ASIAIR PROを使う(3)実際に使ってみる | getaのブログ

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お気に入りの音楽を聴きながら、50年以上前にちょっとかじった
天体写真を中心に美しいものを撮って楽しんでいます。
低価格機材で写真を撮ることに執念を燃やしています。

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今回は、ピント合わせ、極軸合わせ、天体の導入、ライブスタック等について書きます。

普通は、ピント合わせに続いて極軸合わせをすると思いますから、赤経軸は鏡筒が一番上にくるように、赤緯軸は北を向くように設置してから始めると良いと思います。

 

ピント合わせ
ピント合わせは結構大事なことですので、時間がかかってもしっかりやっておいた方がいいと思います。
ピントが甘いと写真自体きれいに仕上がりません。その日に撮ったものがすべて駄目になってしまいます。また、ピントのずれがひどい場合は、プレートソルブも失敗することがあるようです。

それでは最初にASIAIRアプリを立ち上げて、Preview画面になっているところから書きます。

Preview画面のときには、右端上の方に、黄色の文字で「Preview」と表示されています。


このとき、右端中央付近に大きな白い「〇」のボタンがあります。これはスタートボタンというようですが、カメラで言えばシャッターボタンのようなもので、これにタッチするとプレビューや撮影が始まり、表示が「□」に変わります。
「□」の時は通常、操作ができないので、「〇」になっていることを確認してから操作するようにします。「□」の時はタッチすると「〇」になります。

この「Preview」の文字をタッチすると、そのすぐ左側に選択肢がでてきます。
この一番上に、「Focus」というのがあるので、これにタッチするとフォーカスモードになります。

画面右端の「〇」の少し下に 「EXP」というのがありますが、これはシャッター速度ですので、これをタッチしてシャッター速度を指定します。ピント合わせの場合は1秒か2秒位が良いと思います。長いとピントつまみを動かしてもすぐに反映されず、分かりにくいです。

また、右端の「Bin1]にタッチして「Bin2」にしておくと、カラーではなく、ほぼ白黒になるのでピントが合わせやすいと思います。

次に「〇」にタッチすると画面に映像が出てきますが、ピントが少し外れているだけで星は全く表示されません。あらかじめどのくらいの位置でピントが合うかは事前に調べておき印でもつけておくと分かりやすいです。

ピントが合ってきて星が画面に出てきたら、この状態である程度までピントを合わせます。そして細かくピントを合わせるための星を選び、緑の四角い枠をドラッグしてその星の所に移動し、ほぼ真ん中に星が来るようにします。そして​​​​画面左端の上の方に虫眼鏡のアイコン(中央に「+」)がありますのでタッチします。

 



するとその星の拡大画面やグラフが出てくるので、この状態でグラフを参考にして細かくピントを合わせます。
ピントが合えば虫眼鏡アイコンがあったところに「<」アイコンがあるので、タッチして拡大モードから抜け、その状態でもピントが合っているか確認しておきます。

フォーカスモードから抜けるには、「□」をタッチして「〇」にしてから画面右端の「Focus」をタッチすると選択肢が出るので、どれかをタッチします。

極軸合わせ
極軸合わせもピント合わせと同じようにしっかりやっておくことが大切で、楽に天体を導入できるようになります。

ピント合わせと同じように、スタートアイコンが「〇」になっていることを確認してから、画面右端の現在モードの文字にタッチし、出てきた選択肢から「PA]をタッチすると極軸合わせのモードに入ります。

するとPreparation画面になり、スタートアイコンがあった位置に再生マークのアイコンが出てくるのでこれにタッチすると極軸合わせが始まります。

後は、画面下の方に出てくるボタンをタッチしていくと、赤経軸を回転させたりプレートソルブを実行したりしますが、最後に極軸を上下左右、どれだけ移動したらよいか表示されるので、これに従い微動修正します。

プレートソルブがうまくいかないときは、画面にも表示されますが、メインカメラのところで入力したレンズの焦点距離が実際と少し違う場合でもうまくできないことがありますから、このときはレンズの焦点距離を0mmに入力し直してやってみるとよいです。また、露光時間(EXP)を変えるとうまくいく場合もあるようです。

