スポニチannex
お待たせ!!高校BIG4最後のデビュー!!!
及川雅貴(およかわまさき)~「オヨヨ」と呼んで~
千葉県出身 左投/左打 184cm /78kg
横浜高校 2019年ドラフト3位
ヤクルト・奥川恭伸、ロッテ・佐々木朗希、そして同じチームのドラフト1位・西純矢とともに
2019年「高校BIG4」と呼ばれた投手だ。
昨日(5月29日)の西武戦で待望の一軍デビューを果たした。
ど派手な「虎のラルフ・ブライアント」の1試合3ホーマーの花火に隠れて地味な扱いとなってしまったがまずは無失点で切り抜けて一安心の門出であった。
逆転された2点ビハインドの場面での中継ぎデビュー。しかも回の途中から、とハードルの高い場面であったが、果たして山川へのストレートの四球から呉念庭(ウーネンティン)へ安打を許すなど一・三塁の大ピンチを招いてしまったものの続くスパンジェンバーグをスライダーでプロ初奪三振。岸をショートゴロに仕留め0点で切り抜けた。
後述するが三振を奪ったスライダーは今季ファームでO-Swing%(ボール球を振らせる%)は48.9%また、Whiff%(空振り率)は49%だ。
高校BIG4〜奥川は1年目から活躍し、佐々木・西純も先頃一軍デビューを果たした。
高卒新人が2年目の早々から一軍登板するなどそれだけでもなかなか難しいことだろうが、なにしろBIG4の3人がすでに一軍デビューしているた上に同僚の西純矢は初勝利も手にした。
佐々木朗希も一昨日(27日)にプロ初勝利!
ヤクルト奥川恭伸も同日勝利投手になった。
当然遅れは取りたくなかっただろう。
緊張もしただろうし、まだまだこれから。
矢野監督は何試合か中継ぎで経験をつませるつもりのようだ。
初先発を楽しみにしたい。
また、1試合3本塁打の怪物ルーキー・佐藤輝明の活躍については当会編成・戦略担当部長より次記事ににてブログアップ予定です。
お楽しみに次記事もチェックください!
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オヨヨ。高校時代の写真を見てみる。
高校時代から制球難に苦しみ、一時はエースナンバーを剥奪された。
それがなければ他の3人と同様ドラ1の評価であってもおかしくないとされた素材。
日刊ゲンダイdigtal
かなりボールを前で離している。これが安定すると制球も安定すると、そういう事だろう。
基本的には高校時代から(当たり前だが)あまりフォームは変わっていない。
気になるのは肘の下がり。
拙ブログでも度々登場するSSEライン。
すなわちShoulderーShoulderーElbow。
このラインが一直線だと効率よくボールに力を伝える事ができる。
ではなぜ「肘が下がる」のか。
そしてなぜ「肘が下がるといけない」のか。
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まず、われわれ人間は動物です。
私は個人的に「動物好き」なのでその定義などを書き出すと長くなりますので割愛いたしますが・・。
動物である以上、自然界の生物ですが「硬球を投げる」ことは人間以外の動物は行いません。(あたりまえですが)
つまり歩く・走る・跳ぶなどの自然な動きではない動作を行うということなのです。
それだけに逸脱したメカニズムで動作を繰り返すと故障を発生しやすい。
肩甲骨の軸と上腕骨のラインが一直線になる状態が「ゼロポジション」と呼ばれる位置です。(図②)
肩関節が一番リラックスする角度であり、内外の回旋もありません。
「きをつけ」の姿勢がしんどいのはそれが自然な位置ではないからです。(図①)
一見不自然に見える「腕をあげた位置」が「自然な位置」である、と。
なぜそういう不自然に見える位置が「自然な位置」であるのか。
それは人間が立ち上がってしまったからなのです。
これは股関節でも同様だが人類が直立歩行を常態としてしまった事で肩甲骨と上腕骨の関係が崩れてしまったのだ。
四足歩行の動物の例を見てみる。
肩甲骨は背中ではなく身体の横側についている。
そして上腕部は「ゼロポジション」で地面にむかっている。
これが「自然な状態」であるのだ。
人類はそのまま起き上がってしまい、そのままでは「前にならえ」の姿勢になってしまうため、肩甲骨が背中側に移動した。
四足歩行動物との間にいる類人猿がその関係もちょうど中間になる。
類人猿の手が長いのはその状態で地面に手が届く必要があるから。
ではこの「ゼロポジション」で投球を行えば一番故障がおこりにくいか。
それは「そうだ」とも「そうでない」とも言える。
このブログをお読みいただいてる読者の方。
立ち上がって「ゼロポジション」に腕をあげてください。
140度(~130度:個人差はあります)程度に腕を上げてみてください。
その状態の「肩関節」がリラックスする角度である事が実感できると思います。
そこで「すこし痛いかな・・」とつぶいやいたあなた。
・・・五十肩のはじまりかもしれません。
毎日肩と肩甲骨のストレッチをお願いします。
普通の方は実感あると思います。
肩だけでなく肘も楽だと思います。
ではそれで投球ができるか?となれば違います。
いま続いて読んでいただいてる読者の方。スマホに目を戻したかと思いますので話を続けます。
肩は楽ですがボールを投げるとなると・・・。
はい、そうですね。「力が入らない」かと思います。
なので「反対の肩を下げる」のです。
これで冒頭のShoulderーShoulderーElbow。
すなわちSSEラインとなります。
肩関節が一番楽で動かしやすい角度の延長線上に逆の肩を下げるのです。
これが一番「故障が少なく、力が入りやすい」ポジションとなるのです。
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サイドスローはどうなんだ?
