みずほちゃんが進学した公立大学に合格できなかった僕は、私立大学に進学した。テニスサークルでは真面目すぎて浮いてしまいすぐに退会。英語サークルでは英語がしゃべれず一年で退会。結局は僕に残ったのはドラムだけだった。一回生の夏から参加したバンドサークルは居心地がよく、ここが僕の居場所になった。もうひとつ、高校の友人が一浪して同じ学部に入ってきて山歩きサークルに入会、おまえも入れと誘われて行くようになった。ともこちゃんは、そのサークルに来ていた短大生。月一回くらいは顔を合わす機会があり、なんとなくいいなと思ってたらその友人と僕、友人の彼女とともこちゃんで仲良くなり、付き合い始めた。クリスマス会も重なり、上向き。高校の時にゴミ捨て場に落ちてたギターを拾ってきて友達におしえてもらってたから、うまくもないのに持っていってかっこつけたりもした。春がくるまで、楽しかったと思う。ところが、ともこちゃんの短大卒業が近づいた頃、まだ引きずっていたみずほちゃんのことが忘れられず、中途半端な自分がいやになって、ともこちゃんにさよならしようと言ってしまった。中途半端なまま付き合うのもよくないが、なにも悪くないともこちゃんにとってはひどい話だ。最初から付き合わなければよかったのか?わからない。何がいいのか、今考えてもわからない。その時その時に考えて選んだ結果だから、ベストを尽くしたと考えるしかない。でも、ほんとうにいいこだった。ともこちゃんは何も悪くない。