「最初、自分で行くんじゃなく、ドクロさんにニジさんに会いにいってもらった理由は、まだほかにある」
「僕は、彼らの手におちるような危険をおかすことはできない」
えええ!そんな危険なとこへボクチンをいかせておいて!?
自分が危ない目にあわないようにとか!?
「ちょっ!」
「ちがうドクロッチ そうじゃないから、話ききな」
ボクチンが部長にかみつこうとするのを、なんちゃんが制した
「ごめんよドクロさん・・・でもね」
「ドクロさんなら、ぼくらの中でただひとり、帰ってこれる人だと思ったから・・・」
部長は、なんとか言葉をひねり出している というかんじで苦しそうだった
「それに、ぼくには彼らを治す手段をもっているから・・・」
「責任があるから・・・」
彼らって・・・
部長はキノコ人間のまえに立つと、手をかざしていった
「この人たちは『機械』によって強烈な感情をぶつけられ、脳の中のパンドラの箱がひらいてしまっている」
「だから、反応した感情をさぐりあてて、もう一度強くぶつけてあげれば、元にもどすことができるかもしれないんだ」
そういうと、部長のかざした腕が蜃気楼のように、ぶるぶるとブレたかとおもうと
そこから部長の背後に人影があらわれた
「な!なんですかこれは!!」
ボクチンは、驚きのあまり叫び声をあげた
「本来、スタンドはスタンドを持つ「スタンド使い」にしか見えないものなんだけど」
「僕のは例外なんだ」
「僕のスタンドは、能力をうけた人にだけ見せることができ・・・」
部長の言葉をさえぎって、そいつがしゃべった
「チュミミ~~~~ン!ご主人様の命令でオメーの顔に、なんどもなんども色ぬってやったからヨー!」
「オメーにゃ、スタンドの才能は、ねーけど、おれっちのハンサム顔が見えるようにしてやってるのヨー!」
「わかったら、アホづらさげて、黙って見てなーーー!」
な、なんなんだ!こいつは!?
なんさんとたまねぎさんが顔を見合せて「ぷっ!」と笑いをこらえた
「ごめんよ、ドクロさん僕のスタンドは、口がわるくて・・・」
部長はあたまをさげて
「これが、ぼくの能力『ペイントブラック』っていうんだ」
ボクチンは、あまりの驚きに あいた口がふさがらなかった
そんなボクチンをしりめに
そのスタンド ペイントブラックはキノコ人間にむけて腕をかざすと
同時に、部長が「むんっ!」とうなった
その瞬間
「シャアアアアアアア!!」
ペイントブラックは雄たけびをあげると、猛烈な勢いで、もうメチャクチャに腕をふりまわしはじめた
ボクチンにも見える
ふりまわした指の先から、さまざまな色がわきおこり
キノコ人間の脳に向けて、しみこんでいくのが見えた
「ウウウーっ!」
キノコ人間が何かに反応して、うなり声をあげる
「とらえた!この感情だ!!」
部長は、まるで歌舞伎役者のように独特のポーズでミエをきり、叫んだ
「ペイント イット ブラック!!(黒く塗れ)」

作画協力 カナリアさん
「ウバッシャアアアアアアア~!!」
部長のスタンドは、よだれを垂らすほどの雄たけびをあげ
目で追えないほどのスピードで、キノコ人間に向かって色を放った
つづく