天体望遠鏡、スタークエスト P130Nのレビュー | getaのブログ

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少し前に、破格値の反射赤道儀を購入しました。

以前のブログ記事に2回関連記事(下のリンク)を書いていますが、架台のことなども少し書いてみたいと思います。(以前書いたブログ記事と一部重複する部分があります)

低価格、反射赤道儀を購入しました

格安反射赤道儀のファーストライト(鏡筒のみ)

 

● 対象の天体望遠鏡は、スタークエスト P130N

この反射赤道儀は

   Sky-Watcher

     スタークエスト P130N

      鏡筒: 口径130mm 焦点距離650mm 口径比5

      架台: 赤道儀(微動ハンドル付き)

      付属品: 三脚、接眼鏡2個、スマホアダプター、取り扱い説明書

           レッドドットファインダー

      その他: ファインダー取り付け部はファインダー用のアリミゾ

     

 

というビギナー向けの天体望遠鏡です。

販売価格は、格安の21598円でした。

この天体望遠鏡の通常販売価格は4万円台だと思うのでかなり安く買えました。

 

● 反射式鏡筒部

この天体望遠鏡は以前にも簡単に書きましたが、この反射赤道儀は低価格である分、コストダウンのためだと思いますが簡略化されており、普及機以上のものと違う点は次のとおりです。

   〇 主鏡セルは鏡筒に固定され光軸調整ネジがありません。

     数回使用しましたが、特に問題はないようです。

     

   〇 斜鏡部分はプラスチックが多く使われています。

     スパイダー(支柱部分)もプラスチック製で金属製のものより太いようです。

     斜鏡の光軸調整をしてみましたが、特に問題はありませんでした。

    

   〇 接眼部はプラスチックが多く使われており、微動装置は付いていません。

     繰り出しは少し硬めですが、ガタはほとんどありません。

       

何でも長所と短所は裏表になることが多いですが、この鏡筒は機能を省いているところがある分、軽量になっており、持ち運びなどは楽にできます。

 

反射鏡は放物面鏡で、先日鏡筒のみを使用してファーストライトをしましたが、特に問題はないと思います。性能の良し悪しについてはあまり知識がありませんが、写真を撮ってみると外周部に気になるほどではありませんが、僅かにコマ収差が出ていると思います。(光軸調整によっても変わってきますし、個体差もあるかもしれません)

なお、そのときの架台はAZ-GTiを使用しました。

 

私は眼があまりよくないので、写真専用に買いました。ですから、眼視での見え方は確認していません。

接眼鏡は10mmと25mmのものが付属しています。箱にはそれぞれK10、K25と記載されていますが、ケルナーのことかどうかは分かりません。

 

接眼部のドロチューブの繰り出しは少し硬めですが、この程度の望遠鏡の場合、緩くするとガタの原因になるので仕方がない面もあると思います。

 

この鏡筒のみの重量は、約3.2kgです。私はAZ-GTiを使っていますが、同じ口径13cmの反射鏡筒でも、この鏡筒より高級なものは重さが重くなります。AZ-GTi(積載重量5kg)に載せるには、この鏡筒くらいが限界かなと感じます。実際にオートガイドをしてみましたが、問題はありませんでした。

 

● 赤道儀の架台部

架台部は非常に小さくできており、AZ-GTiより一回り小さいと思います。

しかし、クランプレバーやハンドル類がプラスチック製である以外はほとんどが金属製で、見た感じよりはしっかりしていると思います。

 

 

この架台にこの鏡筒を載せてみましたが、微動ハンドルも楽に回せたので、見た目よりはしっかりしているという印象です。

(微動ハンドルの取り付けは、固定ネジを回しやすい位置にしないと回しにくいです)

しかし、私はこの望遠鏡の鏡筒はAZ-GTi専用に使うつもりなので、この架台はモバイル赤道儀のような使い方をして、カメラや小型の望遠鏡を載せて使うつもりです。

 

早速、500mmの望遠レンズを付けたカメラをこの架台に載せて太陽黒点を撮ってみましたが、小振りな分、扱いが簡単で楽に撮影することができました。

追尾も赤経軸の微動ハンドルを少し回せばよいので、スマホでモータードライブを操作するより早く簡単にできました。

  三脚は伸ばしていません

 

この架台も省かれた機能があり、

   〇 極軸望遠鏡

   〇 極軸合わせ用の水平方向の微動装置

が付いていません。

極軸合わせ用の上下方向の微動はネジを回すことでできるようになっています。

また、角度も目盛りが付いているので上下方向は問題ないと思います。

水平方向の極軸合わせは、マウントを三脚へ取り付けるネジを少し緩めると簡単に回すことができるので、この位の架台なら、これで十分かなと思います。

赤緯軸には固定目盛りが付いているので0に合わせておき、ファインダーを極軸望遠鏡の代わりに使う手もありかなと思います。(やってみないと分かりませんが)

 

赤経赤緯軸の歯車は歯数122のウォームホイールとウォームギアで、赤経軸一軸のみのモータードライブ(7000円余り位)が別売で装着でき追尾を可能にすることができます。

そのようにすればモバイル赤道儀のような使い方ができるので、そうしたいと考えています。

早速、別売のモータードライブ(AZ-AVANTアップグレードキット)を注文したのですが、納品は5か月先になるということです。

 

この架台で使いにくいと思ったのは、バランスウェイトを取り付けるときにウェイトシャフトの先端に付いているネジがワッシャと別になっているので締めにくいです。

私は薄いM6のナットをねじ込んでワッシャを固定してみました。(高さの高いナットを入れるとネジ数が少なくなりバランスウェイトが落下する危険があるのでしないようにしましょう)

ウェイトシャフトはΦ12mmなので普通のものより細く、バランスウェイトの穴も小さいので、他の普通サイズの望遠鏡と流用はできないです。(ネジ径変換ボルトナットを使うと可能になるかもしれません)

 

この架台は見た目よりはしっかりしている印象を受けました。

 

● 三脚

三脚は二段伸縮のアルミ製で軽いですが、強度的にはしっかりしています。

扱いにくいと思ったのは開き留め部分に取り付ける三角板の取り付けです。

蝶ねじで下からねじ込むのですが意外に取り付けにくいです。

開き留めは三脚に固定されているので、付属の三角板を付けなくても大丈夫なようので、問題がなければ外しておいてもよいかなと思います。(三角板を付けた方が強度は増します)

三脚は十分伸ばしておけば大丈夫だと思いますが、軽量なので余り伸ばしてない場合は転倒しないように気を付ける必要があると思います。

 

● その他

ファインダーは、レッドドットファインダーが付属していますが、普通のファインダーと好みが分かれるところですね。

しかし、ファインダー取り付け部はファインダー用アリミゾになっているので、普通のファインダーを持っておれば付け替えが簡単にできます。

 

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この天体望遠鏡は架台も鏡筒も非常に軽くできているので、ちょっと天体を見たいときにすぐに出せるという利点があると思います。

 

私も、定年退職後に口径20cmの反射望遠鏡を買いましたが、これは良く見えるものの思った以上に大きくて重たく、ベランダで使えないばかりか、それ以外の場所に設置するのも一苦労するのでほとんど使用しなくなってしまいました。

やはり手軽にできるということは、長続きすることにつながると思います。