当会発足から拙ブログを立ち上げるに至ったのには「3つの核」があった。
「あった」と記したのはうち2つは解決、または消滅したからである。
ひとつには「マルチポジションの撲滅」
次には、私のほぼ個人的な強い思い入れから筆を重ねた
「藤浪晋太郎問題」。
先の分は金本・矢野体制から岡田“どんでん”彰布への政権交代によって至極あっさりと解決されたし、後者は自らの策略によって球団を去っていった。
そしてもうひとつ最後が
「遊撃手問題」である。
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2021年の4月の記事
ここではまだ木浪・小幡・山本、そして中野の4選手を候補として比較している。
同年6月の記事
ここでもう中野拓夢が遊撃手の定位置に座っている。
そして中野は2021年、2022年とショートのポジションを守り続け、
2021年には124試合・1,053イニング。
昨年は135試合1205イニングと2015年の鳥谷敬以来、6年ぶりとなる「ショート1000イニング」を守ったのだ。
これでやっと長き問題に終止符が打たれたかと思った矢先だが、
かねてから中野の「肩の弱さ」について外野から指摘し続けていた岡田どんでんが監督に就任する。
岡田どんでんは先の「マルチポジション問題」を解決してくれたが、
せっかく落ち着きかけた「遊撃手問題」をまた振り出しに戻してくれた。
糸原健斗の守備範囲の狭さを指摘して「セカンドでは使わない」
中野は肩が弱いから「三遊間の打球処理、取れるゲッツーもとれないことがある」ということで2022年ベストナイン に選出されながら中野拓夢のセカンドコンバートが自動的に決まってしまった。
では誰がショートを守るのか。
そこで名前があがったのが小幡竜平である。
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小幡竜平 背番号38
大分県大分市出身 右投・左打 184cm/76kg
延岡学園高等学校 2018年ドラフト2位 22歳
その年には同じ遊撃手で大阪桐蔭・根尾(ドラゴンズ1位)、小園海斗(カープ1位)が。
また天理・太田椋(バファローズ)など高校生遊撃手に話題が集まった豊作の年であったが、当時の田中秀太スカウトはこれらをいずれ超える逸材であると指名に踏み切った。
高卒ショートを2位指名である。
そしてこの年の3位指名が木浪聖也。
球団のドラフト戦略としては即戦力の木浪で2〜3年しのいでその間に高卒の小幡に育ってもらおうという目論見であったことかと思う。
今季、またこの二人で遊撃の定位置を競り合うのも含めてタイガースの遊撃手問題は
「振り出しに戻る」
である。
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入団時に「現在74kgの体重を入団までに70台後半まで増やしたい」と語っていた。
実際どうなのか・・ではあるが、球団のプロフィールでは75kgとなっている。
1kgしか増えていない。
今季の西純などを見てみても高卒の選手というのは見る度に体が大きくなる印象だ。
ついでに先に名前をあげたドラゴンズの根尾くんも体が大きくならない。
ロッテにいった藤原くんもそういった印象だ。
根尾くんはついにピッチャーになってしまった。
いま二軍にいる高寺などももう一回り・二回り体が大きくならないと通用しないと思う。
話を戻す。
小幡竜平打撃成績
いかにも非力な数字が並ぶ。
たいする木浪聖也
こちらも、まぁ及第点か・・・というには少々寂しい数字。
それでも小幡竜平と比較するとすべてにおいて木浪が上だとわかる。
もともとバッティングはいい選手でそこそこパンチ力もある。
ツボにくればスタンドインする力はある。
スタメンで使い続ければある程度の数字は残す打者だ。
木浪と小幡のBatting Stats
繰り返しになるがどの項目も木浪に敵わない上に
木浪もそうたいした事がない数値だ。
しかし岡田どんでんは「ショートは打たんでええ」と言い切っている。
そう、守備がよければそれでいい話なのだ。
小幡・木浪の守備数値の比較。
ふたりとも先述した事情でここ2年間はショートでの成績は少ないが上記はショートを守ったときのもの。
イニング数が違うので単純に比較はできないが、木浪はこのStatsから見る限りは守備力は向上していると言える。
小幡竜平が圧勝するかと思われた守備範囲の指標、RngRも昨年に限れば木浪が上だ。
RngR=range runs 打球処理による貢献. グラウンドのどのゾーンの打球をどれだけアウトにしたか、その状況から貢献を計り得点換算したもの。広範囲をアウトにすると高得点になる。
冒頭に貼った中野拓夢の記事でも紹介しているこの数値。
記事中にもでてくる表をもう一度紹介する。
中野拓夢はこの数字が7.5だ。
12球団では上には源田しかいない。
すなわちリーグトップという事だ。
小幡は最高で0.7、木浪は1.2。
平均では二人ともマイナスに沈む。
つまりここまでの数字から判断すると、将来性を加味しても木浪を押さえて小幡竜平が遊撃のポジションにつく可能性は低い。
木浪には「のびしろはない」が、「これくらいの数字は残す」という予測が立つ。
あと二軍の次世代を見渡しても・・・
高寺・・・遠藤成・・・・
「それならば」と思わせる選手は見当たらない。
ルーキーの戸井零士は松原ボーイズだしご近所出身だから応援したいがまだ未知数。
それでもすでに80kgは超えている身体は魅力だ。
2018年のドラフト で即戦力の木浪に2〜3年しのいでその間・・・・
というやつを今季また「おかわり」する事になるような気がする。
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記事中セイバーメトリクス は
の数値を参照しています。