標準原価差異の分析の具体例
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費差異をご覧下さい。
これまでは直接材料費差異の具体例、直接労務費差異の具体例、製造間接費差異の具体例と、3つに分けて具体例をお伝えしてきました。
しかし、実際の検定試験では全てまとめて出題されます。
そこで、ここでも3つの具体例をまとめて考えておきましょう。
資料
1.標準原価カード(製品1単位あたりの標準原価)
| 標準消費数量 | 標準消費価格 | 標準原価 | |
|---|---|---|---|
| 直接材料費 | 5kg | @100円 | 500円 |
| 直接労務費 | 2時間 | @500円 | 1,000円 |
| 製造間接費 | 2時間 | @300円 | 600円 |
2.当月の生産実績
月初仕掛品 500個(40%)
当月投入 2,500個
計 3,000個
月末仕掛品 600個(50%)
完成品 2,400個
- 材料は始点投入とする。
- カッコ内は加工進捗度を表す。
3.当月原価実績(実際原価)
| 実際消費価格 | 実際消費数量 | |
|---|---|---|
| 直接材料費 | @105円 | 13,000kg |
| 直接労務費 | @600円 | 5,200時間 |
- 製造間接費…1,600,000円
4.製造間接費予算および基準操業度(年間)
- 変動費…7,200,000円
- 固定費…14,400,000円
- 基準操業度…72,000時間(直接作業時間を配賦基準とする)
- 公式法変動予算(3分法:能率差異は変動費のみから計算する方法)を採用している
上の資料をもとに直接材料費差異・直接労務費差異・製造間接費差異の差異分析を行ってみましょう。
考え方
一つにまとめただけで考え方は直接材料費差異の具体例、直接労務費差異の具体例、製造間接費差異の具体例と同じです。
ぜひとも自力で解答を求めたあとにそれぞれの記事をご覧になるといいと思います。
解答
- 直接材料費差異:115,000円(不利差異)
- 価格差異:65,000円(不利差異)
- 数量差異:50,000円(不利差異)
- 直接労務費差異:620,000(不利差異)
- 賃率差異:520,000円(不利差異)
- 作業時間差異:100,000円(不利差異)
- 製造間接費差異:100,000円(不利差異)
- 予算差異:120,000円(有利差異)
- 変動費能率差異:20,000円(不利差異)
- 操業度差異:200,000円(不利差異)
この問題がきちんと解答できれば標準原価計算は身につけたも同然です。
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製造間接費差異の具体例をお伝えします。
資料
1.標準原価カード(製品1単位あたりの標準原価)
| 標準消費数量 | 標準消費価格 | 標準原価 | |
|---|---|---|---|
| 製造間接費 | 2時間 | @300円 | 600円 |
2.当月の生産実績
月初仕掛品 500個(40%)
当月投入 2,500個
計 3,000個
月末仕掛品 600個(50%)
完成品 2,400個
- 直接労務費の標準作業時間は5,000時間である。
- カッコ内は加工進捗度を表す。
3.当月原価実績(実際原価)
- 製造間接費…1,600,000円
- 直接作業時間の実際操業度…5,200時間
4.製造間接費予算および基準操業度(年間)
- 変動費…7,200,000円
- 固定費…14,400,000円
- 基準操業度…72,000時間(直接作業時間を配賦基準とする)
- 公式法変動予算(3分法:能率差異は変動費のみから計算する方法)を採用している
上の資料をもとに製造間接費差異の差異分析を行ってみましょう。
考え方
まずはシュラッター図で考えます。
シュラッター図は下のようになります。
操業度は直接作業時間基準を採用しているので、標準時間と実際時間は直接労務費で示されている数字を使います。
計算が必要なものについては下のようになります。
- 基準操業度(6,000時間)=年間の基準操業度(72,000時間)÷(12ヶ月)
- 変動費予算(600,000円)=年間の変動費予算(7,200,000円)÷(12ヶ月)
- 固定費予算(1,200,000円)=年間の変動費予算(14,400,000円)÷(12ヶ月)
- 変動費率(100円)=変動費予算(600,000円)÷基準操業度(6,000時間)
