抗生物質の適正使用 | 人生を豊かにする本物の医療を目指して。 Dr.SHUTOのブログ 「Wellness&Happiness」

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心と体に優しい医療により、縁ある方々が悔いのない健康で幸せな人生を送るきっかけになりますように。

過去に抗生剤を多用している場合、

 

「耐性菌」といって、

 

抗生物質が効かない、薬の効かない菌が体内に育ってしまう場合があります。

 

実際に、耐性菌によって薬が全く効かずに、治療をしてもまったく歯が立たないまま死亡する例があります。

 

近年は、単なる風邪には抗生物質を使わないお医者さんが増えてきたと感じますが、

 

患者さんが外来で「抗生剤をください」と言ってくることはいまだにあります。

 

本当に必要な例以外は、抗生物質の処方は、正直したくありません。

 

また、入院病棟でも「強い抗生剤」をバンバン使用している例がありますが、

 

そのような患者さんは菌自体が強くなり薬に耐性になっているので、普通の抗生物質では治らない菌が育ち、増えます。

 

抗生物質は、ここぞ!という場面で使えば、たくさんの人を救うことができる素晴らしい薬ですが、

 

一方で、使用しすぎると薬の効かない菌を育ててしまう、ある意味「猛毒」のような面もあります。

 

抗生物質の多用は、腸内細菌のバランスも崩すので、免疫力の低下にも影響してしまいます。

 

抗生物質の適正使用が広まることを望みます。