ぼくちんが2匹目のサイクロプスを倒して、占拠された砦の中庭を奪還した時
メールが入った
「今夜22時全員緊急集合!来なかった人、会員資格没収~~
」
なんさんからだ
別にあの店は会員制というわけではないので、なんさんの気分的なものだろう
あ、ヤッベー もしかして、ぼくちんが「天使を呼ぶ機械」を、見てきたと思ってるんだろうか?
そんで「みんなに話して聞かせて」とかいうつもりなのか?
それだとこまっちゃうんだけど・・・
まあ
部長からお宝をせしめるチャンスだし
ミコシさんにも文句をいって、すっきりできるかもしれないし・・・
ぼくちんはゲームをセーブして電源をオフにする
アナさんが仕事からかえってきたら、ごきげんをとらなければならないので
ご飯を炊いて、食器を洗い、洗濯物をとりこんでたたみ
あとは夜、外出するいいわけを考えねば・・・
ちょうどそのころバー「なんと」を見つめる人影が二人
出入口や間取りを確認するようにうろついた後、ススッと闇にまぎれる
バー「なんと」とても古い建物だ
もし看板がなければ、一見してここがバーだとは、わからない
別にいちげんさん、おことわりだの気取った営業をしているわけでも、気難しい店主がいるわけでもないのだが
ほとんど新規の客が来ないのは、このドンヨリとした雰囲気の建物のせいなのだろう
口の悪い人に言わせれば
「子どもでも取って食いそうな、魔女がいる家」
といった雰囲気なのだそうだ
今こうして、見てもたしかに魔女の家だなあ・・・これは・・・
仕事で疲れたアナさんを寝かしつけ、家を抜け出してきたぼくちんは
バー「なんと」のドアを押した
つづく
続きは12月6日UPです