デポジットの種類と清浄剤 v.s. エンジンシステム | Driving On the Earth - Part2

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今まで続けてきたDriving On the Earth の更新ができなくなり、Part2にて、再スタートです。
2台の車と3台のバイク、そしてレンタカーで将来の地球環境を考えながら地球を旅していこうと思う技術者です。 

 ガソリンとディーゼルを比べると、デポジットの付着場所や、その要因と成分が異なるので、清浄剤としても、幾つかの種類がある。とはいっても所詮はアミン化合物であり、それぞれの分子構造に合わせて、色々なものが組み合わされている。

 

 ここでアミンだったら何でもいいかと言えばそうではない。分子構造上溶解性を示す物質が異なったり、作用される温度域で活性=効果を示すかである。さらにガソリンともなると、燃焼室内部で添加剤自体が燃えてくれないとデポジットを増加させてしまう。例えば、PIB-Aをガソリンに使うと燃焼室内部の汚れは増大してしまう。これを少なくするためには、安いポリエーテル=PEと混ぜて使うのが現代の一般的な使い方で、PEAと混ぜるメリットは無いと言える。これ自体は、ドイツの企業が作り出した技である。だが、燃焼室をしっかり落とそうとすると、PEAのようにはいかないが、熱安定性の悪いPEAに近い清浄性を示す。

 

 だた、最近は、ガソリンなら燃焼室内部のデポジットと直噴インジェクターの噴口及び噴口周辺に着く生成されるデポジットが非常に重要視されている。この場合、PIB-Aを使ったものでは一部のデポジットが落ちないし、PEAでもそれなりの濃度にしないと効果が無い。特に直噴の噴口はストレートでは無く、穴自体がテーパになっていて、燃焼室側が広がっているので、ここにデポジットが付くと噴霧の形状が影響が出る。これは実に厄介である。

 

 これと同じことが、ディーゼルのインジェクターの噴口周りに厚く覆い塞がるデポジットであり、これを清浄剤で落とすのも非常に厄介だと言われてきた。だが、最近の多段噴射機構を持ち、さらにプレ・パイロット噴射の量が多い乗用車だと、ある添加剤技術がこの噴口周りのデポジットを成長させない事が判りつつある。詳細は触れられないが、この辺りが今後の清浄剤開発のキーポイントになると思っている。

 

 もう世界的には燃料用の清浄剤の開発は、ほぼ一段落して、安い性能が今一のPEAがガソリン用では主流になるだろう。だが、一般価格は下がらず、ただメーカーの利益が増えるだけで、決してユーザーの為にはならない。せめてTLはGA-01を作り続けたいところである。