新清浄剤候補A --- 思った以上の静的性能 | Driving On the Earth - Part2

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今まで続けてきたDriving On the Earth の更新ができなくなり、Part2にて、再スタートです。
2台の車と3台のバイク、そしてレンタカーで将来の地球環境を考えながら地球を旅していこうと思う技術者です。 

 清浄剤のベースとなる物性として、デポジットを分解/溶解できないといけない。 その中にあるのが、実際に使われたピストンの汚れ=デポジット、特にピストン上部とピストンリング上の円周部分についた2種類のデポジットに対する清浄力評価がある。それらの部分に、清浄剤を塗り込み(ただしPIB-Aのようなものは、同時にオイルと混ぜたもの。その理由は別途)、ある時間を置いて、溶解するかを見極める。

 

 この時一定以上の時間を置いても、溶解しないものは、ほぼ使えない。だが、逆にすぐに溶解できても、溶剤の様にある温度で分解や気化してしまうものは実際燃料に添加しても効果が無い。

 

 あくまで、スクリーニングの最低限のもので、100%これだけではない。それでも、

新清浄剤A塗布前

塗布し一定時時間後に綿棒でそっと拭き取ったもの。

 完全では無いが、デポジットはかなり落ちている。左側の黒い部分は塗布していない部分。ただ、ピストンを寝かせていたので、垂れたところも若干滲んできている。

 

 同時に、燃やしても一切カーボン化しない性能が必要である。これ自体は、分子設計で100%満足させられるノウハウは、既に30年前に研究を終えている。

 

 さて、最近海外の大手添加剤メーカーから性能の悪いPEAが入ってきているようだ。当然プロモーションがあったので、そちらも念のため、評価してみたが、今一だった。理由は熱安定性が無いことから、分子量を大きくして何とか性能を上げようとしたことから、溶解力反応性が悪化したからだと思う。その分燃えやすい構造ではある。特に吸気バルブのデポジット=IVDは、なかなか落ちないし、CCDも推奨濃度使用しても、かなり劣る。

 

 新たな清浄剤Aは、分子量の最適化も行っておらず、幾つかの候補を試作、それをそれぞれ単独で、評価中。今のところ分子量による差が無いから、あとは高温の清浄性試験は、パネルコーカー試験に似たようなものを独自に作り、評価している。これを通らないと、IVD試験は100%満足したものにならない。同時に、CCDにおいても、温度条件を変えると実機に近いものが得られる。この試験の利点は、エンジンオイルの成分の影響を実車で確認するのは、多大な時間が必要だが、これだと、一人でこれだけに1か月もかければ、全ての純正オイルや欧州のメジャーメーカーのものを評価完了できる。実際は、純正オイルに使われる添加剤を密かに入手、ベースオイルやVIIの組み合わせを含め、どう影響するかを経験的に積み上げているからできる事。ここまでやっている添加剤メーカーなど、米国大手添加剤メーカーや欧州化学会社を含め、日本の企業含め何処無い!

 

 今後e-Fuelに対しても、単なるe-Fuelでは意味が無い。色々な新技術を組み込むことで今のエンジンですら性能アップできることを目指すのがTL。その為にも、新清浄剤は、A、B、C の3つのプランの中から、最良ものを作り上げて行きたいと思う。

 

 まだまだ、Aは、初めての分子構造だし、思いもよらず、いい結果が続くと、ワクワクせずには居られないだけの話である。同時進行で、実車に入れて違和感が無いことを近く確認予定である。