毎年「足りないんじゃないか」と不安なのだが、
毎年気づけば「誰かいる」のが阪神中継ぎ陣。
先発の絶対的エースが長らく不在の最近においては中継ぎ投手の頑張りがチーム成績を支えてきた。
以下、
「先発機会が4試合以下、
かつ20イニング以上登板」
したクローザー以外の投手を中継ぎ投手として取り上げる。
金本〜矢野政権6年間の中継ぎ投手を見てみよう。
まず2016年。
藤川球児がNPBに4年ぶりに復帰。
当初はセット・アッパーで、クローザーをマテオがつとめていたが5月に故障でドリスと入れ替わる。
安藤・榎田のドラ1コンビが中継ぎ。
松田 遼馬は阪神在籍5年間で先発は1試合のみ(2017年)。
島本 浩也はキャリアすべてが中継ぎ。
髙橋 聡文は前記事FAでも触れた。
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FAで阪神に来て「成功」と言える成績を残した数少ない選手のひとりだ。
移籍してきていきなり20ホールドをあげる。
5ゲーム3勝1敗20ホールド・防御率3.76。
中継ぎだけでなくチーム左腕でただひとり降格がなかった。
貴重すぎるタフネス左腕が金本政権の一年目を支えた。
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2017年は金本政権の2年目。
この年から岩崎 優が中継ぎ専任となり66試合登板をマークする。
前年、肘を故障し一度契約解雇となったドリスだが、再契約となりクローザーの座につく。
セットアッパーとしてマテオが配置される。
前年に引き続き髙橋 聡文が61試合登板したのに加えてこの年台頭したのが桑原 謙太朗だ。
白仁田とのトレードでオリックスから移籍。
オープン戦で防御率1.17という好成績で一軍切符を手にするとそのまま1年間をセットアッパーとして投げ抜き、最優秀中継ぎ投手のタイトルを43ホールドポイントで同数だったマテオと分け合う。
岩崎・桑原・高橋・マテオの4人で60イニングカルテットを形成した。
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2018年。金本知憲監督3年目。
積極的な若返り政策で2位という成績を残した前年だが、首位広島とは10ゲームの差をつけられCSでも1stステージ敗退。
金本監督勝負の年であった。
岩崎優、桑原謙太郎は揃って60試合以上登板をクリア、健在であったものの、マテオが夫人の出産立ち会いに帰国したあたりからおかしくなり帰国後も不調のまま故障離脱する。
穴を埋めたのがベテランの能見 篤史と、榎田大樹とのトレードで西武から移籍してきた岡本 洋介。
能見はこの年から本格的に中継ぎ転向となる。
岡本 洋介は34試合で44イニングと回跨ぎやロングリリーフでブルペンの駒不足を解消してくれたが活躍はこの年だけであった。
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2019年は前年最下位に沈んだ金本知憲からバトンを引き継いだ矢野燿大監督の1年目。
岩崎 優はこの年も48試合で26ホールド。
防御率0.76はキャリアハイの数字だ。
能見 篤史の転向により中継ぎ左腕の椅子が空かず2年間二軍暮らしだった島本 浩也だが、前年二軍で34試合登板で0勝1敗、防御率3.45という成績を一軍監督に就任した矢野監督に認められて開幕から一軍に定着。
63試合登板で防御率1.67という好成績を残す。
そしてこの年セットアッパーとして君臨したのがP・Jことピアース・ジョンソン。
16登板試合連続で無失点の球団外国人記録を更新すると独特のパワーカーブを武器に58試合に登板、40ホールドをあげたが、結局1年だけで再契約ならず、MLBに復帰してしまった。
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2020年。
岩崎がキャンプの終盤に足の不調を訴えたことでこの年から岩貞 祐太が中継ぎ転向。
38試合で67イニング。1試合平均1.76イニングと回を稼ぎ、チームの中継ぎ左腕の不足を補った。
クローザーにはソフトバンクを自由契約となったスアレス。
球児や島本に加え前年23試合登板の守屋 功輝も怪我で離脱。
またもや駒不足に沈むかと思ったが新人の小川 一平が21試合21イニングを消化したものの防御率4.71、WHIPは1.95とプロの壁に苦しんだ。
また2017年のドラフト1位なれど結果の出なかった馬場 皐輔を配置転換、
32試合で9ホールドを記録。防御率2.08と適応を見せた。
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そして昨年2021年。
矢野燿大監督の契約最終年。
新型コロナウィルスが猛威を振るう中、特別ルールとして9回打ち切り。
防御率1.16、WHIP0.77,42セーブと抜群の安定感を見せたスアレス に繋げばまず勝てた。
岩崎 優は62試合を投げ防御率1.08と安定した数字を残す一方で、
岩貞 祐太は46試合で防御率4.66と不調に喘ぐ。
小川一平も伸び悩む中、中継ぎ陣総崩れの危機に投入されたのが高卒2年目の及川 雅貴。
先発候補ではあるが、経験を積ませる意味と何より駒不足解消のために5月以降に一軍合流。
6・7月には15イニングで自責点3に抑えるなど勝ちパターンに組み込まれた。
そして何より中継ぎ陣を救ったのが前年度シーズン途中にオリックスから移籍してきた小林 慶祐。
開幕から9試合連続無失点と好調な滑り出しを見せ、22試合で防御率は2.25。
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こうやって見ていくとおおよそ2人ずつくらいで入れ替わる。
■2017年には安藤・榎田がいなくなり
→岩崎優と桑原 謙太朗
■2018年にはマテオ・髙橋 聡文がいなくなり
→能見 篤史と岡本 洋介
■2019年には桑原 謙太朗・岡本 洋介がいなくなり
→島本 浩也とP・ジョンソン
■2020年は島本 浩也とP・ジョンソンがいなくなり
→岩貞 祐太と馬場 皐輔
■2021年は能見 篤史とエドワーズがいなくなり
→及川 雅貴と小林 慶祐
ただ一人、岩崎 優だけが2017年から5年間そのポジションを守り続ける。
上記の法則で言えばそろそろ岩崎優がいなくなる順番。
岩崎は5年間で3度の60試合以上登板。
278試合で284イニングを投げている。
あの中日・岩瀬仁紀ですら60試合以上登板は19年間で5回。
おなじく中日の浅尾拓也は11年の現役生活だが登板過多によりほぼ5年間でキャリアは終わっている。その浅尾拓也が投げたのが通算で505イニング。
岩崎優は通算で516イニングをすでに消化している。
そのほかに及川 雅貴はおそらくは今季、スターターに回る可能性が高い。
抜けるのはこの二人になるか?
または岩貞 祐太か。
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スアレスが抜けた今季。クローザーを当て込んで獲得したカイル・ケラーの来日がまだ不確定となっており、またその能力も未知数である。
当会の編成部長の解析ではクローザーとしての適応に疑問符がついている。
そのような事情から早めの打計策として「自動的に」岩崎優のクローザー起用が噂されている。
果たして吉と出るのか?
また2人抜けた入れ替わりには誰が入るのか?
そのあたりも含めて次回の【後編】で締めたい。
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