天体写真では写真をうまく撮影することも大切ですが、撮影した後の画像編集も大事ですね。
私も天体写真をやり始めたころは、画像編集がなかなか上手く行かずどうしようもなかったことを思い出します。
特に天体写真の「あぶり出し」(薄い像をはっきりさせる)は、初めてする方には結構難しいところがあると思うので、私のやり方を簡単に書いてみたいと思います。
参考になれば幸いです。
(今も初心者なので最良の方法ではないかもしれません)
私の場合は、主に星雲、銀河、星団を中心に撮影しているので、今回は比較的やり易い銀河の画像編集について書いてみます。
今回は、以前撮影したM101の画像を使います。
この画像はP130Nの鏡筒、ASI585MCなどを使って撮影し、DeepSkyStackerでスタック
したもので、FITS形式のファイルで保存したものです。
なお、写真が小さいと効果が分かりにくいので大きい写真表示にしています。
❶ フリーソフトを使って画像編集(簡易な方法)
主にASIFitsViewとGIMPを使っての方法ですが、意外に簡単です。
画像編集アプリは他のものでも使えると思います。
◆ スタック直後の画像
M101が中央付近に薄っすらと写っています。(GIMPに直接読み込んだ画像)
◆ ASIFitsViewに読み込んだ画像
ASIFitsViewがインストールされていると、Fits形式のファイルをダブルクリックするとASIFitsViewが起動し画像が表示されますが、このときある程度レベル調整や色彩調整がされているようなので、棒グラフのアイコンをクリックした後、▲△のスライダーを移動させて画像調整します。
調整ができたら💾のアイコンを使ってPNG形式で保存します。
(PNG形式のファイルがデフォルトになっており一番効果が大きいようです)
◆ 保存したPNG形式のファイルをノイズ除去し保存する
ノイズ除去にはアプリなどを使います。
ノイズ除去機能が搭載された画像編集アプリや、単独のノイズ除去アプリがありますが有料のものが多いです。Neat Imageのデモ版は無料で使えます。
ノイズ除去はしなくてもよいのですが、しておいた方がきれいになります。
この画像は、Neat Imageのデモ版を使ったものです。
◆ 背景を調整します
背景の調整は、GIMPでファイルを開き、
色の調整はGIMPのメニューバーで
【色】 ➡ 【カラーバランス】
と進み、シャドウを選択してから調整します。
背景の明るさは、GIMPのメニューバーで
【色】 ➡ 【影-ハイライト】
と進み、Shadowsのところを調整します。
◆ 銀河の明るさ・コントラスト・色彩などの調整します
銀河の明るさ、コントラスト、色彩などの調整をします。
銀河の明るさは、GIMPのメニューバーで
【色】 ➡ 【明るさ-コントラスト】
で調整します。
今回は色彩の調整は省略しましたが、必要な場合は調整します。
銀河を調整して背景が変わった場合はもう一度背景を調整します。
◆ 画面をフラットにします
画面がフラットになってない場合は、フラットにしておきます。
この元画像はフラットフレームの処理をしていますが、出来上がりが綺麗でない場合はフラット処理をします。あまりフラットにし過ぎるとリアル感がなくなるのでそこそこにしておいた方がよいかもしれません。
この画像は効果が分かりやすいように、かなり強くフラット化しています。
フラット処理にはアプリの使用や画像編集としてできる方法があります。
上のフラット処理は自分が考案した方法でやってみました。
上の順番は入れ替えた方がよい場合があります。
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❷ ステライメージ9を使った画像編集(専用アプリ使用)
◆ スタック直後の画像
M101が中央付近に薄っすらと写っています。(ステライメージ9に読み込んだ初期状態)
◆ レベル調整などで銀河をあぶり出します
ステライメージ9のレベル調整(またはデジタル現像など)でM101をあぶり出します
メニューバーで
【階調】 ➡ 【レベル調整】(またはデジタル現像など)
◆ 背景をグレイにします
元画像はフィルターの影響で赤味を帯びていたので背景をグレーに調整します
メニューバーで
【階調】 ➡ 【オートストレッチ】
(手動で補正する方法もあります)
明るさやコントラストの調整、必要があればそれ以外の調整をします。
メニューバーで
【階調】 ➡ 【明るさコントラスト】
画像調整パネルを使う方が簡単かもしれません。
ここまでできればノイズ除去に使用できるファイル形式で保存しておきます。
ここからは前記【フリーソフトを使って画像編集】と同じ方法です。
◆ ノイズを除去する
ノイズ除去アプリでノイズを除去します。
ノイズ除去にはアプリなどを使います。
ノイズ除去機能が搭載された画像編集アプリや、単独のノイズ除去アプリがありますが有料のものが多いです。Neat Imageのデモ版は無料で使えます。
ノイズ除去はしなくてもよいのですが、しておいた方がきれいになります。
この画像は、Neat Imageのデモ版を使ったものです。
◆ 画像をフラットにする
この元画像はフラットフレームの処理をしていますが、出来上がりが綺麗でない場合はフラット処理をします。あまりフラットにし過ぎるとリアル感がなくなるのでそこそこにしておいた方がよいかもしれません。
この画像は効果が分かりやすいように、かなり強くフラット化しています。
フラット処理にはアプリの使用や画像編集としてできる方法があります。
上のフラット処理は自分が考案した方法でやってみました。
(この方法は邪道と言われそうなので公開していませんが、同じようなことをしている人もいるかもしれません)
上の処理の順番は入れ替えた方がよい場合があります。
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画像編集は今回紹介させてもらったもの以外にもたくさん方法がありますし、今回は細かい部分を省いてアウトラインを書いたものであることをご理解願います。
ただ、今回使用した元画像からでも結構あぶり出せるものですが、天体写真を始めて間がない方は撮影に失敗したと思う方が多いと思います。
画像編集をしっかりやってみると天体写真の面白さが倍増すると思います。
急いで書いたので説明不足の部分があるかもしれませんが、よろしくお願いします。