若い子に対して思う事~伝えたい事~ | 犬と悪魔のプール

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音楽を中心に色々な話を書いていくつもりです。

長くなったので、続きです。
ここから先は私が頭の中で勝手に考えている事ですが、結局の所、こちらがやった事がその子を傷つけてしまったんだろうな、と。
普通に考えたら、パワハラを受けていた頃の方がよっぽど会社に来れなくなってもおかしくない状況だったと思うんです。
でもその頃は普通に出勤していたし、何も知らない私の目からするとパワハラがあったという事実すら分からないレベルで変わらなかったんです。
元々あまり感情を出さないタイプの子だったのを差し引いても、本当に何も無かった。
例えば私も新卒の頃凄く厳しく当たってくる先輩がいて、その人の話題が他の人との間に出てくると、どうしても顔が歪んでしまうというか、そういう外から見て分かる部分があったと思うんです。
でもその子の場合はそれも無く、「〇〇さん(契約社員の人)は仕事が早いから。私とかの倍以上のスピードで仕事ができるから」みたいな事も言ってて、パワハラはともかく仕事が遅い事を知っていた私としては、「いや、〇〇さんが早いのではなくて、あなたが〇〇さんの2分の1以下の仕事しかできないだけでしょ」と思ったりしていたのですが…。
本人に聞いた訳じゃないので分からないですが、私の勝手な想像だと、パワハラを受けていた頃は「でも私は私のペースで仕事してるから仕方ないじゃん」とか「嫌いな先輩に何言われたって別に平気だし」くらいに思ってたんじゃないかと思うんです。(それは防御反応として)
だからきついパワハラにも耐えられたんじゃないかな、と。
でもその厳しい人達がいなくなって、自分より後に入社した人も入ってきて。
その人達の方が自分より仕事が早くできて、仲良くしていた人(一緒に昼ご飯を食べていた私)にも仕事が遅いとみなされているようで、どうやら本当に自分は遅いらしい、という事に気づいてしまったんじゃないかな、と。
いや、最初から気付いてはいたのかもしれませんが、変な話自分の都合の良いように受け取るというか、真実からは目を背けてるというか、そういう部分があったんじゃないかと思うんです。
それを周りから真実を突き付けられて、自分の仕事が遅いと周囲の人から思われている、そして後輩を見るに本当に遅いらしいと思わされて、パワハラ受けても大丈夫だったメンタルがぽっきりと折れてしまったんじゃないかと…。
そういう事なんだとしたら、仕事が遅いという事を上司に言ったり、応援するつもりだったとはいえ同期との比較を感じさせるような事を言ってしまったのは、本当に申し訳ない事をしたと思います。
もうちょっと成長するのを気長に待ってあげれば良かったのかな、とも思います。

ただ、そう思う一方で「仕事が遅くて周りの人に迷惑が掛かっていると伝える事」は間違っているとは思えないんです。(やり方は間違っていたとしても)
これは完全に自分語りになりますが、私が新卒で販売の仕事をしていた頃、何度も怒られて𠮟られて、それでも最近は怒られる事も減ってきたな、と思ってた頃の話。
ある時、その頃1番頼りにしていた先輩に言われたんです、「水人さんがしっかりしてくれないと、私は1時間も休憩が取れない」と。
それはまったくの事実で、その人(あるいは店長)が1時間も休憩を取ると商品が欠品してしまって、その人が戻ってくる頃には凄く仕事が忙しくなる、という状況だったんです。
私はどれくらい商品が減ったらどれだけの商品を追加すればいいのか、という判断ができなかったので…。
そう言われた時、「私は人並みにちゃんと仕事ができるようになったんだ」と勘違いしていた自分に気付かされたんです。
私が仕事ができない事によって、1番頼りにしていたその人に迷惑をかけていたんだと。
それ以来、欠品しないか気を遣うようになり、私が店をやめるまでには一応その人が1時間休憩取っても大丈夫な状態にはなったのですが…。
なんとなく、今回のこの人もその頃の私と同じなんじゃないだろうか、と思ったんです。
うるさく言ってくる先輩が退職して、これでやっとのんびり働ける、良かった良かった、みたいな感じ。
でも本当は、周りの人がそのせいで苦労している事に気付いていない。
それは結局、誰かが言ってあげないと気付けない事だったりするんじゃないかと思ったんです…。

仕事っていうのはどうしても、同じ給料をもらっていて(あるいは契約社員の人にとってはより多い給料をもらっていて)、より少なく仕事をするというのでは不公平が生じると思うんです。
これが、例えば食べるのが遅いとかだったら誰にも文句を言われる筋合いじゃないし、変える必要はないと思います。
その人が食べるのが遅い事を我慢できない人は、その人の元から去っていくでしょうし、それはそれで問題ないと思います。
でも、仕事はそうじゃない。
仕事が遅いのが嫌だからって周りの人は去っていけないんです、その人にも生活がある以上。
多少の仕事の速い遅いは絶対に誰でもあると思います。
あるいは、遅い事によって困るのは自分だけ、というような仕事内容の人も、特に問題ないと思います。
でも不運な事に、この人の仕事ぶりは客観的数値的に見て明確に他の人よりも遅いし、仕事内容上できない仕事分は全部他の人に降りかかってくる。
それを良しとするのは、なんか違うんじゃないかと私は思います。
できないならできないなりに、少しずつでも早くなるように努力する。
まぁ、この場合は「早くなるまでっていったいいつまで待てばいいのか」という周囲の人のイライラはありますが…。(実際この部署でやり始めて1年経つのに、入って2カ月の人の5分の1の仕事量ですから…)
あるいは、どうしても早くなるのは無理というのなら、これはもう場所を変える(異動願いを出すなり転職するなり)しかないんじゃないかと私は思います。
本人が悪いとかではなくて、どうしても無理な仕事、長くは続けられない仕事ってあると私は思うので。
実際私も4社目にして、ようやっと自分らしく働けると思える今の会社に辿り着いたので。
仕事を早くやろうとするのも、異動(あるいは転職)するのも、凄くエネルギーのいる事です。
でも、それから逃げて「私はこのままで良いでしょ」と周りの人に負担をかけ続けるのは、正社員として、社会人としてやってはいけない事なんじゃないかと私は思います。
たとえ時間はかかっても(周囲の人がそれをどれだけ待ってくれるかは別の話として)、努力はし続けないといけないんじゃないかと思います。

小学生の頃、転校先でとある女の子が私に親しく接してくれて、でも元々その女の子と仲の良かった子が嫉妬して、私からその子を奪い取るような形で遠ざけようとした事があり、私はその時泣いてしまいました。
それを見ていた音楽(の授業中だった)の先生は、奪い取った子も注意したけど、私にも言いました。
「あなたも変わらないとだめよ」
あの頃の私は、そんなすぐに泣くような性格じゃだめよ、と言われてるのかと思っていたのですが、大人になった今は、奪い取った子にも声をかけて3人で仲良くなれるような行動をとれるように変わらないとだめよ、という意味だったんじゃないかと思います。
性格を変える事は難しいけど、行動を変える事は少なくとも性格を変えるよりは容易にできる。
私はかつて自分が言われた事を、今あの子に言いたい。
「周囲の人にも悪い所が色々あったけど、あなた自身も変わらないとだめだよ」

最後に、今の休みがどんな形であれ前に進むためのものであるなら、回復するまでゆっくりして欲しいと思います。