なぜ画像デジタル化の作業料金を値引きできないかを説明します。 | 山田屋かわら版

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絵描き山田理矢の活動報告など。

 

 

※この記事は、絵画・イラスト制作オーダーのための注意書き説明になります。

外部から直接このページに来られた方は、

先にこちらのご案内ページをお読みください。

 

 

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

イラストを画像データにしてお使いになる場合、

「アナログ原画の状態で受け取って、こちらでデータ化するので

データ化作業分の料金を値引きしてほしい」

というご要望に、なぜお応えできないかをご説明します。

 

 

 

こちらはストックイラストとして販売している

赤いチューリップのアナログ水彩画をjpgに加工した画像です。

原画はわたしの手元にあるので、なるべく原画の色に近づけ

なおかつ印刷などに使ったとき、なるべく黒ずまないように

気持ち、ほんの少し色鮮やかにしています。

もちろんその前に、余計な線やはみ出しを修正し

余白部分の紙の陰影なども真っ白に消しています。

 

そしてこの作業は、完成して納品する前ではなく

たとえこの後、原画の実物を納品してあらためて依頼者様のほうでデータ化作業をおこなっていただくとしても、

「これでいいですか?」と依頼者様に確認をとる段階で

見本画像を作成するために絶対必要です。

つまり

この段階ですでに、デジタルデータ化作業の作業代金は発生しているのです。

 

いや、確認なんてテキトーにデジカメ写真で充分じゃない?

と思われる方もいらっしゃると思います。

 

 

↓こちらが、同じ絵をデジカメで撮った画像です。多少修正はしています。

 

 

 

↓こちらはスキャンしたままの何も手直ししていない画像。

 

 

 

上はいうまでもありませんが、下もかなり実物とは色合いが違ってしまい

このままイラスト原稿として使えるものではありません。

 

これらの無修正の画像と実物との落差を、たとえば数多く見慣れていて

脳内で補正できる方なら問題ないでしょうが、

そうでない方のほうが圧倒的に多いと思います。

特に上の画像を見本としてお見せした場合、

「赤いチューリップと頼んだのになぜこんな暗い色で塗るのか」

「なぜ白い紙に描かずにこんな紫の紙に描くのか」

実際に、このようなリテイクをいただいてしまうことがあります。

 

(一応弁解させていただきますが、決してわざと色が悪くなるように照明を暗くして撮影したりはしていないです。

いつも作業に使っているデスクライトを最高レベルにして撮り、少しだけPhotoshopで補正をかけています。)

 

下の画像も、スキャンしただけではどうしても画像内の配色によって白っぽくなったり黒っぽくなったりするので

「もっと鮮やかな赤がいいんだけど」と思われてしまうことがあります。

また、肉眼ではほとんど見えない紙の余白の凹凸も

「汚れ」と思われてしまうこともあります。

 

 

実際にはいちばん上の画像のような絵を描いているのに、

実物に忠実な見本をお出しできないために

不必要なリテイクをいただいてしまったり、

期待外れの下手な描き手と思われてしまったら

結局お互いにとってなにも得なことはないと思います。

 

 

以上の理由から、

「正確な見本を作成することの必要」を

ご理解いただけましたら幸いです。