ましてやアンダースローは?
同じです。SSEライン自体の角度が変わるだけだ
週刊ベースボールonline
そこでもう一度及川のリリース。
日刊スポーツ
これは握りからチェンジアップを投げているようだが。。
SSEラインから大きく肘が下がっている。
リリースで投手のスローアームは一気に内旋します。
カーブ以外の球種では投手の手のひらは前を向きます。この回転がこのリリースの瞬間に一気に行われる。
その際に当然その回転の真ん中にある関節=肘に大きな負担がかかることになる。
そのためできる限り肩と肘を同じラインにし、ひとつの回転板を作る事が故障を防ぐのに効果的であり、かつ一番楽に力を伝える事ができる「パワーポジション」なのだ。
逆に言えば及川も肘を上げることができれば球速もアップする。
及川の投球をまだまじまじと見ていないのでなんとも言えないが・・
このリリース写真を見る限り、肘の下がりの原因は「腕の振り遅れ」にあるように見える。
同じ左投手の岩崎のようにボールを前で離しているように見えるが、そうではなく身体の動きにスローアームが遅れているのではないか。
このあたり、これからはまた一軍登板がありそうだからじっくり見て解析してみたいと思う。
とにかく、肘が下がると球速があがらない、制球が安定しない、肘を壊しやすいと良い事がない。以前阪神にいた久保コーチなら間違いなく修正することだろうと思う。
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及川雅貴2軍成績を見てみる。
一年め。防御率6.00・・・・・・・・・。
自責点22。そうですか。ホームラン7本。
K%(奪三振/打者)を調べてみると7.6%。
これはほぼ「三振をとれない」数字だ。ちなみにファームのワースト。
これでは・・・と思われたがこの交流戦前のタイミングで一軍昇格となった。
それでは今季の数字を見てみよう。改善されたのはどこか。
まず奪三振。今季のK%は23.1%
リーグ平均が19.8%であるからこれは優秀な数字で昨年より飛躍的に奪三振力が上がっている。
さらに表にはないがGB%(ゴロを打たせた割合)も59.2%だそうでこれもリーグ平均が48.2%だから優秀だ。
ではBIG4、3人の今季のファーム成績を比較してみる。
及川と西純はほぼ同等か、むしろ及川の方が数字がいいようだ。しかし・・ふたりともホームラン打たれすぎじゃないかな。。。
対して“令和の怪物”佐々木朗希。昨夜わがタイガース戦にプロ初先発して初勝利。
ファームでは5試合で20イニングと大事に使われているようだ。
被本塁打はわずかに1。それでいて奪三振は19。K%は25%は流石だ。
だがGB%は58.8%と及川に軍配があがる。
実は今季の及川のO-Swing%は35.5%でリーグ2位。
これは簡単に言えば「ボール球をどれだけ振らせているか」の数字であるからこれがあがれば単純に成績が上がる。ストライクがいらないという事であるから。
さらにスライダーに絞って言えばO-Swing%は48.9%に跳ね上がる。
今後の登板も及川雅貴のゴロ率を気にして見てみたいと思う。
「振り遅れのスローアーム」が一軍でも通用するのか。
だがあくまで私の見立てだが。。
及川雅貴は高い確率で故障する。おそらくは肘を。
その前に肩甲骨を痛めるかもしれない。
それが「投球メカニズム」だから。
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