 

微動修正したら画面下の方にある「Refresh]ボタンにタッチします。
するともう一度測定し修正角度が出てくるので、これを何回か繰り返してよく合わせます。

Total Errorが2分以内の角度に収まれば顔マークが笑顔になり同時に「Finish」ボタンが出てくるので、満足するところで「Finish」ボタンにタッチして終了します。

極軸合わせは2分以内の角度を推奨しているようです。

なお短時間で極軸合わせができると画面に花火が上るようです。

極軸合わせには、プレートソルブの基礎的な機能を使用しているようです。(星の位置を画像認識させているらしいです。)

天体の導入
天体をスムーズに導入するためには、ピント合わせと極軸合わせをきちんとしておくことが必要です。
天体の導入は「Preview]等の画面で行います。

 

  この画像では 「🔍M33」となっているところが検索ボックスです


Preview]画面等の右上部分に赤道儀マウントのコントロールパネル(四方向きの矢印等が書いてある)があります。もし表示されていなければ画面右の方に引き出すボタンがあるのでタッチします。

このに赤道儀マウントのコントロールパネル(MCP)の左上にある虫眼鏡マーク(検索ボックス)にタッチして導入ライブラリ「Tonight’s Best」に入ります。

 

そして「Tonight’s Best(今夜のベスト)」リストから導入したい天体をタッチします。すると選択対象の色が変わり、右下の方に「GOTO]ボタンが出るのでタッチすると導入が始まります。

画面左上の 「<」 をタッチし、MCPに戻って「GoTo]ボタンにタッチしてもよいです。

また「Tonight’s Best」リストを検索したい場合は画面右上の虫眼鏡マークにタッチしてから天体名を入力して検索しますが、検索履歴も同時に出てきますから、検索履歴から選択することもできます。
検索結果が一つしかなくても表示されている天体にタッチしてから「GoTo」にタッチします。

 

Tonight’s Best」は天体の南中時刻も分かるので、今、撮影に適しているかの判断ができます。


天体は導入された後、プレートソルブにより天体が画面中央に表示されます。

なお、「Preview」で画面を連続して次々書き換えて表示したい場合は、メインカメラの「Advanced Settings]の中にある 「Continuous preview] をオンにしておきます。

ここまでできると、後はライブスタックで写真をとればよいだけです。

ライブスタック
ライブスタックで写真を撮るには、画面右端の「Preview」等(現在のモード)が表示されているところをタッチして、選択肢の中から 「Live」(下から2番目)をタッチします。するとライブスタックのモードに入りますが、まず撮影環境を設定します。

画面右端の「Live」の下にある設定アイコン(点と横線が3本ある)をタッチすると、設定ウィンドウが開きます。

一番上にある
Light Flat Dark Bias 
をタッチして選択するようになっています。

Light」は普通に天体を撮影します。
Flat」はフラットイメージを作成します
  レンズの周辺減光等による明るさの不均一を修正
Dark」はダークイメージを作成します
  主にセンサーノイズを除去
Bias」バイアスイメージ」を作成します。
  センサーのピクセルごとの個体差を修正
というようなことらしいですが、まだよく理解できておりません。

Light」で写真を撮影するときに、「Flat」「Dark」「Bias
で作成したファイルを選択しチェックマークを入れれば、ノイズなどを除去してきれいな画像になるということのようです。

私のASI385MCでも、何もなしで撮ると結構大きな斑模様が出ることがありますが、さすがにこれらのファイルを指定してライブスタックをすると出ないので、かなり効果はあるのでしょう。

