.html

 

 

この機会に、是非本にも出合っていただきたいので、センジュ出版さんの本やこの後のおすすめの本にご興味があり、3月21日の主催イベントのアーカイブ動画をご希望の方は…、

以下の「「3月21日 センジュ出版 対話型読書会」アーカイブ動画ご希望の皆様へ」ページから、2冊以上の本をご注文の上、

備考欄に「アーカイブ動画希望」の旨をお書きいただくか、私小川まで、ご注文の後、「アーカイブ動画希望」の旨を直接ご連絡ください。

 

よろしくお願いいたします。

 

◆「「3月21日 センジュ出版 対話型読書会」アーカイブ動画ご希望の皆様への本棚」ページ

https://dokusume.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=2700863&sort=n

 

 

 

そして、3月21日に主催させていただいた、「センジュ出版 対話型講演会」にてご紹介させていただいた3冊+1冊ですが、イベントの時間の関係上、詳しくご紹介が出来ませんでしたので、こちらで改めてご紹介させていただきます。

 

数字の「3」を大切にした会だったので、今僕がおすすめの3冊『舞台のかすみが晴れるころ』、『ぼくらの心に灯ともるとき』、『10年目の手記』と、今回オンラインでご参加もいただいた、産業能率大学の高原純一先生初の著書『マーケティングの本質』についてです。

 

◆『舞台のかすみが晴れるころ』 有松遼一著

https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=167142617

 

 

 

副題にあるように、「いち能楽師の有松氏がコロナ下に立ち止まり考えたこと」を、その時の心情に正直に書かれたエッセイ集です。

 

舞台に立つことこそが、能楽師の方々の主なお仕事な中、コロナになり、全ての公演が中止になって立ち止まった時、著者は、何を考え、何を行動し、そして何を思い出したのか?

 

最初に、ベテラン先生の以下の言葉が紹介されています。

 

「舞台は、それまでの稽古の徒花のようなもの」

 

徒花とは、咲いても実を結ばない花のこと。

 

聞いた時には、反発の感情を抱きつつも、舞台が皆無な中、ほとんどを家で過ごすがやってきた時に、ふと気の向くままに出演予定のない曲や取り組みたかった曲の稽古を始めます。

 

ここで思い出すんですね。

「謡(うたい)の稽古こそ、心が落ち着くし、身体全体が新鮮な感覚にとなって気持ちがいい。」ということを。

 

「ふだんの舞台公演がなくなって浮き足立つより、日々の稽古をつづけていくことのほうが大事で、むしろ本義なのかもしれない。」

第二章 晴耕より

 

これは大切な言葉ですね。

 

この本を読んでいたら、茶道の先生に教えていただいた『茶味』(奥田正造著)の以下の文章を思い出しました。

 

「小さい室も広く胖(ゆた)かに住みなし、細く短い茶杓を拭うても、太く長い物を清むると同じ様なる心をやどし、重い水指を運んでも易々として従容の心を現す等の習ひによって〜」

 

「一粒の飯、一本のマッチも、今わが目前一瞬の用を弁ずる事によって、この物の一生は終わるなりと観ずれば、決して之を軽々しく用ゐる心は起こらぬのみか、このささやかなる物に宿る広大無辺なる自然の力、天地の恩に気がついて、感謝の生活、知足安分の境遇にはいらずには居られなくなる」『茶味』より

 

この「軽い物を重く、重い物を軽く」という考え方は、物だけではなく、きっと生活全般に当てはまることですよね。

 

不安のあまり、闇雲に前に進もうとするよりも、初心に返り、稽古に打ち込む(日常を大切にする)自分との「再会」ということを、普段使いの言葉で、僕たちの心に寄り添いながら教えてくれるような1冊ですし、その思い出すまでのプロセスこそが、この本を読む必見ポイントなので、気になる方は是非!

 

立ち止まった時、著書の有松さんは、ことばを綴ること、本を読むことを、ずっと大切にされていることも大事な要素です。

 

◆『ぼくらの心に灯ともるとき』 青木省三著

https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=167275225

 

 

 

 

精神科医青木省三氏初の小説で、表紙のイメージ通り、読むたびに心がポカポカと温まる物語です。

 

瀬戸内の小さなジャズバーを舞台に、ほかの人と、何かちょっとリズムが違う、一見近寄りがたくて話しにくい、なんとなくふつうの応対がしにくい……そういう人たちがやって来ます。

 

「完成した街や社会は、人を孤立させ孤独にさせるところがある。学校に行けないことで苦しんでいる子どもがいる。社会に出れないことで苦しんでいる人がいる。「ふつう」つまり平均的でないということで苦しんでいる人がいる。そして、追い詰められて、一人の世界から抜け出せなくなる。その苦しみは想像を絶するものがある。

