「私のスタンド能力・・・それは」
「私が作ったフィギュアを、まるで本物のように操ることができる」
「それがどんなに多数でも・・・自由に!!」
ホール中にたちこめるケムリの中、姿は見えないがゼータさんの声が響いた
ゼータさんのスタンド「レイジ アゲインスト ザ マシーン」は
まるで、「大オーケストラの前で自在に指揮棒を振るうマエストロ」のように
ホールに置かれた大量のフィギュアを操り
ボクチンめがけて襲いかからせた
スタンドの白い手の動きにリンクして、フィギュア達はいっせいに走り、飛ぶ
その勢いにビビったボクチンは、修業の成果を発揮するでも、仲間に助けを求めるでもなく
とりあえず、叫び声をあげ、逃げだそうとした
「ギゃんでええええええええええ!?(ギャアアアア+なんで!?)」
「まれえええええええええ!?(また+おれ!?)」
錆ついて動きの悪い自転車のような音を立てていたヒーローたちは
そのキャラクタがもつ本来の オリジナルの動作を取り戻し始め、どんどんスピードをあげ
ボクチンに殺到してきた
先頭をはしっていた黒い人影が、とつぜん
はねた!
そして視界からきえた
ボクチンは、ふと見上げる
いる!
エントランスホールの天井ぎりぎりまで飛び上がったソイツは
ボクチンめがけて急降下してつっこんでくる
ああ、みたことあるコレ
このキックをくらうと、どんなに屈強な怪人でも一発でKOされちゃうのよね
やっぱ、かっこいいよね~ 仮面ライダーは
・・・
これ、ライダーキックじゃねーか!!
「いやああああああああああ!!」
キックの恐ろしさに、思わず足がもつれズッコケるボクチン
その瞬間!
もう、いったい何度目か、数えるのもイヤになるお馴染みの展開で
ほんと、すいませんが
ボクチンの目の前でバサッ!バサッ!という音がした
怖くてつぶってしまった目を、そろりと開けてみると
仮面ライダーの姿は、どこにもなく
かわりに、ボクチンの前には、フロシキさんがたっていた
フロシキさんは不満顔で
「やっぱり~ ヒーローは悪い奴らと戦わないといけませんよね~」
「一般市民にむけてライダーキックしちゃあ、だめですよ~」
フロシキさんは、そういうと
部長とナンさんに向けて、いたずらっぽくウインクをした
フロシキさんの意図を理解したのだろう
部長は ハッ!として あわてて言った
「だ!だめだよ!フロシキさん!!」
「彼らだって、犠牲者なんだから!」
「ナンさんも なんとか言って!!フロシキさんを止めないと!」
ナンさんは、すまなさそうに
だがワクワクした様子で
「ごめん・・・部長 私も見たい」
「ええええええ!?」
ナンさんの言葉をきいたフロシキさんは
部長のさけびを無視して
「はあ~~~~~い!」
「いきますよ~~~~!!」
と叫ぶと
手に持っていた風呂敷をバサリと空に舞いあげた
バサリ
バサリ
その布が空中でひるがえるたび
その大きさが、どんどんとおおきくなっていく
ボクチンは、あっけにとられ見てるしかなかった
フロシキさんの上空が唐草模様で一杯になる
フロシキさんは巨大な布をゆっくり地面にかぶせると
勢いよく引き上げ
「悪者軍団!さんじょーーーー!!」と叫んだ
すると、今まで何もなかった地面に
まるで、手品師のハンカチから突然あらわれるハトのように
無数の人影がいきなり現れた
な!なんということだ
ボクチンは、驚きのあまり口をパクパクさせた
叫んだ
「きっ!キッ!キノコ人間じゃーー!!」
バー「なんと」に現れ、ボックチンたちを襲った あのキノコ人間たちが
いきなり
ほんとに音も立てずに、いきなり
ボクチンたちのまえに、軍団で出現したのだ
フロシキさんは にっこにこで、ワクワクがとめられないという表情で
命令した
「キノコのみなさーーーん!!」
「敵ですよ~~~~!」
「やあっておしまいなさ~~~~~い!!」
キノコ人間たちは一瞬 「?」と なったが
フロシキさんの声にしたがって
ゼータさんがあやつるヒーローたちに突撃をしかけた
ドドドドドドドドドドドド!!
つづく
次回「ヒーロー軍団VS怪奇 キノコ人間’S」
ゼータさんとフロシキさんの能力と能力の激突を お楽しみに!!