執着の先は恐ろしいというストーリーは江戸川乱歩っぽい。
「ザ・バニシング-消失-」をDVDで鑑賞。
1988年製作のオランダ・フランス合作映画。怖いと話題のサイコスリラーが、2019年日本で公開される。
オランダからフランスに車で旅行を楽しむレックスとサスキアは、途中のドライブインに立ち寄るが、サスキアが失踪しています。残されたレックスは、3年もの間、サスキアを探し続けていた。唯一の手がかりは、定期的に届く犯人からの手紙だった、、、という話。
本作は執着がテーマのサイコスリラーであり、「人間椅子」や「屋根裏の散歩者」などの人間の執着を描くことを得意としていた江戸川乱歩の作品のようだ。失踪した恋人を探しているうち、求めるものが恋人では無く、失踪した理由を知りたいということに執着し出すレックスと、悪の先には何があるのかを知りたいという犯人の物語である。過剰な執着の先には恐ろしい結末が待っていることは容易に想像できるため、本作の結末の後味の悪さも想定の範囲かな、という印象で、言われているほどの怖さはない。何でも試してみなければ気が済まないという犯人の行動が面白くって、むしろ笑ってしまった。ショートストーリーのような作品だが、ちょこちょこと面白い演出があり、サイコパスとは思えない犯人の用意周到ぶりが普通の人っぽくて飽きなかった。
65点