前回のブログ記事にも書きましたが、未だに画像をフラットにすることに梃摺っています。
少し前に、フラットフレームを使った記事も書きましたが、これはフラットフレームを適度に調整しないと上手くできないことが分かり、それが結構難しく頓挫してしまいました。
そこで今回は、星を消すアプリとして定評のある
StarNet++(V2)
を使ってみることにしました。
このアプリは処理にかなり時間がかかるということを聞いていたので、自分の拙いPCでは処理が難しいのかなと思って遠ざけていたのですが、使ってみないと分からないことも多いので使ってみました。
前回のブログ記事にNGC4395の写真を載せましたが、今回はこの写真をStarNet++を使ってやり直してみましたが、StarNet++だけの処理時間はデフォルトの設定で1分以内で済んだので、高度な処理さえしなければ自分のPCでも何とかできることが分かりました。
備忘録を兼ねてStarNet++の使い方を簡単に書いておきます。
ちょっと使っただけなので、間違っているところがあるかもしれません。その点気を付けてください。(StarNet++(V2)のWindows用のものについての使い方です)
● StarNet++の使い方
StarNet++には、コマンドライン用のものとGUI用(グラフィック ユーザー インターフェース)のものとがありますが、両方とも使ってみました。
単体で使う場合は、GUI用の方が使いやすいと思います。
コマンドライン用は、文字通りコマンドラインで使ったり、アプリに組み込んで使うようです。
● ダウンロード
まず、アプリをWebからダウンロードします。
コマンドライン用は StarNetv2CLI_Win.zip
GUI用のものは StarNetv2GUI_Win.zip
というZIPファイルなので解凍します。
どちらも、解凍すればフォルダごと適当なところへ移動しておきます。
インストールの作業は必要ありません。
コマンドライン用は StarNet++.exe
GUI用のものは StarNetGUI.exe
をダブルクリックすれば起動します。
使える画像ファイルはどちらも、16ビットのTIFF(tif)だけです。
それ以外のものはあらかじめ、この形式の画像に変換しておく必要があります。
● StarNet++の起動など
コマンドラインでの使い方は省略します。
コマンドライン用はアプリに登録して使うことが多いようです。
Pixinsightでも使えるようですが、持っていないのでよく分かりません。
FlatAide Proにも組み込んで使えるメニュー項目がありますが、古いStarNet++のバージョンでないと使えないようです。
私はImage16というアプリに組み込み用のメニュー項目があったので使ってみました。
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GUI用のものは起動すると次の画面がでてきます。
入力項目は
[Input File] 処理する画像名を入力します。(Browseでファイル一覧がでてきます)
[Output ]file] 処理後のファイル名を入力します。(Input Fileと同名のファイル名が入るので変更します。変更しないとStarlessが付け加えられた名前になります。)
[Finer tiles] は「✓」を入れると細かい処理になりますが、時間がかかるようです。
ここまで入力すれば [Run]をクリックすると処理が始まります。
(StarNet++のフォルダ内にテスト用の画像ファイルがあるのでテストしてみると分かりやすいです)
● StarNet++の星無し画像を使ってフラットに
フラットフレームなどを使って画像がフラットになれば問題ないのですが、なかなか上手くできない場合はStarNet++などのアプリを使うと上手く行く場合があります。
StarNet++は星を消すアプリの中でも優れているようです。
そこでフラット化に梃摺った、前回のブログ記事に掲載したNGC4395を処理してみることにしました。
今回は先に書いた、Image16というアプリにコマンドライン用のStarNet++を登録して使いました。
Image16というアプリは最近使い始めたばかりなのでまだ理解できていませんが、16ビットのTIFFファイルでなくても自動的に変換してくれたり、元画像と星無し画像から星だけの画像を簡単に生成してくれるので、その部分だけ使っています。
(星無し画像はImage16などのアプリを使わなくても、前記のGUI用のアプリで簡単に生成できます)
次の2画像が、元画像とStarNet++で星無し画像です。
元画像
StarNet++で生成した星無し画像
以後の処理は、普通の画像処理アプリで簡単にできますが、私は
PaintShop Pro 、GIMP
を使いました。
星無し画像ができたら、画像処理アプリに読み込んで白黒画像に変換します。
次にこれを反転(白と黒を逆に)します。
すると、NGC4395は黒くなって少し残ります。
マスクにするには、NGC4395を白くして光が透過するようにする必要があります。
普通はレベルを調整したりして白くするようですが、NGC4395は淡い部分が多いので手動で周囲と同じ位白くし、その後境界付近がなだらかになるようにガウスぼかしをかけてみました。
白黒 => 反転 => NGC4395を白色で塗りつぶし => ぼかし
そしてこの画像をマスクにして元画像とともにレイヤー処理しました。
出来上がった画像が次のものです。元の撮影が良くなかったのでそれなりの出来ですが、StarNet++を試してみただけのものということで見ていただいたらと思います。
出来上がりの画像(少し仕上げの画像処理をしています)
前回のブログ記事で処理したもの
意外に短時間で処理できるので、フラットフレームなどを使ってもフラットになりにくいものには、この方法を使っていきたいと思っています。