バッテリー+コンデンサバンクは、滑らかでかつ地盤が強固、という点で非常に有望な選択肢だと思いますし、実際の経験上も音は良くなります。ただし、バッテリー、特にリチウムイオンバッテリーを自作で使うことには安全性の面からかなりのリスクが伴います。バッテリーは困難でも、自作の極低ESRバルクコンデンサのアダプターであれば比較的容易に自作できますし、製品化もされています。この場合にどのような条件なら効果が発揮されやすいかを書いてみます。
低ESRバルクコンデンサを使ったアダプターがネットワーク機器に効く理由
ACアダプターの平滑化にコイルを用いる事は地盤を弱くしてしまうのでおすすめではありませんが、経験上、並列にOS-Conなどのコンデンサを設置すると音質が向上すると感じます。
ただし、この場合、必ずアダプターとして接点を介して接続することが重要です。これらの接点は数mΩ〜10mΩ程度の抵抗として機能し、結果的にリンギング対策として働きます。
もっとも、電源の特性によってはリンギング(リンギングとは、電圧振動がいつまでも続いてしまう現象。ベルを鳴らしたときに残響が残る(ringing)事からリンギングと言われる)が強調されて逆効果に感じる場合も有ると思いますので、音を聴きながら試す必要があります。
フェライトコアの位置は重要
こういった製品としては、Petti Tank Limited Editionや私がよく使っている自作TAISコンデンサバンクがあります。ただ、Petti Tank Limited Editionの問題点は、接続対象器機側(下流)のケーブルがかなり長いことがあげられます。ここは短い方が効果は高いはずです。また、フェライトコアについても配置には注意が必要だと感じています。個人的には、コンデンサバンクの機器側よりも、電源側(上流)に配置した方が、音を損なわずに効果が出やすい印象があります。Petti Tankのフェライトコアがコンデンサバンクと器機の間にあることはコンデンサバンクの効果を減弱しかねないなと感じます。
今のところ、自作コンデンサバンクアダプタが最適解の一つ
実は、FX Audioの製品は価格の割に非常に効果が高いなと感心することもあるのですが、事、ネットワーク機器に関しては音がもう一つになる場合もあり、それは構成をみる限り、仕方が無いなと感じますし、市販品ですから、未知の環境で破綻を来さないように安全サイドに振っているので、これ以上は難しいのだろうとも思います。そこに自作品の余地が生まれます。
実際、これらをアダプターとして用いる場合には、各種AC電源の先に5.5x2.1mmのDCプラグを介して取り付けることになります。実は、このDCプラグ、プラグ部だけで数mΩから数十mΩの抵抗があり、これがダンピングとして作用しリンギングを抑制してくれます。実は、このアダプタとしてプラグを解している、という点が非常に重要です。これが無いと容易にリンギングを起こしてしまいます。上のブログのリンクではプラグ直近に小型リポバッテリーをつなぐようにTX30プラグを取り付けていますが、ACアダプターにつなぐときにはこのプラグは使いません。
このコンデンサバンクは、数mΩの非常に内部抵抗が低いコンデンサを並列にして10000μF以上使っています。このアダプターはネットワーク機器の物理層のμ秒からミリ秒単位の電流変動による電圧変動を押さえ込み、結果として動作の安定をもたらしている可能性が高いです。ただし、機器側の電源回路によってはこのアダプターの効果が出にくい場合もあります。ですから実際に音を聞いてみて有効な機器を見極める必要もあります。ただ、我が家ではほとんどの機器である程度の効果を感じていますから、多くの方が効果ありと思われると思いますし、実際手間は掛かりますが、材料費だけだと1000円から2000円程度ですので試す価値は十分にあると思います。

