【2023.12.25追記】説明に使用しているASIAIRの画像は以前のバージョンのものなので、現在のものとは少し違っています。
今回、初めてASIAIR PROでオートガイドを使ってみました。
現在、AZ-GTi(赤道儀)にカメラのズームレンズ(150-500mm)を載せ、400mm前後の焦点距離で天体写真を撮っていますが、まだまだ納得のいく写真は1枚も撮れていません。
色々と試行錯誤しながら、どの方法がいいのかテスト段階と言ったところです。
最近、天体写真を撮って感じることは、特に淡い天体の場合は時間をかけてやらないと
よい写真が撮れないし、収差の多いレンズを使うときに絞りを絞るとその分露光時間を長くする必要があります。
私が使っている機材は、
架台 AZ-GTi(赤道儀)
架台制御 ASIAIR PRO
カメラ ZWO ASI385MC
レンズ トキナー AT-X150
150-500mmズーム F5.6 (Pentaxマウント)
ですが、露光時間は120秒が限界で、それ以上露光すると星が流れているのがはっきりしてしまいます。
それ以上露光するためには、どうしてもオートガイドしかないと思って、オートガイドに挑戦してみました。
露出180秒ノータッチガイド AZ-GTi(赤道儀)
露出180秒オートガイド AZ-GTi(赤道儀)
私は今年(2021)の3月で仕事を完全に辞めたのを機に、若い頃から憧れていた天体写真を撮ることにしました。(普通のカメラでの星野写真等はたまに撮っていました)
仕事を辞めた直後に臨時収入があったので、ベランダで天体写真が撮れるような小型の機材を中心に、7月ころにまとめ買いをしたのです。
そのとき、どうせオートガイドも必要になるだろうし、買えるときに買っておかないと買えなくなると思い、
ガイドカメラ ZWO ASI120MM mini
ガイドスコープ ZWO 30F4 MiniScope
もそのとき購入していたのです。(セール期間中だったので安く買えたし)
ですから、いつでもオートガイド撮影しようと思えばできる環境にはあったわけですが、「オートガイド」というのは、大昔に手動ガイドしていた者からみれば、何か難しそうなイメージが有り恐れをなして使わずにいたのです。
しかし、露光時間を伸ばしたいという必要性から、今回、オートガイドに挑戦してみたのですが、私が中高生のころ(55年位前)、学校の望遠鏡を使い手動ガイドで写真を撮っていたときと比べると、想像できないくらい技術が発達したものだと感心するばかりです。
というわけで、ASIAIR PROを使用してオートガイドを実際にやってみたのですが、結果から言うと、私のような初心者でも拍子抜けするくらい簡単にできてしまいました。
私のように、オートガイドを使うことに尻込みしている方に是非使っていただきたいと思い、備忘録を兼ねて書きましたので、参考にしていただいたらと思います。
(以下の説明は、オートガイド以外の設定はできるものとして書いています。ASIAIR PRO等の使い方については過去のブログにも書いてあります)
ASIAIR PROでオートガイド
【準備】
1 ガイドスコープを同架
架台の極軸がしっかり合っていて架台の回転精度なども優秀であれば、理論上はガイドカメラはメインカメラと同じ方向を向いてなかってもよいのだろうと思います。
そういう訳かどうかは分かりませんが、ZWO 30F4 MiniScopeには方向の微調整ができるようになっていません。
【2022.0215 追記 少々ずれていても問題ないようです】
私の場合、極軸合わせもそこそこですし架台精度もそこそこなので、メインカメラとほぼ同じ方向に向けているに越したことはありませんから、ガイド鏡を取り付けるときにある程度方向を合わせておきました。
私の場合、ガイドスコープの取り付けは
アリガタ ==> L字金具 ==> ファインダー用のアリミゾ ==> ガイドスコープ
の順番に取り付けていますので、曲尺(直角になっている物差し)を使って、各取付部分のネジを調整して角度を合わせました。。
(後で、メインカメラとガイドカメラの画像を確認したら、あまりずれてなかったので、微調整しないでそのまま使っています。)
アリガタとL字金具、L字金具とファインダー用のアリミゾがそれぞれ
直角になるように取り付けました
2 ガイドスコープにガイド用カメラを取り付ける
ガイド用カメラ(ASI120MM mini)をガイドスコープに取り付けます。
(ピントはある程度合わせておいたほうがやりやすいです)
3 ガイド用カメラとASIAIR PROをつなぐ
次に、ガイド用カメラ(ASI120MM mini)とASIAIR PROをUSBケーブルでつなぎます。
ASI120MM mini のコネクタは、USB C 、ASIAIR PROは、USB2.0 Type-A です。
(ASIAIR PROを使う場合、ガイド用カメラはZWO製でないと使えないようです)
【操作】
1 ASIAIR PROの電源を入れる
2 ASIAIRアプリを起動する
3 ASIAIRアプリの起動時の設定をする(ピント合わせ、極軸合わせなど)
