これから暖かくなるため、炉の終わりに近い時季には
炉を深くして、少しの火でお湯が沸くように
小さい釜を釣り釜にします。
釜は筒形、棗形、鶴首といった細長い釜が好まれます。
今日は、筒形の雲竜釜でした。
先を越してお釜の説明をしてしまいました。
稽古では毎回必ずテーマがあります。
私はそのテーマに沿ったお茶室がとても好きです。
今日のテーマはおそらく「春」。
まずは玄関をくぐると、
「天下の春」。そして寄付きには・・・
「柳緑花紅」とシャクヤクが!
♪「春よ~」と思わず口ずさみそう。
お茶室の床には、
花は丁子(水色)、姫うつぎ(白)、紺蝋梅(赤紺)。
花入れは「鷽(うそ)替え」「鶯(うぐいす)切り」。
旅箪笥で稽古をつけて頂きました。
乗っている香合は、フランスリモージュ製のピルケース。
旅箪笥は、その名前の通り、旅先にも持ち歩ける
移動用に考案されたお茶道具です。
千利休が豊臣秀吉の小田原の陣に従った際に
考案したといわれています。 点て方は3つあります。
①中板を外に出し、棗、茶筅をその上に置いて点てる
②中板を上板に重ねて点てる。
③水指を手前に少し引き出して点てる。
1つの道具で3つ楽しめる何と素敵な旅箪笥。
Tea Chest!?
上に載っている香合はフランスのリモージュ製のピルケース。
もう一方の旅箪笥は、塗でした。中は3段。
今回一番感激したのは、
300年以上前に削られた茶杓を拝見できたこと。
いやいや、使わせて頂けたこと。それが「吉野川」。
江戸時代如心斎の頃に削られたものだそう。
「漕ぎ渡る 川瀬の波の 花ひめた
桜紅葉の 四季の錦木」と書かれているそう。
誰が詠んで、誰が削ったんだったかしら?
覚えてないのが情けないです_| ̄|○
棗は「祇園」。蓋裏にはうっすらと
霞がかった満月が描かれていて、
本体の立ち上がり部分には、
桜の花びらが描かれています。
何てお洒落なんでしょう!感動しました。
もう一方の棗には、見事な桜が載っていました。
主菓子は「花団子」(静岡増田屋製)
干菓子は「葛菓子」(奈良久助堂)
干菓子は、八重桜や紅白桜、葉もあって
目にも楽しいお菓子でした。
次回の稽古も釣り釜。
七事式の「且座」を予定しているとのことです。
私は「香」を担当します。予習しなくては。