自作小説 「機械」 転その7 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

「ガギン!!」


女がボクチンに向けて伸ばした鋭利きわまりないナイフのような刃の切っさきは

ボクチンにとどく数ミリ手前のところではじきとばされた


ワシャ ワシャ・・・・・・布のこすれるような音がする


怪人たちとボクチンの間にわりこんできたのはアヤさんだった

アヤさんの両腕には切れ味のよさそうなナイフがにぎられていた


どうも、ドクロDEATH!


「立ちなさい またきます」


アヤさんがボクチンを気にかけた虚をつき

女はアヤさんにむかって、凄まじい速さで突っ込んできた


女は虎かライオンが獲物にとびかかるがごとく 肉眼では追えないほどの素早さで

アヤさんの背中を両手でひきさこうと爪をつきたてた


まるで小学生が度胸だめしに 机の上においた指と指の間を コンパスでカカカカッと

やるように 10本のするどい爪の雨を 猛烈な勢いでアヤさんに降らせた


が、スプリガンの肩書はだてではなかった


突いてくる動きとは対照的に アヤさんは両手のナイフで、その雨を

ゆるり ゆるり と弾き 受け 流し 一瞬のすきをみて反撃の刃をふるった  


10本の爪に2本のナイフだけでわたりあったのだ


店内にひびく音はギン!ギン! ガギン!という音から今ではギギギギギン・・・と

絶え間ない連続音にかわっている


爪とナイフがぶつかり 火花をちらすたびに アヤさんのゴスロリドレスのきれはしが

花ふぶきのように舞い飛ぶ


バー「なんと」のど真ん中で壮絶な刃のぶつかりあいの空間ができあがったため

ボクチンをふっとばした男も足どめをくらっている


ボクチンは、なんとか立ちあがる

怒りがメラメラと湧きあがった


「ヤローーーーーッツ!!! ぶちのめしてやるッッッ!!」


ボクチンには得意技がある 道場時代は、この技で多くのKOをうばってきた


やや遅めのスピードでボディを2発パンチを打ち 相手の気をひくように左手をふりあげ 

フェイントして 右足でローキック!!


が、それもさらにフェイントで


相手の足にあたった瞬間に腰をひねり 体制をかえ ローキックした足を、そのまま軌道をかえ

振り下ろすようなハイキックにきりかえる


スピードの緩急をつけた2段フェイントブラジリアンキック

名付けて 「飛燕脚」


まず初見では対処できないはずだ


このキックで頸動脈から後頭部を刈り取るように蹴りこむと

どんなに筋肉の鎧で体を固めた猛者でも、昏倒は免れなかったのだ


なんさんには、後であやまるとして・・・


ボクチンは床に転がっていたカップをつかむと

アヤさんと女の間の床に向けて投げつける


パリン!っと甲高い音が響くと、ふいをつかれたアヤさんと女は、飛び退り

バー「なんと」の空気が一瞬だけ止まる


今だ!!ボクチンは立ちあがると同時に一気に距離をつめ

男に向けて


パンチ

1発

2発目が入り

左手を振りあげる

男は見事に、その手の動きに気を取られる


さらに、右手を相手の顔の前でひろげて、目隠しも、おまけにつけて

ローキック!


決まった!

これでハイを打てば、100%はいる!


腰をひねって、体を返し

あたった足を一気に男の顎めがけて振りぬく



「ブゥバッチーーーーーン!!」



店内に鈍い音が響き渡る


来たーーーーーーー!!

いつ体験してもたまらねえなぁ、この感触!!



ボクチンは思わず叫んだ


「殺った!!」





続く