前回、AZ-GTiの電源が落ちる原因をウォームホイールではないかと仮定して、その部分を使用しない領域に持っていくことで、電源落ちを回避しようとしました。
しかし、その後の電源の落ち方が半端ではなく、赤経軸回転角の色々なところで落ちるようになってしまいました。
電源が落ちる回転角に規則性があるのか調べてみると、全周360度で8箇所あり、間隔が45度位という結果になり、これはウォームホイールの損傷ではなくエンコーダの関係ではないかと思うようになりました。
AZ-GTiは買ってまだ半年も経っていないのですが、修理に出すとしばらく使えなくなり、暇な爺さんにとっては耐えきれないので、リスクは覚悟のうえ分解してみることにしました。
エンコーダだけの故障なら、最悪でもエンコーダを使えないようにすればよいと考えたのです。
分解の目的
分解は電源が落ちないようにすることが最大の目的ですが、それ以外にも、どうせ分解するならできることをやっておこうと思い
グリスアップ、清掃などをしておきたい
調整や整備のため構造を知っておきたい
ということも兼ねて分解することにしました。
ただ今回はとりあえず赤経軸だけ分解することにしました。
以下は、私が分解した内容を書いたものであり、分解を推奨するものではありません。
また分解はリスクを伴いますし、保証も効かなくなる場合があると思います。私は責任を負えませんので、分解される方はご自分の責任でやって頂くようお願いします。
分解の手順
分解のしかたは他のブログなどにも紹介されているので簡単に書いておきます。
1 AZ-GTiの白いケースの部分にあるネジ6本と赤緯軸クランプを取り外すと、ケースの黒いプラスチック部分が外れます。
2 AZ-GTiの機械部分を分解するには、まず電子基板と電子基板の台座(メッキ色)を外しますが、どちらもネジ2本をとると外れます。
(配線コードやコネクタを壊さないようにします。邪魔になるコネクタ類は外しておくほうが良いです。)
中央にあるのがエンコーダのディスク
3 電子基板の台座のすぐ下には、エンコーダのディスク(円盤)があり、中央のネジ4本をとると外れます。
4 エンコーダのディスクが固定されていた部品の外側にある部品の側面2箇所にイモネジがあるので六角レンチで緩めてこの部品を取り外します。
5 イモネジを緩めた部品を外すと、それより下にある部品は、ケースを持ち上げると外れます。 ウォームホイールもその中にあります。
ウォームホイールの整備等
分解前から、エンコーダが怪しいと思っていましたが、まず赤経軸のウォームホイールから見ていくことにしました。
ウォームホイールはアルミ製のようですが、グリスがかなり汚れて黒くなっていたのでギアの谷の部分の汚れを爪楊枝等を使ってきれいにしました。長さ1mm程度の薄い金属片も混入していましたが、故障の原因になるようなものではなく、ウォームホイールが電源落ちの原因ではありませんでした。きれいにした後、グリスアップしておきました。
爪楊枝の先にあるのが金属片
エンコーダを調べる
電源落ちの原因をエンコーダではないかと推測して調べてみました。
まず、エンコーダのセンサー部の上下の部品に挟まれるような形でディスクが配置されていますが、上の部品とディスクとの隙間は非常に僅かで、目測で0.1~0.2mmでした。ちょとした衝撃や変形で接触するおそれは十分ありそうです。
実際に、エンコーダが電源落ちの原因かどうかは、部品と回路を外してみてどうなるかを見るのが一番早いと思いました。
そこでまず、エンコーダのディスクを取り外し、エンコーダのセンサー部から基盤に配線されているコネクターも外してからAZ-GTiを組み立て作動させてみました。
すると、何と正常に作動するではないですか。赤経軸を360度回転させても電源落ちは全くありませんでした。やはりエンコーダが正常な作動に影響を及ぼしていたことは間違いないと思います。
他にも条件を変えてテストしてみましたが、不思議なことにエンコーダのディスクを取り付けている場合は隙間を調整してもすべて電源落ちが発生しましたが、取り外した場合は、すべて正常に作動しました。エンコーダのディスクは電気的に配線されているわけではないので、どういう理由でこうなるのかよく分かりません。
どちらにしても、エンコーダが作動しないようにエンコーダのディスクを取り外し、エンコーダのコネクタも基盤から取り外した状態でAZ-GTiを組み立て使うことにしました。つまりエンコーダが装着されてないAZ-GTeと同じような使い方をすればよいわけで、特に問題はないと思っています。
ただ、このまま正常に作動してくれればよいのですが、祈るばかりです。
エンコーダを取り外してまだ2日しか使ってないので不都合がでるかもしれず、まだ安心はできません。
【2021.12.2追記】
故障の原因が分かり修理しました。詳しくは次のブログへどうぞ。