旅ヲタ医師の読影クルーズ日誌~魅惑のマダガスカル編~ -6ページ目

旅ヲタ医師の読影クルーズ日誌~魅惑のマダガスカル編~

クルーズ船で究極のテレワークを行いながら、インド洋の未踏の国、マダガスカルを目指します。

コロナ禍に入ってからのクルーズは今回が2回目となりますが、飛鳥Ⅱは当日検査のみだったのに対し、にっぽん丸では乗船1週間前と、乗船当日にPCR検査が行われます。この手のコロナ対策はクルーズ会社により若干対応が異なる様です。当日のPCR検査は、飛鳥Ⅱと同じく、同室の乗客分はまとめて検査される運命共同体方式となっています。つまり、誰か一人でも陽性ならば、全員乗船できないということです。

 

大さん橋に停泊するにっぽん丸

 

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部屋ごとにひとまとめで検査

 

検査待ちの時間には、クルーによる寄港地ガイドなどあり、放置プレイだった飛鳥Ⅱとは違った感じでしたが、これだけ色々話を聞いた後で陽性が判明した場合、ショックが隠しきれませんので、とりあえず陰性で安堵したところです。

 

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乗船

 

乗船後は48日間の主な居場所となる部屋へ。スーペリアツインというカテゴリーで、以前乗ったことがあるスタンダードステートとは広さは変わらない感じですが、ベッドやソファのアレンジが違っています。バス、トイレも改装されています。

 

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スーペリアツイン

横浜港からの出航は2回目で、前回もにっぽん丸(小笠原クルーズ)でした。にっぽん丸は問題ないのですが、ここ横浜港に入るには横浜ベイブリッジをくぐらないといけないため、不覚にも?負の意味で有名となってしまったダイヤモンドプリンセスなどの大型船は、条件が揃わないと港内には入れず、ベイブリッジの袂にある大黒ふ頭発着となるようです。どうせなら遠ざかる街並みを眺めながら出発したいですし、そう言う意味でも旅情を感じられるにっぽん丸は魅力的と言えるでしょう。

出航を知らせる汽笛が鳴り響き、多くの皆さんのお見送りを受けて、いよいよ離岸。48日に及ぶクルーズのスタートです。

 

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夕日を受けて

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みなとみらいの街並みをバックに

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横浜ベイブリッジを通過

 

今回は夕食は1回目のグループとなっているので、ベイブリッジをくぐった頃には夕食タイムに。「食のにっぽん丸」と言われるだけあって、相変わらずクオリティの高いお食事でした。食事から戻ると揺れが大きくなってきたので、浦賀水道を超えて太平洋に出たんだと思いますが、船長のアナウンスによると今晩から明日は揺れるとのことでした。

 

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デザート

※食事はInstagramで主に公開していきます https://www.instagram.com/dodocannotfly/

いよいよ明日出航となりました。明日の集合時間は13時なので、当日入りでも間に合わないわけではありませんが、万が一乗り遅れる様な事態になっては困りますので、前日から横浜に滞在することにしました。そして、その宿泊先としたのがホテルニューグランド。ナポリタンスパゲティやプリンアラモードの発祥地、そしてとあるグループの曲にも出てくるバー、シーガーディアンで有名なホテルですが、以前クラシックホテル巡りをした際に一度宿泊しています。山下公園に面するこのホテル、風格、ロケーション共に横浜からの航海前夜に最もふさわしい宿泊先だと考えました。明日の出発点である大さん橋も近く、本日神戸に向かう飛鳥Ⅱと、明日乗船予定のにっぽん丸が並ぶ光景が見られました。

 

飛鳥Ⅱと並ぶとサイズ感がわかりますね

 

山下公園から望む本館の姿、そして館内の大階段。威信をかけて建設されたであろう当時の風格をそのまま残す、日本のクラシックホテルの代表格と言えるでしょう。ただ、今回は本館の部屋は確保できなかったため、ニューグランドタワーと呼ばれる新館に宿泊です。

 

 

この風格!

