…ちゃんは、会社の二年後輩、高卒だから六歳年下。自分が頼りないこどもだったからともこちゃんと別れることになったのに、懲りずに年下の子を好きになった。やさしいおっとりした子だった。付き合うまでもいかなかった。…ちゃんの同い年の男の子に負けた。優しいから迷っているふりをしてくれただけで、最初からこたえは決まっていたのかもしれない。そんな気がしてきた。
当時の僕はかなり情緒不安定だった。急に結婚願望が強くなっていた。何か焦っていた。彼女を作ろうと必死だった気がする。
次も、同じ山歩きサークルの、字は違うともこちゃんだった。タイプも違った。前のともこちゃんはどちらかと言えばおとな。次のともこちゃんは、いい意味でこどものような無邪気さ、かわいらしさをたくさんもっていた。ところが、僕も、こどもだった。楽しい時はいいが、こども同士ではもたない時がある。ひとつ年上でも、僕はやっぱりこどもだった。就職直後、口の悪い先輩がよく冗談で、「おまえは(会社に)向いてへんわ。はよやめたほうがええぞ。」と言っていた。それから、「彼女とはすぐ別れることになる」と。会社は、なんとかまだやめてないが、彼女とは本当に別れることになってしまった。ともこちゃんは悪くない。僕がおとなだったら…
それから、今思うことは、このともこちゃんのおかげで、みずほちゃんのことを忘れることができたということ。ちゃんと話をして、行動を共にして、なんとなくではなくて、理解してから好きになった。
この失恋をしたあと、以前と同じようにみずほちゃんを思うことはなくなっていた。
みずほちゃんが進学した公立大学に合格できなかった僕は、私立大学に進学した。テニスサークルでは真面目すぎて浮いてしまいすぐに退会。英語サークルでは英語がしゃべれず一年で退会。結局は僕に残ったのはドラムだけだった。一回生の夏から参加したバンドサークルは居心地がよく、ここが僕の居場所になった。もうひとつ、高校の友人が一浪して同じ学部に入ってきて山歩きサークルに入会、おまえも入れと誘われて行くようになった。ともこちゃんは、そのサークルに来ていた短大生。月一回くらいは顔を合わす機会があり、なんとなくいいなと思ってたらその友人と僕、友人の彼女とともこちゃんで仲良くなり、付き合い始めた。クリスマス会も重なり、上向き。高校の時にゴミ捨て場に落ちてたギターを拾ってきて友達におしえてもらってたから、うまくもないのに持っていってかっこつけたりもした。春がくるまで、楽しかったと思う。ところが、ともこちゃんの短大卒業が近づいた頃、まだ引きずっていたみずほちゃんのことが忘れられず、中途半端な自分がいやになって、ともこちゃんにさよならしようと言ってしまった。中途半端なまま付き合うのもよくないが、なにも悪くないともこちゃんにとってはひどい話だ。最初から付き合わなければよかったのか?わからない。何がいいのか、今考えてもわからない。その時その時に考えて選んだ結果だから、ベストを尽くしたと考えるしかない。でも、ほんとうにいいこだった。ともこちゃんは何も悪くない。