- 固定費率(200円)=固定費予算(1,200,000円)÷基準操業度(6,000時間)
- 標準操業度(5,000時間)=製品1単位あたりの標準消費数量(2時間)×当月投入量(2,500個)
- 標準配賦額(1,500,000円)=標準配賦率(100円+200円)×標準操業度(5,000時間)
当月投入量は下のボックス図から分かります(製造間接費は加工費なので加工進捗度を考慮しなければなりません)。
次に、それぞれの差異を計算して求めましょう。
シュラッター図は下のようになります。
一応計算式を示すと下のようになりますが、この計算式を覚える必要はありません。
- 変動費能率差異(20,000円)=(標準操業度5,000時間-実際操業度5,200時間)×変動費率(@100円)
「実際操業度>標準操業度」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。
- 固定費能率差異(40,000円)=(標準操業度5,000時間-実際操業度5,200時間)×固定費率(@200円)
「実際操業度>標準操業度」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。
- 不働能力差異(160,000円)=(実際操業度5,200時間-基準操業度6,000時間)×固定費率(@200円)
「実際操業度<基準操業度」なので基準よりも少ない時間しか設備が稼動していないところから不利差異となります。
- 予算差異(120,000円)=実際操業度における予算許容額(変動費率100円×実際操業度5,200時間+固定費予算1,200,000円)-実際発生額(1,600,000円)
「実際操業度における予算許容額>実際発生額」=予算よりも少ない費用ですんでいるところから有利差異となります。
(計算式では不利差異はマイナスとなるのですが、面積図ではマイナスとはならないので、ここでもそれぞれの差異はプラスで表しています)
- 製造間接費差異(100,000円)=(標準配賦率@300円×標準作業時間5,000時間)-実際発生額(1,600,000円)
また、製造間接費差異は全ての差異の合計なので以下の式も成り立ちます。
- 製造間接費差異(-100,000円)=変動費能率差異(-20,000円)+固定費能率差異(-40,000円)+不働能力差異(-160,000円)+予算差異(120,000円)
(ここでは不利差異をマイナスの数で表しています)
解答
- 製造間接費差異:100,000円(不利差異)
- 予算差異:120,000円(有利差異)
- 変動費能率差異:20,000円(不利差異)
- 操業度差異:200,000円(不利差異)
「3分法:能率差異は変動費のみから計算する方法」を採用するという指示より、固定費能率差異と不働能力差異を合わせたものが操業度差異となります。
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製造間接費差異についてお伝えします。
製造間接費差異
製造間接費差異は、製造間接費の標準配賦額と実際配賦額との差額です。
製造間接費差異を求める計算式は下のようになります。
- 製造間接費差異=(標準配賦率×標準時間)-実際発生額
この製造間接費は部門別に予算差異、変動費能率差異、固定費能率差異、不動能力差異などに分析します。
ちなみに、標準配賦率に標準時間をかけた金額を標準配賦額といいます。
予算差異
予算差異は実際操業度における予算許容額から実際発生額を引いて計算します。
予算差異を求める計算式は下のようになります。
- 予算差異=実際操業度における予算許容額-実際発生額
製造間接費の予定配賦における予算差異と同じです。
変動費能率差異
変動費能率差異は標準操業度と実際操業度の差に変動比率をかけて計算します。
変動費能率差異を求める計算式は下のようになります。
- 変動費能率差異=(標準操業度-実際操業度)×変動費率
変動費能率差異は変動費における作業能率の差異を表しています。
能率が悪いことで原価が大きくなれば不利差異、能率がよくなることで原価が小さくなれば有利差異となります。
固定費能率差異
固定費能率差異は標準操業度と実際操業度の差に固定比率をかけて計算します。
固定費能率差異を求める計算式は下のようになります。
- 固定費能率差異=(標準操業度-実際操業度)×固定費率
固定費能率差異は固定費における作業能率の差異を表しています。
能率が悪いことで原価が大きくなれば不利差異、能率がよくなることで原価が小さくなれば有利差異となります。
不働能力差異