 

ホテルの裏手には横浜中華街があるため、食事にも困りません。夕食は、おそらく航海中は最も縁遠くなるであろう中華料理にして、明日からの48日間の航海に備えることにします。

 

人通りは戻ってる感じでした

 

山下公園からの夜景

 

今回利用するにっぽん丸には過去に3回乗船しており、我が家ではおなじみと言っても良い船ですが、3年以上も遠ざかっていますので、過去の記憶をたどりつつ、準備に取りかかります。

にっぽん丸など国内クルーズ船にはセルフサービスのランドリーがありますし、寄港地の大半は温暖な地なので、こまめに洗濯すればそれほど衣類は要らない様にも思えますが、ドレスコードがフォーマルの夜も複数回あるため、衣類だけで既にスーツケース一つが埋まる始末。これにパソコンやカメラ類、常備薬や靴など必要になりそうなものを詰めていくと、もう一つのスーツケースも埋まってしまいました。ただ、これもクルーズ旅のメリットというか、乗ってしまえば荷物の移動は不要ですし、港への往復は宅配で送ればいいだけなので、あまり荷物の減量には気を使う必要は無さそうです。

 

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長い間出番の無かったリモワボサノバもウォーミングアップ中

 

ヤマト運輸が集荷に来てくれます


また、今回の旅程では最初の寄港地が石垣島なので、ここまでの間に不足しているものに気がつけば石垣島で調達すれば良いと言う安心感があります。

そうしているうちに数々の書類が届き、保険やオプショナルツアーの申し込みも完了。職場と家庭内の調整も終え、あとは出発を待つのみとなりました。ただ、飛鳥Ⅱでは行われなくなった事前PCR検査、にっぽん丸ではまだ行っているようです。どうせ乗船日に検査するのに、この事前検査の意味って何なのでしょう?。

 

色々届くと旅気分も盛り上がりますね

 

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こんなキットが送られてきます

気がつけば50歳。ついに人生の半分以上を医師として過ごしてきたことになりますが振り返ってみれば旅をするために働いていると言って過言ではない生活を続けてきていました。1,700回以上飛行機に乗り、170回以上出国し、90以上の国を回ってもなお尽きない旅への飽くなき探究心に、我ながら驚き呆れていますが、そんな中でも憧れの旅のスタイルが、クルーズ船の旅です。

これまでも飛鳥IIやにっぽん丸などのラグジュアリークルーズ船をはじめ、さんふらわあや太平洋フェリー、新日本海フェリーなどの長距離フェリー、地中海、バルト海、カリブ海のカジュアルクルーズ船と、それなりに船旅も楽しんできましたが、これらのクルーズは長くても7泊8日で、次から次へと立ち寄る港と船内イベントで慌ただしいものでした。「次の港まで1週間」と言ったゆったりとしたクルーズは、いつかは出掛けてみたいと憧れる存在です。

もちろん、この手のロングクルーズは退職後の楽しみにするしかないと考えていたのですが、退職後の楽しみを目前にして亡くなった複数の恩師の姿を目の当たりにしたこと、そして自らががん患者となり、それ以降人生観が大きく変わったことなどから、なんとか早いうちに、つまり現役のうちに実行する方法はないかと、密かに企んでいました。

そんな中、世の中はコロナ禍に突入し、テレワークと呼ばれる仕事のスタイルが当たり前の世の中に。実際に緊急事態宣言中は自宅からのテレワークとなり、完全にテレワークのみに移行はできないものの、大半の業務は実現可能となったことを体感しました。また、働き方改革なる言葉が無縁と思われた医師の世界にまで広まり、温泉やビーチリゾートに滞在しながら働くと言ったスタイル、いわゆるワーケーションは、もはや夢物語でもなんでもないワークスタイルとなりました。

となれば、長期休暇を取るのではなく、クルーズ船でテレワークをすればいいのでは?と考えるようになりました。しかも、毎日のように港に寄り、イベント目白押しで忙しいショートクルーズとは違い、ロングクルーズならゆとりの時間もたっぷりあるはずなので、その時間で仕事ができるでしょう。ただ、テレワークをするにはネット環境は必須と言うことで、ひとまず船内WiFiなるものがどの程度使い物になるのかを確認するため、先行して国内クルーズでトライアルを行ってみたところ、快適とまでは言えないものの、なんとか仕事にはなりそうな手ごたえを感じました。


ちょうどこのトライアルを終えた頃、国際クルーズがようやく再開されると言うニュースがあり、まさに「渡りに船」。しかもにっぽん丸の再開クルーズはめったに催行されないインド洋単独のクルーズ、更に寄港地のモルジブ、モーリシャス、マダガスカルはいずれも未踏の国と言うことで、今回の「モーリシャスプレシャスクルーズ」乗船を、ほぼ即決したのでした。

 

今回のクルーズコース