私の場合
 「Flat」は大きめのレンズフードにトレーシングペーパーを貼り付け、撮影前のまだ少し明るさが残っているときに、空に向けた状態で作成しています。

このレンズフードは逆向きにつけるのですが、テーパーになっているので色々なレンズで使用できます。
 

 「Dark」はレンズキャップをして光が入らない状態で、「Flat」を作成した直後に作成しています。


 「Bias」は、「Dark」を作成した直後にレンズキャップをしたまま最も速いシャッター速度で作成しています。

Flat」と「Dark」は、その日、天体を撮影するのと同じシャッター速度など条件が大体同じになるようにしています。

実際に天体写真を撮るときは一番上の「Light」にタッチし天体写真撮影モードにします。次に、
Exp」のところでシャッター速度を指定します。

 

Stack Duratin」 は何枚スタックするかの設定で、指定枚数で自動的に終わります。「NO Limit」に設定すると手動で切るまで終わりません。

Bin」については分かりにくいので少し調べてみました。

 

 ZWOのホームページには
ビニング(Bining)とは、隣接するピクセルを1つの大きなピクセルにマージすることです。次の図に示すように(図は省略)、最も一般的には2×2の構成で、4つのピクセルがソフトウェアによって結合されて1つの大きなピクセルになります。(自動翻訳による)
  と書いてあります。

  また、ビニング(Bining)はどんなときに使用するかについても
 
通常、ピント合わせやフレーミングの効率を上げるためにBINを使用します。撮影時にシステムがオーバーサンプリングしている場合は、BINでも問題を解決できます。(自動翻訳による)

  と書いてあります。

  また「Bin2」は

モノビニングでグレースケール画像になり、カラーカメラのオプション機能

  というようなことも書いてありました。

私は通常「Bin1」を使っており、「Bin2」はピント合わせに使っています。「Bin2」で撮ってみましたが確かにカラーではありませんでした。通常は「Bin1」を使ったのでよいと思います。

次に、作成保存した

Flat、Dark、Bias(キャリブレーションファイルというらしい)を順次、指定します。

Flat」「Dark」「Bias」の右側にある 「>」 にタッチして出てくるファイルの先頭にチェックを入れてファイルをそれぞれ選択します。

ですから「Flat」「Dark」「Bias」のキャリブレーションファイルは、「Light」で写真を撮影する前に作成しておく必要があります。「Flat」「Dark」「Bias」で撮影する方法は「Light」で写真を撮影するのと同じ方法で行います。

後で別のアプリ等でスタックやダーク・フラットの処理をしたいときは、一番下にある「SaveEveryFrameWhenStacking」にチェックを入れておく必要があり、こうするとスタックされた画像だけでなく、スタックに必要な撮影したすべての画像ファイルが保存されます。
【2022.02.15追記 表示場所が変わっています。】

この設定が終われば「OK]をタッチして設定が終わり、「Live」の画面に戻ります。


撮影を始めるには右端中央にある「〇」にタッチします。
(「Flat」「Dark」「Bias」の撮影も同じようにします。)


スタックに成功した回数、失敗した回数などは画面下の方に表示されます。

画像を調整したいときは、画面下部にあるヒストグラムでおこないます。ヒストグラムが表示されてないときは、画面左端にあるグラフのアイコンをタッチします。画面の調整は初めは自動になっていますが、ヒストグラム中に表示されている△ボタン(2個)を移動させて調整するとができます。

私の場合、下手に調整するよりオートの方がよい場合が多いです。

撮影したものを保存するときは、右端の一番下にある[↓]にタッチすると、スタック中でも保存されます。

中止したいときは「□」をタッチします。
また、画面右端下から2番目の「Clear]にタッチすると、スタックしたものがメモリからクリアされますが、画面は変わりません。新たに撮影されたときに画面が変わります。スタックされたファイルは、ASIAIR PROとスマホ等の両方に保存されます。

 

以上、私が忘れてしまいそうなことを書きました。私と同じような初心者の方も、この程度知っておればある程度使えると思います。後は慣れることと、少しずつそれ以外の機能も身に付けるということではないでしょうか。

 

なお、アプリの機能についてはバージョンアップなどにより変わると思いますので、あらかじめご了解をお願いします。

 

【2021.9.29追記】

アプリのバージョンアップにより表示などが変更になった部分があります。