今日の掛け物は、こちら ↓
中国の詩人、杜牧が書いた詩の一部です。
多くの詩集では「江南の春」というタイトルになっています。
「江南春望 (こうなんしゅんぼう)」
千里鶯啼緑映紅(せんりうぐいすないて みどりくれないに えいず)
水村山郭酒旗風(すいそんさんかく しゅきのかぜ)
南朝四百八十寺(なんちょう しひゃくはちじゅうじ)
多少樓臺烟雨中(たしょうのろうだい えんうのうち)
現代語訳すると・・・・(色別に原文と対応させましたしました)
江南地方は千里四方に春が満ち、
いたる所で鶯(うぐいす)が鳴き、
緑の若葉は赤い花に映り美しい。
水辺の村、山あいの村にも、
酒屋の旗が春風にはためいている。
思えばあの南朝の頃は仏教が盛んで、
この地にも480もの寺院が建てられていた。
今なお多くの楼台がその名残をとどめ、
煙るような霧雨の中、そびえ立っている。
広大な田園風景に、緑・紅・白という彩り
そして鶯の声、そよ風というて音、
さらに春雨に煙る寺院の眺めによる時の遡り。
五感をフルに使った作品だと思います・・・素敵!
長板の諸飾りの稽古でした。
お菓子は静岡の増田屋製「菜の花」
最近は、花粉症で春の訪れを感じます。
できれば、この詩のような風景を見て、
春を感じたいなー、と思う私です。