さあ、帰るよ。スホオッパの一言でみんな集まって。
セフンくんとテミンが先に帰って、あとはみんな一緒。
テミンと一緒だったのが楽しかったのか、ちょっとテンションの高いカイくんと。
そんなカイくんにいじられてるスホオッパ。
私は必然的にチャニョルと並んで歩く。
「さっき・・・どうしたの?」
「ん? なにが?」
チャニョルは何事もなかったみたいに、笑うけど。
結構気になってる。チャニョルって、怒ると本当は怖いから。
じっと見つめると、チャニョルは怪訝そうに私を見つめ返す。ふと、何かを思い出したように。
「あー、もしかして、さっきの」
「さっきの・・・観覧車。チャニョル、怒ってなかった?」
チャニョルは目を丸くする。こういうときって、何を聞いても答えてくれない。
言いたいことはあるけど、自分の中で消化してからじゃなきゃ言えない時だ。
「別に・・・怒ってたわけじゃ、ないよ。そう見えた?」
明らかに怒ってたわ。言いたかったけど、言わない。
「見えただけなら・・・いいんだけど」
うん。頷くと、チャニョルはにっこり笑う。
「楽しかったな、今日」
「・・・うん」
微笑み合う。私の気にしすぎってことにしておこう。
「足痛くない? それまだ新しい靴だろ?」
そんな、ことまで。相変わらずいろんなところをよく見ているチャニョルに驚きながら。
「うん、大丈夫。気にかけてくれてありがと」
言うとチャニョルはうれしそうにはにかんだ。
「ギョンスはみんなのお姫様だからな。大事に大事に、守らなきゃ」
うれしかったけど、なぜか。
少しだけ寂しかった。その理由は、自分でもわからない。
胸がもやもやして、説明のつかない息苦しさ。
前を歩いていたスホオッパとカイくんが振り向いて、カイくんが私にまっすぐに歩み寄る。
何か言いたそうな顔をして、私の前に立ち止まるから。
「・・・どうしたの?」
「チキン・・・」
「え?」
ふてくされたような表情でそうつぶやく。
「食べに行かない? ちょっとお腹すいただろ?」
後ろから追いかけるようにスホオッパの声が響く。カイくんが頷いて私を見た。
チャニョルの同意を確かめるべく何気なく見上げると。
チャニョルはなぜかムッとしたような顔をしていて。
「・・・チャニョル?」
私の声に我に返って、笑顔を作る。
「いいね、行こう」
チャニョルの返事に、私も頷くと。
カイくんがさりげなく私の隣に立つ。チャニョルは、すぐさま。
スホオッパの元へ歩幅を広げた。