不働能力差異は実際操業度と基準操業度の差に固定比率をかけて計算します。
不働能力差異を求める計算式は下のようになります。
- 不働能力差異=(実際操業度-基準操業度)×固定比率
不働能力差異は製造間接費の予定配賦における操業度差異と同じです。
これらの計算式は覚える必要はありません。
次にお伝えするシュラッター図を使って計算します。
シュラッター図による製造間接費差異の考え方
標準原価計算における製造間接費差異のシュラッター図の前に製造間接費の予定配賦のシュラッター図について確認しておきましょう。
製造間接費の予定配賦のシュラッター図は下のようなものでした。
このシュラッター図をもとに標準原価計算における製造間接費差異のシュラッター図を作ります。
標準原価計算における製造間接費差異のシュラッター図は下のようなものになります。
赤字の部分が標準原価計算における製造間接費差異のシュラッター図で新たに加わる部分です。
- 標準操業度を実際操業度の内側に追加(操業度の大きさに関わらず必ず内側です。)
- 変動費能率差異は実際操業度と標準操業度の差が原因で発生する差異の変動費の部分
- 固定費能率差異は実際操業度と標準操業度の差が原因で発生する差異の固定費の部分
- 操業度差異は不働能力差異と名前が変わる(絶対ではありません。詳しくは後述します。)
ちなみに、変動費率と固定費率の合計は製造間接費の予定配賦では予定配賦率といいますが、標準原価計算では標準配賦率といいます。
このシュラッター図をきちんと使えれば計算式を覚えなくても製造間接費差異分析はできます。
計算式を覚えず、シュラッター図の使い方を身につけてください。
不利差異と有利差異の判断
- 不利差異=借方差異=借方に発生するから「費用」
- 有利差異=貸方差異=貸方に発生するから「収益」
まずは上の考え方を身につけてください。
次にこの考え方に下の考え方を積み重ねてください。
- 実際>予算=予算よりも多くの費用がかかっている=不利差異
- 実際<予算=予算よりも少ない費用ですんでいる=有利差異
- 実際>標準=予定よりも多くの費用がかかっている=不利差異
- 実際<標準=予定よりも少ない費用ですんでいる=有利差異
- 実際>基準=基準よりも多く設備が稼動している=有利差異
- 実際<基準=基準よりも少ない時間しか設備が稼動していない=不利差異
(設備の稼働状況と費用・収益の関係に関しては固定費があることで製造原価が変わる理由をご覧ください)
このように考えれば、暗記しなくても不利差異と有利差異の判断ができます。
いくつかの差異の分類の方法
ここまでは四分法を前提にお伝えしてきましたが、他にいくつかの分類の方法があります。
表でまとめると下のようになります。
| 4分法 | 3分法(1) | 3分法(2) | 2分法 |
|---|---|---|---|
| 予算差異 | 予算差異 | 予算差異 | 管理可能差異 |
| 変動費能率差異 | 能率差異 | 能率差異 | |
| 固定費能率差異 | 操業度差異 | 操業度差異 | |
| 不働能率差異 | 操業度差異 |
いくつかの注意点を下にあげておきます。
- 3分法(1)の能率差異と3分法(2)の能率差異は同じ名前だが表しているものが違う
- 3分法(1)と2分法の操業度差異と3三分法(2)の操業度差異は同じ名前だが表しているものが違う
このように同じ名前の差異でも分類の方法が違えば表す差異が変わってくる場合があります。
- 4分法の不働能率差異と3分法(2)の操業度差異は同じ意味だが名前が違う
- 4分法の変動費能率差異と3分法(1)の能率差異は同じ意味だが名前が違う
また、このように同じ意味の差異であっても分類の方法が違えば名前が違ってくる場合もあります。
このように細かい違いがありますが、簿記検定では指示があるのであまり神経質になる必要はありません。
何となく覚えて練習しておけば対応できます。
「○○差異は○○という意味だ」というように決め付けないようにしましょう。
製造間接費予算の種類
製造間接費予算の種類には変動予算と固定予算があります。
また、変動予算は公式法変動予算と多桁式変動予算に分けられます。
これらのうち、簿記2級では公式法変動予算が出題されるので、公式法変動予算を中心に学習してください。
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簿記(TOP)>簿記(コラム)>直接材料費差異と直接労務費差異…
この記事には改訂版がございます。改訂版は直接材料費差異と直接労務費差異の面積図でよくある質問をご覧下さい。
