自作小説 「機械」 転その9 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

「スドーーーン!」

バー「なんと」に響き渡った轟音は、その振動で並べてあったグラスをカチャカチャと鳴らす


ボクチンは堅くつぶった目を開ける

男はボクチンと同じように床に倒れていた


「!?」


「・・・?」

ボクチンと男の間に一人、小さな人影が立っていた


男はガバッと跳ね上がると、怒り狂った猛牛のように、さらに勢いを増した突進をしかけた

誰だかわからないけど・・・「逃げろ!!」・・・と叫びたいのだが口の中にたまった血のせいで、うまく言葉がでない


小さな人影がひらりと向きを変えるだけで、最小限の動きでかわし

ゴリラ男の手首とズボンのベルトを「ちょい」とつまむと

次の瞬間ゴリラは「くるんっ」と空中で一回転したあと、またもや轟音とともに床にたたきつけられた



どうも、ドクロDEATH!



これは・・・


ライトの逆光の光になれ、人影に目を凝らすと、それはあの

たまねぎさん・・・であった


襲ってきた男の半分ぐらいの身長の、小さな婦人が、まるで団扇で蚊をハタクがごとく、あのゴリラ怪人を投げ飛ばしているのだ

相手の力に、ほんのちょっと自分の力をたして、そのまま相手に返す

これは・・・「合気」だ!!

実戦で観るのはボクチン初めてだ


「だいじょうぶ?」

なんさんがタオルを渡してくれた

「あ・・・あれは?」


「たまちゃん?たまちゃんは、いろんな武術の達人らしいよ」

「武道を極めちゃって、今は仙人をめざしてるらしいの」

「かっこいいね!!」


なんさんは、なにかウズウズとくるものあったのだろう

両手をグーにして、前のめっている


「よーーし!私も!!」


「?」


なんさんは、カウンターの裏から大きなフライパンをもってきた


「へ・・・?まさか、それで?」

「えっ?ちょっ?なんさん、ちょっと」


「たまちゃん!こっち!!」

なんどもなんども向かってくる男を、ひらひらと踊るように床に投げつけていた、たまねぎさんは

「あーーい!」というと

最後の力を振り絞ったように駆けだした男の足元に滑り込むと、こっちに向けて投げ飛ばした


なんさんは


「バッターなん!背番号7!!」と叫ぶと


まっすぐに吹っ飛んでくる男の顔面めがけて

黒光りするフライパンをフルスイングした




「パッカーーーーン!!」




「ホームラーーーン!!」


なん選手は清々しそうな笑顔で、ガッツポーズを決めた



続く