少し前に、15cm反射鏡筒で天体写真を撮りましたが、M42だけ画像処理してなかったので出していませんでした。
画像処理してみると案の定、高度が低かったため淡い部分の出がよくありませんでした。
しかし、3種類の露光で撮っていたので何か使い道はないかと考えた結果、トラペジウムがある程度分かるような画像処理をしてみようと思い立ちました。
自分はどちらかというと、こてこての薄い雲まで出した写真よりは、眼視に近い写真の方が美しくて好きです。できればトラペジウムも分かるような写真を撮りたいと思っています。
● M42の露光時間など
M42の露光時間は
1 10秒 30枚 下の写真の左端のもの
2 30秒 20枚 下の写真の中央のもの
3 60秒 10枚 下の写真の右側のもの
の3種類で撮りましたが、それぞれDSS(DeepSkyStacker)を使い加算平均でスタックしました。
10秒30スタック 30秒20スタック 60秒10スタック
(トラペジウムが分かります)
● 画像処理の方法
画像処理による違いを比較するため、次の画像処理をしたものを使いました。
1 30秒 20枚 で撮ったものを加算平均でスタックしたもの
下の写真の左端のもの(上の中央の写真を少し画像処理したもの)
2 3種類(10秒、20秒、60秒)のスタックしたものを、加算平均でスタックしたもの
下の写真の中央のもの
3 3種類(10秒、20秒、60秒)のスタックしたものを、HDR合成したもの
下の写真の右側のもの
加算平均のスタックは、DSSを使いました。
HDR合成には、CANONのDPP(Digital Photo Professional4)が簡単なので使いました。
使用したファイルはFITSファイルをJPEGファイルに変換したものです。
30秒20スタック 3種類を加算平均でスタック 3種類をHDR合成
(同じレベルになるように画像処理しています)
左と中央の写真では少ししか差がないようですが、どちらもトラペジウムは僅かに分かります。
左のHDR合成は明らかに他のものと比べ画像に違いがあるようです。
トラペジウムをはじめ、ハイライトの部分や淡い部分もはっきり出ており、HDR合成のメリットが出ているようです。
やはりHDR合成は明暗差の大きいものに向いているようです。
ただCANONのDPPは、星の位置合わせはできているのですが、自動で合わせると重なり具合に少し違和感があるようです。