直接材料費差異と直接労務費差異の面積図でよくある質問についてお答えします。
直接材料費差異と直接労務費差異の面積図でよくある質問
直接材料費差異と直接労務費差異でよくいただく質問に、なぜ下のような面積図にならないのかというものがあります。
直接材料費差異の場合
直接労務費差異の場合

いつもこの書き方と迷ってしまうようです。
しかし、この形ではいけない明確な理由があります。
それは「実際価格の変動の影響を数量差異または作業時間差異に与えないようにするため」です。
上の図の形だと、実際価格が上昇したり下落したりしたときに数量差異または作業時間差異の金額が変わります。
数量差異や作業時間差異は管理すべき差異です。
これらの差異に管理不能な実際価格の変動が混ざってしまっては原価管理が難しくなってしまいます。
そこで、実際価格の変動の影響を数量差異または作業時間差異に与えないようにするために上の面積図のような計算は行わないのです。
このように理解しておくと、もう迷うことはないと思います。
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直接労務費差異の具体例をお伝えします。
資料
1.標準原価カード(製品1単位あたりの標準原価)
| 標準消費数量 | 標準消費価格 | 標準原価 | |
|---|---|---|---|
| 直接労務費 | 2時間 | @500円 | 1,000円 |
2.当月の生産実績
月初仕掛品 500個(40%)
当月投入 2,500個
計 3,000個
月末仕掛品 600個(50%)
完成品 2,400個
- カッコ内は加工進捗度を表す。
3.当月原価実績(実際原価)
| 実際消費価格 | 実際消費数量 | |
|---|---|---|
| 直接労務費 | @600円 | 5,200時間 |
上の資料をもとに直接労務費差異の差異分析を行ってみましょう。
考え方
まずは面積図で考えます。
標準消費数量だけ計算が必要です。
- 標準消費数量(5,000時間)=製品1単位あたりの標準原価(2時間)×当月投入量(2,500個)
当月投入量は下のボックス図から分かります(労務費は加工費なので加工進捗度を考慮しなければなりません)。
個数は完成品数量ではなく当月投入量を使うことが大切です。
労務費の消費高は当月投入量に振り替えられるため労務費の消費高と当月投入量は同じになるからです。
下図の勘定連絡図をイメージしておけば大丈夫です。
それ以外は資料に数値が書いてあるので、それを書き写すことになります。
面積図を描くと下のようになります。
次に、それぞれの面積を計算して求めましょう。
面積図は下のようになります。
一応計算式を示すと下のようになりますが、この計算式を覚える必要はありません。
- 賃率差異(520,000円)=(標準賃率@500円-実際賃率@600円)×実際作業時間(5,200時間)
「実際消費価格>標準消費価格」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。
- 作業時間差異(100,000円)=(標準作業時間5,000時間-実際作業時間5,200時間)×標準賃率(@500円)
「実際消費数量>標準消費数量」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。
(計算式では不利差異はマイナスとなるのですが、面積図ではマイナスとはならないので、ここでもそれぞれの差異はプラスで表しています)
- 直接労務費差異(620,000円)=(標準賃率@500円×標準作業時間5,000時間)-(実際賃率@600円×実際作業時間5,200時間)
また、直接労務費差異は賃率差異と作業時間差異の合計なので以下の式も成り立ちます。
- 直接労務費差異(-620,000円)=賃率差異(-520,000円)+作業時間差異(-100,000円)
(ここでは不利差異をマイナスの数で表しています)
解答
- 直接労務費差異:620,000(不利差異)
- 賃率差異:520,000円(不利差異)
- 作業時間差異:100,000円(不利差異)
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直接労務費差異
直接労務費差異は、標準原価による直接労務費と実際に発生した直接労務費との差額です。
直接労務費差異を求める計算式は下のようになります。
- 直接労務費差異=(標準賃率×標準作業時間)-(実際消賃率×実際作業時間)
直接労務費差異は部門別または作業種類別に賃率差異と作業時間差異に分析します。
賃率差異