そんなとき、今まで出会った、個性的で変わったおじさん、おばさんが、そしておじいちゃん、おばあちゃんがよみがえってきた。

そして、学校に行かなくても、外に出られなくても、ふつうでなくても、いいじゃないか。そんなことに苦しむことはない。自分らしく生きればいい。おじさんたちはそう、子どもの僕に語りかけてきた。

変わった人や個性的な人が病気や障害として浮かび上がるのではなく、社会からはじき出されるのでもなく、その人なりにその人らしく人生を楽しんで生きていける街や社会になれないか。一人で生きるのでなく、誰かを支え、誰かに支えられながら生きていけないか。この本はそんな願いを込めて書いたものである。」まえがきより

 

学校に行けず、毎日えんじ色の自転車に乗る女の子。寡黙な静かな男と話を止められないマシンガン男。母と娘のすれ違い、そして和尚さん。老舗の骨董屋のおばあちゃんや自転車屋のおじさんなど、それぞれの人生が等身大に描かれながら、バーのマスターやふとした人との出会いから生まれる、ふれ合いやぬくもりが、共にいることの大切さや、 おせっかいとも思える「ひと言」などが、かすかな絆への希望を生み出す、なんとも懐かしい景色や人の温もりを「思い出させてくれる」物語で、日常の中にも、ちゃんと幸せや喜びが用意されてるっていうことが、よくわかりますよ!

 

◆『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』 

瀬尾 夏美 , 高森 順子 , 佐藤 李青 , 中村 大地 , 13人の手記執筆者著 

https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=167275211

 

 

 

本当であれば、先月2月に主催をする予定だったのですが、今月3月主催に変更になったことも意味があると感じていた時に、今年2022年3月11日に発売になったのが、こちらの『10年目の手記』です。

 

副題の通り、震災の体験から10年目に書かれた13名の手記を読み、それを読んだ30代を中心としたアーティスト、社会心理学者、作家など4人が「対話」重ね、編みなおす試みの手記集となっています。

主催イベントの際も、計らずも過去の自分との「再会」だったり、「弱い」自分のお話をいただいた場面もありましたが、その渦中から時間が経ったからこそ話せる、書けることって間違いなくあるし、それを聞くこと、読むことで、その時の感情との「再会」や、他者の感情や体験との「共鳴」にも繋がると感じて、この本をご紹介させていただきました。

11年経った今出版されたこの本を読む意味は大きいと感じます。あえて手記の内容に関しては、詳しく書きません。縁ある方に届きますように。

 

「当然のように、集まった手記は一つとして同じものはない。手記を通して書き手の体験を想像し、追体験する。自分の体験に重ねて得られた共感から、想像を巡らせる。自分の体験との違いに圧倒され、想像の不可能性に触れる。手記に書かれた言葉を読むこと、そして、手記に書かれなかった言葉を想像する営みには、誰かの体験を〝わたしたち〟で分かちもつためのヒントがあった。わたしたちが「10年目の手記」で実感したのは、誰かの体験を記した手記を〝読む〟ことの豊かさだった。」前書きより

 

「巨大な災禍に遭った人がいて、そうでない人もいる。すぐに立ち上がれた人もいれば、まだ途方に暮れている人もいる。何かを支援したいと願う人、遠く離れた場所で祈る人、何もしたくない人、忘れたい人、気になるけど動けない人。手記を書くこと、あるいは読むことは、震災直後に社会的に抑圧されてしまった、個々人の当事者性を回復していくプロセスでもあった。いつだって、誰だって、書いて、読んで、語らって、想いを巡らせていいと思える場所があるといい。自身のなかにある経験を見つめた時間を経たからこそ、他者の経験を尊重できるのだとも思う。」おわりに 声が声を呼ぶより

 

◆『マーケティングの本質』 高原純一著

https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=167234359

 

 

 

 

ありがたいことに最後の解説を書かせていただいた『ぼくとわたしと本のこと』の共著者であり、産業能率大学経営学部教授の高原純一先生〝初〟の著書です。

 

予想通り、この本は面白かったです!

一言でお伝えするなら、「読書のすすめの手の内を明かしてしまった本」と言っても過言でない内容でした。

※コンビニのアイスクリームの蓋についての事例が紹介されていて注目ポイントなのですが、また別投稿にて書かせていただきますね。

 

マーケティングは面白いと書かれてますが、これは日頃商売をしている僕も共感しかありません。

 

学問として考えると難しくなってしまうけど、目の前のお客さんのちょっとした一言や行動に、まさにマーケティングのヒントがあって、そのいわば次に繋がる〝兆し〟の掴み方のヒントが事例を交えて、とても分かりやすく書かれています。

 

商売をしている方以外でも、お仕事で役立つヒントがあること間違いなし!広く皆さんにおすすめしたい1冊です。

 

※『マーケティングの本質』について、より詳しくは、ご興味あれば、こちらのブログもお読みください↓

https://ameblo.jp/dokusumei/entry-12734705450.html