「怪談新耳袋Gメン 密林編」鑑賞 | ホーガンの毒霧殺法

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復活後、未だに光明が見出せない駄作。オリジナルメンバーの活躍も少ない。


「怪談新耳袋Gメン 密林編」をDVDで鑑賞。

中年の男たちが心霊スポットを訪れ、不謹慎なことを行うことで霊を挑発し、霊を映像に納めようとするドキュメンタリーシリーズの新作。

「新耳袋殴り込み」シリーズは、エース級のギンティ小林と市川力夫が(おそらくは)ギャラ問題などで不参加となり、その後、プロデューサーの山口幸彦、シャイカー社長の後藤剛が中心となり再始動、タイトルを「怪談新耳袋Gメン」と変え、「復活編」と「冒険編」をリリースした。しかし、やはり、ギンティ小林と市川力夫の穴は大きく、怖がらないGメンらと、監督の佐藤周の力みすぎばかりが目立つ退屈な作品に仕上がっていた。

今回は「密林編」をDVDで先にリリースし、8月に開催される恒例の「夏のホラー秘宝まつり2019」で「孤島編」が公開される。監督は佐藤周から谷口恒平に交代。佐藤周は、「夏のホラー秘宝まつり2019」で別にエントリーされる作品の監督を務めるので交代した、とオーディオコメンタリーで説明していたが、真実は分からない。

前作では、キャップこと田野辺尚人が杖をついて歩いていて、斜面を転がり落ちるというシーンが唯一の衝撃シーンであったが、その田野辺さんはさらに体調を崩して入院し、退院直後に合流している。今回の殴り込みは三カ所で、そのうちの一カ所にしか参加していないが、田野辺さんは完全に病人で、ちゃんと歩けていない。本当に気の毒でしかないが、その田野辺さんに「ギャー」と悲鳴を上げさせたどっきりが、本作で一番盛り上がったところなのが皮肉だ。

とにかく、超常現象らしい現象の取れ高が極端に少ない。霊に対する挑発も少なく、怖がるメンバーもいない。新人の谷口監督が最初の殴り込みに全裸でがんばったが、奮闘はそこまで。二件目のトンネル、三件目の霊園では、最早数少なくなってしまったオリジナルメンバーの山口Pや後藤社長の活躍の場が皆無であり、あまつさえ三件目の霊園では、山口Pは殴り込み込みを拒否し、ゲストのプロレスラーを二度もミッションに行かせるという体たらくだ。

前回、怪談新耳袋の作者の一人である木原浩勝氏から謎の箱を譲り受け、心霊スポットに投入されるが全く効果無く惨敗したのにも係わらず、今回も投入。やっぱり、今回もほとんど効果無く、前回同様、単なる箱に成り下がる。新メンバーによる復活後、心霊現象の取れ高が減っているところから、この箱、むしろ霊を寄せ付けないお守りになっていないか?

そして、このシリーズのお楽しみはオーディオコメンタリーにあるが、なんと、山口Pは、心霊現象は基本信じていない的な発言をしてしまう。これでは、以前、ギンティ小林に「ビジネスオカルト」と揶揄されたゲストがいたが、それと変わらない。これは言っちゃあいけないだろう。

復活後、未だに光明が見出せない駄作。今月公開される「孤島編」に見所は残しているのかな。ところで、なんで「密林編」なんだろう? ロケーションで森やジャングルはほとんどないし、Amazon限定ってわけじゃないよね?

30点