賃率差異は標準賃率と実際賃率との差に実際作業時間をかけて計算します。
賃率差異を求める計算式は下のようになります。
- 賃率差異=(標準賃率-実際賃率)×実際作業時間
作業時間差異
作業時間差異は標準作業時間と実際作業時間との差に、標準消費価格をかけて計算します。
作業時間差異を求める計算式は下のようになります。
- 作業時間差異=(標準消費数量-実際消費数量)×標準賃率
これらの計算式は覚える必要はありません。
次にお伝えする面積図を使って計算します。
面積図による直接労務費差異の考え方
面積図で直接労務費差異を分析すると下のようになります。
縦軸が賃率、横軸が作業時間です。
実際の数値がどうであっても、必ず内側に「標準」を書くことが大切です。
また、この長方形全体の面積が実際に発生した直接労務費を表していることを確認しておいてください。
この面積図をきちんと使えれば計算式を覚えなくても直接労務費差異分析はできます。
計算式を覚えず、面積図の使い方を身につけてください。
不利差異と有利差異の判断
- 不利差異=借方差異=借方に発生するから「費用」
- 有利差異=貸方差異=貸方に発生するから「収益」
まずは上の考え方を身につけてください。
次にこの考え方に下の考え方を積み重ねてください。
- 実際>標準=予定よりも多くの費用がかかっている=不利差異
- 実際<標準=予定よりも少ない費用ですんでいる=有利差異
このように考えれば、暗記しなくても不利差異と有利差異の判断ができます。
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資料
1.標準原価カード(製品1単位あたりの標準原価)
| 標準消費数量 | 標準消費価格 | 標準原価 | |
|---|---|---|---|
| 直接材料費 | 5kg | @100円 | 500円 |
2.当月の生産実績
月初仕掛品 500個(40%)
当月投入 2,500個
計 3,000個
月末仕掛品 600個(50%)
完成品 2,400個
- カッコ内は加工進捗度を表す。
3.当月原価実績(実際原価)
| 実際消費価格 | 実際消費数量 | |
|---|---|---|
| 直接材料費 | @105円 | 13,000kg |
- 材料は始点投入とする。
上の資料をもとに直接材料費差異の差異分析を行ってみましょう。
考え方
まずは面積図で考えます。
標準消費数量だけ計算が必要です。
- 標準消費数量(12,500kg)=製品1単位あたりの標準原価(5kg)×当月投入量(2,500個)
当月投入量は下のボックス図から分かります(材料は始点投入なので加工進捗度は関係ありません)。
個数は完成品数量ではなく当月投入量を使うことが大切です。
材料の消費高は当月投入量に振り替えられるため、材料の消費高と当月投入量は同じになるからです。
下図の勘定連絡図をイメージしておけば大丈夫です。
標準消費数量以外は資料に数値が書いてあるので、それを書き写すことになります。
面積図を描くと下のようになります。
次に、それぞれの面積を計算して求めましょう。
面積図は下のようになります。
一応計算式を示すと下のようになりますが、この計算式を覚える必要はありません。
- 価格差異(65,000円)=(標準消費価格@100円-実際消費価格@105円)×実際消費数量(13,000kg)
「実際消費価格>標準消費価格」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。
- 数量差異(50,000円)=(標準消費数量12,500kg-実際消費数量13,000kg)×標準消費価格(@100円)
「実際消費数量>標準消費数量」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。
(計算式では不利差異はマイナスとなるのですが、面積図ではマイナスとはならないので、ここでもそれぞれの差異はプラスで表しています)
- 直接材料費差異(115,000円)=(標準消費価格@100円×標準消費数量12,500kg)-(実際消費価格@105円×実際消費数量13,000kg)
また、直接材料費差異は価格差異と数量差異の合計なので以下の式も成り立ちます。
- 直接材料費差異(-115,000円)=価格差異(-65,000円)+数量差異(-50,000円)
(ここでは不利差異をマイナスの数で表しています)
解答
- 直接材料費差異:115,000円(不利差異)
- 価格差異:65,000円(不利差異)
- 数量差異:50,000円(不利差異)
