処方技術 --- Formulatorとしてのプライドより、最高のコンポーネントを! | Driving On the Earth - Part2

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今まで続けてきたDriving On the Earth の更新ができなくなり、Part2にて、再スタートです。
2台の車と3台のバイク、そしてレンタカーで将来の地球環境を考えながら地球を旅していこうと思う技術者です。 

 エンジンオイルや潤滑油、そして燃料用添加剤を造る時、必ずそれぞれのコンポーネント(単一の化学物質)をどのように組み合わせて必要な性能を作り出すかという、特殊な技術者が存在する。同様な職業は、化粧品や薬品などにも存在するようだ。

 

 さて、自分自身、米国の特殊化学品会社でそのFormulatorとしての技術経験を磨いてきたが、実はその時から思っていたのが、常々低コストの原料を使い最高の性能を引き出すと言う実力が求められてばかりだった。だが、幸い工業用の作動油の処方では、世界最高のZnDTPを使って作りだした処方を学び、さらには、分散剤の考え方として、分子量分布の最適・最良の作り方もその時に学んだ。通常なら一つの山型の分子量分布のものばかりだが、あえて、この山を一つ山では無くある形にすると、分散性を向上する事ができる。簡単言えば、数種の同じ分子構造だが、分子量のピークの異なるものを混ぜて山を一つにしないと言う裏技である。今となっては、こうやってブログに上げる事も許されるだろう。もう秘密保持契約などとうに無くなっているから。

 

 さて、多分この分野で米国の研究所から多くを学んだ日本人は非常に少ないし、今、現役の人は自分の知る限り誰もいなくなった。それでも、今思うのは最高の性能を持つ化学物質の研究は、分散剤であれ、清浄剤であれ、まだまだ奥が深いと言う事である。

 まだまだ基礎研究が必要そうだが、今求めている清浄剤からは、燃料用清浄剤に求められるものは、純度をコントロールした方が性能が上になると言う予想である。新たな指標となるかもしれない。だから処方よりより良いコンポーネントづくりが大切なんだと思う。