4 ガイド用カメラの設定をします。
カメラ名、焦点距離
(ディザリングが使用できますが、初心者は設定オフ推奨のようです)
5 自動導入で対象を導入する
6 オートガイドの画面を出す
画面の天体は木星です
まず、ASIAIRアプリのPreview画面を出します。
Preview画面の左端にあるGuideのアイコンにタッチして、オートガイドの小さいグラフを出します(出ていないとき)。
次にこのオートガイドの小さいグラフにタッチすると、オートガイドの大きい操作画面になりますが、「Workflow」 「Tips」 が表示されます。
(オートガイドの大きい操作画面から抜けるときは、左上にある【矢印が向き合っている】アイコンをタッチします。)
7 前回のキャリブレーションをクリアする
右側のアイコンから一番上にある 【○の中に[i]】のアイコンを選ぶと
キャリブレーションデータの画面が出るので
前回のキャリブレーション結果があれば
【Clear】ボタンで 前回のキャリブレーション結果を消します。
(前回のキャリブレーションデータを使うこともできますが、その日毎にした方が良いらしいです。
キャリブレーションしない場合は、キャリブレーション結果を消さずに次へ進みます)
8 画面にガイドカメラの映像を表示する
右下にある【EXP】で露出時間を設定した後、【2つの矢印で円形】になっているアイコンを選ぶと画面にガイドカメラの映像が表示されます。
ピントが合っていないときは合わせます。
(露出時間は1~4秒位が推奨です)
9 キャリブレーションを開始する
【○の中に十字】のアイコンを選ぶとキャリブレーションが始まります。
まず、ガイドする星を選ぶか、選ばすにそのままにしていると勝手にガイドする
星を選んでくれて、キャリブレーションが始まるので終わるまで待ちます。
(星を選ぶ場合は、最も明るい星を選ばないようにし、通常、HFDが3~6の中程度の明るさのものを選択すると良いそうです。アプリに選んでもらった方が間違いないかもしれません)
(キャリブレーションとは、制御側(ASIAIR PRO)が架台側に信号を送り、架台側が信号により
どの程度動くか調べる機能で、しばらく時間がかかります)
10 オートガイド開始
キャリブレーションが終わればオートガイドがすぐに始まります。
左上にある【矢印が向き合っている】アイコンをタッチしPreview画面に戻ります。
Preview画面にはオートガイドの小さい画面があるのでオートガイドの状況を確認できます。
雲などが出てガイドできないときは「LOST STAR」と表示されます。
折れ線グラフ(ガイドグラフ)の意味は、
【RA】 が、赤経(Right ascension)
【DEC】 が、赤緯 (Declination)
【Tot】 が、合計 (Total)
の意味のようで、その軸のブレを表しているようです。
なお、【Tot】は単純和ではなく、ベクトル和です。(この場合は2乗和の平方根)
11 オートガイドをやめるときは、右側の【STOP】のアイコンを選びます。
12 まとめ
オートガイドの操作は、オートガイド画面の右側にある3個のアイコンを、上から順番にタッチしていけばよいということです。
( 【○の中に[i]】のアイコンをタッチしたときに、キャリブレーションデータが残っていれば、これをクリアするかそのまま使うか選択します。)
【参考】マニュアルの説明
通常、オプション設定はデフォルトを維持する必要があります。
ただし、ガイドグラフが非常に不安定になる場合は、右側の表示・非表示ボタンをタップして修正記号を確認し、「DECAggr」と「RAAggr」の値を僅かに調整し、ガイドグラフを平坦化することができます。
キャリブレーション作業が完了してガイドの準備ができたら、最初に10~20フレーム待ってから、ガイドグラフ左側にあるクリアボタンをタップしてください。でないと合計エラーの値が正しくない場合があります。
(私の翻訳が間違っているかもしれません。原文で確認してください)
【その他】
難しい設定もできるようですが、オプション設定はデフォルト推奨のようです。
また、ASIAIRを動作させる端末が性能等の要件を満たしていないと、この機能に限らずうまく動作しない場合があるようですので、確認しておくと良いと思います。(マニュアルに記載あり)
ios10.0.2以上(1GB以上)
Anndroid6.0以上(4GB以上推奨)
初めて使ってみたのですが、覚えているうちに操作方法等について簡単に書いてみました。
爺さんになると、アプリの操作などは理解しにくくなり、覚えてもすぐに忘れてしまいます。人に説明するためには、マニュアルもある程度読み、実際に操作してみる必要があり、そうすることにより早く理解できるので、このような説明文を書かせてもらっており、また自分が忘れたときの備忘録として活用しています。
理解不足のため内容がよくないところもあると思いますが、よろしくお願いします。
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