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直接材料費差異についてお伝えします。
直接材料費差異
直接材料費差異は、標準原価による直接材料費と実際に発生した直接材料費との差額です。
直接材料費差異を求める計算式は下のようになります。
直接材料費差異=(標準消費価格×標準消費数量)-(実際消費価格×実際消費数量)
直接材料費差異は材料の種類ごとに価格差異と数量差異に分析します。
価格差異
価格差異は直接材料の標準消費価格と実際消費価格との差に実際消費数量をかけて計算します。
価格差異を求める計算式は下のようになります。
価格差異=(標準消費価格-実際消費価格)×実際消費数量
数量差異
数量差異は直接材料の標準消費数量と実際消費数量との差に、標準消費価格をかけて計算します。
数量差異を求める計算式は下のようになります。
数量差異=(標準消費数量-実際消費数量)×標準消費価格
これらの計算式は覚える必要はありません。
次にお伝えする面積図を使って計算します。
面積図による直接材料費差異の考え方
面積図で直接材料費差異を分析すると下のようになります。
縦軸が価格、横軸が数量です。
実際の数値がどうであっても、必ず内側に「標準」を書くことが大切です。
また、この長方形全体の面積が実際に発生した直接材料費を表していることを確認しておいてください。
この面積図をきちんと使えれば公式を覚えなくても直接材料費差異分析はできます。
公式を覚えず、面積図の使い方を身につけてください。
不利差異と有利差異の判断
- 不利差異=借方差異=借方に発生するから「費用」
- 有利差異=貸方差異=貸方に発生するから「収益」
まずは上の考え方を身につけてください。
次にこの考え方に下の考え方を積み重ねてください。
- 実際>標準=予定よりも多くの費用がかかっている=不利差異
- 実際<標準=予定よりも少ない費用ですんでいる=有利差異
このように考えれば、暗記しなくても不利差異と有利差異の判断ができます。
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標準原価差異の分析についてお伝えします。
標準原価差異の分析
標準原価計算では標準原価と実際原価を比較して原価差異を計算します。
原価差異は、直接材料費、直接労務費、製造間接費ごとに計算・分析します。
直接材料費差異は価格差異と数量差異に分類し、計算・分析します。
直接労務費差異は賃率差異と作業時間差異に分類し、計算・分析します。
製造間接費差異は予算差異・変動費能率差異・固定費能率差異・不働能率差異の4つに分類し、計算・分析します。
製造間接費差異は他にも分類の方法がありますが、この4つに分類する方法(4分法といいます)ができるようになれば他の方法でも問題なくできるようになります。
では、次回以降、直接材料費差異から一つずつお伝えしていきます。
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標準原価計算の流れについてお伝えします。
標準原価計算の流れ
標準原価計算は以下の流れで行います。
- 原価標準の設定
- 標準原価の計算
- 実際原価の計算
- 標準原価と実際原価との比較による原価差異の計算
- 原価差異の原因分析
以下詳しく説明します。
1.原価標準の設定
- 製品を1個作るのに必要な直接材料費
- 製品を1個作るのに必要な直接労務費
- 製品を1個作るのに必要な製造間接費
上のようなものを原価標準といいますが、これらを設定します。
「製品を1個作るのに必要な直接経費」については通常は設定しません。
2.標準原価の計算
原価計算期間の生産実績(当月投入分)に1の原価標準を適用して標準原価を計算します。
3.実際原価の計算
実際原価を集計します。
これは実際原価計算(原価法)と同じです。
4.標準原価と実際原価との比較による原価差異の計算
原価差異が勘定連絡図のどのような形で発生するのかについては2つのパターンがあります。
詳しくは後日お伝えします。
ここでは「標準原価と実際原価の差額を原価差異として計算する」と理解しておいてください。
5.原価差異の原因分析
原価差異を原因別に分類して分析します。
ここについてもいくつかの方法があるので、詳しくは後日お伝えします。
ここでは「原価差異を分析する」とだけ理解しておいてください。
標準原価計算の問題のほとんどは「4.標準原価と実際原価との比較による原価差異の計算」と「5.原価差異の原因分析」です。
これから先はこの2つを中心に学習していきます。
