自作小説 「機械」 転その16 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

この事件ののちに思ったのだが


古今、これほどまでに己の無力さに打ちのめされた主人公が、いただろうか




人類が持て余してしまうような、超高度な科学力、不可思議な力を秘めた超古代遺跡を

悪しき勢力から守り、封印する 世界の守護者「スプリガン」のトップエージェント


武術の最高峰に位置するような技を極め、仙人を目指す武道家


空間を捻じ曲げ、発射された弾丸を消し去り、強大なモンスターを一撃で沈める魔法使い


常人には決して防ぐことのできない力で、心を自由に操り、望めば一切の証拠を残さず

人間の心を完全に破壊することができる超能力者



そのどれもが、その存在を知るだけで

打たれ強さだけが自慢のボクチンを打ちのめすには、充分だろうに


さらに

極めつけの力をもった者の登場により


本日、何度目?か

またしても、ボクチンは自分の無力さを呪うことになった


まったく、なんていう日なのだ!今日は・・・



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なんさんが言ったとおり

バー「なんと」の壁にとりついていた者は、侵入を試み始めた


ダン!ダン!ダン!!

ドアを激しくうちつけてくる

壁の揺れは、いっそう激しくなってくる


ごりっぺに投げつけられ、ズキズキと痛む体で必死にドアを抑え込むボクチンは

叫ぶ、「なんさん!なんとかしてええ!!」



なんさんは、皆を集めて相談を始めた


「部長、あの人たち、どーしたらいいとおもう?」


「うーん、あーは、なっているけど、もとは普通の人だから・・・」

「怪我させるわけにいかないし・・・」

「なんさんにお願いしたら・・・」


「うん、もしかしたら死んじゃう人でちゃうかも・・・だしぃ」

「部長のスタンドでも、あんないっぱいの相手は無理っぽいよね?」


「うん・・・それに、もしかしたら効き目なさそうだよ」

「うーん・・・」


「たまちゃんは?」


「んにゃー、あんなにいっぱいはシンドイよ~」


「そうよね~・・・」

「じゃあ、アヤさん・・・は」


と、なんさんの声が聞こえた後

バー内でキラッ!と何かが光った




どうも、ドクロDEATH!



「あーーー!アヤさんに任せたら、切っちゃうしぃ!」

「うーーん・・・と・・・なると・・・」


「うん、やっぱここは」


「そうね」


「ミコシさん、おねがいできますか?」



・・・?


ミコシさん?


失礼だけど、京極コスプレーヤーの古本屋さんが、こんな家まるごとガタガタ揺るがすような、なにか

相手に何ができるのよ?とボクチンは心の中で悪態をついたが




ミコシさんは軽やかに返事をした


「ええ、そうですね!おまかせください!」


「うん、あんがと!ミコシっち!」



ええ~・・・まじでえ?

ミコシさん~?



ボクチンの心配はよそに、チーム「なんと」の作戦会議は終わったようだ



「ドクロッち、もうちょっとだけドアがんばってね」


と なんさんはカウンター内に戻ると、冷蔵庫から昼間 ゴリゴリと調合していた黒い飲み物をとりだし

「ミコシっち!どうぞ!」と勧めた


ミコシさんは、なんさんからグラスを受け取ると

ぐいっ!と一息で飲み干す



ええ~・・・こんなときに何、飲んでんのよ・・・もしかして、酔拳?とか?

ボクチンはもう、なんだかウンザリしてしまったが




「よし!じゃあ行くよ!!作戦開始ぃ!!」



なんさんの元気な掛け声により、妖怪語り部の反撃ののろしはあがった!




つづく