希少疾患 新薬求め活動
こんにちは 柴田です。
まだまだ、知られていない病気が沢山あるのですね。
「運よく新薬に恵まれ学校にも通えるようになりました。でも、経済的な事を考えると不安です」
神奈川県の利根川理登りとさん(39)はこう話す。

末っ子の貴理ちゃん(7)は「クリオピリン関連周期性発熱症候群」(CAPS)という全国で推計50人というまれな病気だ。遺伝子の変異で全身に炎症を起こす物質がたくさん出来る。
高熱が出て、前身の関節が腫れ、進行すると変形して歩けなくなる。頭は慢性の髄膜炎で痛み、目や耳の炎症が続くと弱視や難聴になることもある。
1歳の時に高熱と全身の発疹が出た。検査を繰り返したが原因は解らなかった。5か月間、入院を続け横浜市立大の専門医に紹介され、2歳2か月で診断がついた。
ちょうどその頃、原因となる炎症物質を抑える薬が海外で使われるようになり、同大の医師が個人輸入してくれた。
効果は劇的だった。ぐったりとして起きあがれなかった貴理ちゃんが、3日後、突然つかまり立ちを始めたのだ。
「国内でも薬を使えるようにしたい」。
2008年、夫の聡さん(40)が代表になり患者会を結成した。だが、製造元の製薬会社には日本法人がない。
治験を日本で引き受けてくれる企業を探そうにも、わずか50人の希少疾患の為に動く企業を見つけるのは困難だ。
絶望的な思いを抱きながら奔走していた時、別の製薬会社も、海外でこの病気に効果がある薬を開発したことが分かった。
採算を度外視して日本での治験を申し出てくれ、11年9月、国の承認を受けた。
早くから治療を始めることができた貴理ちゃんは、後遺症も残らず、8週間に1度の注射で、普通の子と同じように元気に暮らせている。
新薬は保険がきくが、1本約144万円する。
月当たりの支払額に上限を定めた高額医療費制度で1回目の支払いは約10万円。3回目以降は半分弱になるものの、3人の子供を育てる家計への負担は大きく、理登さんも働き始めた。
この病気を見られる病院は全国に数ヶ所しかない。地方に住む患者は、通院するのに高額な交通費がかかる。お金が払えず、治療を断念した人もいるという。
大変な病気ですね。でも、治療出来て、本当によかったです。